Sujak do 〜SujaのDNA〜

興味深く感じたことや読んだ書籍について書いたりしていきます。天然石については、一休み。

数珠つなぎ読書〜帝銀事件〜平沢貞通氏〜731部隊

2020-08-29 14:19:36 | 本を読む
新型コロナウイルス感染者の対応に関わっている医療従事者の方々の勇気ある姿勢に心から感謝します
そして無事に全うできる事を心から祈っています


こんにちは
Sujaです

京極夏彦さんの『邪魅の雫』から始まり
松本清張さんの『小説 帝銀事件』
平沢貞通氏の『遺書 帝銀事件』
と、数珠つなぎに読んできました

そして今回
青木冨貴子さんの『731』を
読んだのですが

戦争という時代背景は
戦後に生まれた私には
到底、理解出来ない

当時、生きていた人達でさえ
信じ難い事が
満州では、行われていたようです

正式名【関東軍防疫給水本部】
731部隊は、通称名【満州第七三一部隊】の略だそうです

この通称名は1941年に導入されるのですが

それまでは

【石井部隊】と呼ばれていたそうです

【石井】とは
陸軍省と参謀本部を説得させて
この研究部隊を作らせ
部隊の隊長の名前
陸軍軍医中将【石井四郎】からきています



この本『731』は
石井四郎氏が、戦後に書いていた
《メモノート》を元に
著書の青木冨貴子さんが
石井四郎氏の戦後の様子を
説いているようです

本の前半では
731部隊が出来るまで
そして
満州を拠点にして
研究していた事柄について
説明してくれています

731部隊の研究は
兵士の感染予防や、衛生的な給水の研究を表向きに
細菌兵器の研究に力を入れていたようです

例えば
ペストに感染させたノミを大量に作ったようです
これを中国の村に空から散布して感染の状況を調べるのです

そして【マルタ】という隠語が出てきます

【マルタ】とは
人間のことを指します
死刑囚あるいは、捕虜を
満州の731部隊の研究施設に運ぶ際の呼び名だそうです

【マルタ】は何をされるかと言えば
様々な細菌に感染させ
その経過を観察したり
ワクチンでは治らないくらいの強力な細菌を作り出す研究材料に使われていたのです

そして

感染によって、弱ってしまった【マルタ】は
そのまま解剖にまわされるのだそうです

そのままとは
まだ生きているということです

悪魔のようなこの部隊の施設は

終戦直後に証拠隠滅のため
自らの手で全て焼き払われるのですが

石井四郎氏は
自分が手掛けた研究をかなり持ち帰っているようです

本来ならば
戦犯に問われて当然なのですが

石井四郎氏をはじめとする軍医たちは
研究の情報を提供するという条件で
戦犯を免れるのです

この中には
《ミドリ十字》の創業者【内藤良一氏】もいます
ミドリ十字と言えば
薬害エイズ事件を思い出します

とにかく
この交換条件の直後

【帝銀事件】は起こったようなのです

731部隊の元軍医を捜査していた
成知英雄警視は
GHQの壁に邪魔されています

そして
平沢貞通氏の逮捕は
GHQにとっても警察側にとっても
都合が良かったのじゃないかと


勝手に想像してます
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数珠つなぎ読書〜帝銀事件〜平沢貞通氏〜

2020-08-22 15:08:26 | 本を読む
新型コロナウイルス感染者の対応に関わっている医療従事者の方々の勇気ある姿勢に心から感謝します
そして無事に全うできる事を心から祈っています


こんにちは
Sujaです

京極夏彦さんの『邪魅の雫』が発端で
帝銀事件に関心をもち
松本清張さんの『小説 帝銀事件』を読む中で
平沢貞通氏とはどんな人なのか
知りたくなり
平沢貞通著『遺書 帝銀事件』に辿り着きました

この本は
平沢貞通氏の支援者である
森川哲郎さんに宛てた手紙をもとに
森川哲郎さんの解説や
支援者たちの会談などが書かれていました



平沢貞通氏は
1892年(明治25年)2月18日に東京で生まれ
出身は北海道の小樽市だそうです

子供の頃から絵が上手く
帝展にも出品し
横山大観の弟子として画家として活躍していたようです

『小説 帝銀事件』と
この『遺書 帝銀事件』を読んでみて
私個人としては
平沢貞通氏は【無罪】
なのではないかと思うのです

平沢貞通氏が
帝銀事件の犯人として逮捕され
死刑判決を受けるに至ったのは

数々の不運な時期が重なったが故のように思われるのです

まず
犯人の手掛かりとなった名刺

この名刺は
《厚生技官 医学博士 松井蔚 厚生省予防局》

松井蔚という人物は実在し
彼と名刺交換した人物
更には
その名刺を持っていない人物が
犯人の可能性があるということです

平沢貞通氏は
以前にこの松井蔚さんと名刺交換をしていて
その名刺を財布に入れたまま
スリに遭ったということなのです

だから当然名刺は手元になく
容疑は晴れないのでした

そして、当時のアリバイも
非常に微妙なところで
全く犯行出来ない事はないと
判断されたようです

更には
当時、平沢貞通氏が帝銀事件で奪われた金額と同額に近いお金があった事
このお金に関しては
何のお金なのか明確にはしていないようです

平沢貞通氏は
狂犬病予防接種の副作用で
コルサコフ症候群に罹っており
記憶障害や辻褄の合わない虚言をする傾向にあったそうです

そして、悪い事に
平沢貞通氏は、帝銀事件の数ヶ月前に詐欺行為を働いていたことも発覚し
益々容疑は深まります

そして
動かぬ証拠もないまま逮捕に至ります

当時は新憲法と旧法との境い目だったようで
平沢貞通氏は
自白を重要視する旧法での裁判となったようです

警察としては
自白さえさせれば裁判に持ち込めるのだから
どんな手を使ってでも自白させると意気込んでいたのでしょう

相当に厳しい取調べだったようです
肉体的、精神的に追い込んで
平沢貞通氏は
3度自殺を図りますが
失敗します
そして
警察に上手く誘導されながら
自白したようです

平沢貞通氏は
死刑判決を受けますが
執行されぬまま
1987年(昭和62年)5月10日肺炎のため獄中死します
95歳でした

犯行に使ったピペットも薬品の容器も見つかってない
薬の入手経路も定かでない
人相も曖昧
指紋に至っては、合致していない

これ、現代の裁判では
死刑判決にはならないし
有罪にするのも難しいでしょう

もう一方の捜査では
旧日本軍の元731部隊の軍医を
捜査していたのに
そちらは平沢貞通氏が逮捕されて
打ち切りになったそうです

しかし
当時捜査担当だった
成知英雄警視は
かなり核心についたところまで
捜査は進んでいたことをこの本に記しています

【731部隊】通称【石井部隊】
この名は『邪魅の雫』でも出てきました

この部隊は戦時中
満州で何かを研究しています
【マルタ】という隠語で
人間をモルモットにしています

そして私は

青木冨貴子著『731』
という本を見つけました
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数珠つなぎ読書〜帝銀事件〜

2020-08-20 15:29:59 | 本を読む
新型コロナウイルス感染者の対応に関わっている医療従事者の方々の勇気ある姿勢に心から感謝します
そしてに全うできる事を心から祈っています


こんにちは
Sujaです

発端は、京極夏彦さんの小説『邪魅の雫』なんです

物語は、戦後間もない昭和28年の設定で
連続毒殺殺人の話なのですが

話の中で
昭和23年に実際に起きた「帝銀事件」の事に少し触れていて
興味を持ったのです

私が生まれる遥か前の事件で
毒盛って人を殺したとしか知らず

いつ頃のどんな事件で
犯人などの詳細も知らないレベルです

『邪魅の雫』の中では
帝銀事件の犯人が無実を訴え控訴中という話になっていました

いったい帝銀事件は
どういう結末だったのだろう?

で、図書館で借りてきました
松本清張さんの『小説 帝銀事件』



小説というより
『実録 帝銀事件』と言ってもいいほどの内容でした

作中に引用されている資料は全て本当で、人物もほぼ実名でした

戦後まだ日本がGHQの占領下だった
昭和23年1月26日 pm3:00過ぎ
帝国銀行(現:三井住友銀行)椎名町支店に
都衛生課員を名乗る男が現れ
「近くで赤痢が発生したので、予防薬を飲んで下さい」と指示し
持ってきた液を行員16人に飲ませ
苦しんでいる間に、現金16万4千4百55円35銭と小切手1万7千4百50円を奪って逃走
行員16人中12人死亡

という事件でした

捜査班は
この事件の前に
他の銀行でよく似た未遂事件があり
その際、犯人が行員に渡した名刺を手掛かりに搜索する『名刺班』と

犯人が、液を湯呑みに分けるときに使用したピペット(スポイト)が、軍が使用していたものと似ていて、薬品や医療に詳しい旧陸軍731部隊(関東軍防疫給水部)の関係者を捜査する班の
二手に分かれて捜査は進められるんですが

結果、名刺班が
画家の平沢貞通氏を逮捕するんです

平沢貞通氏は
非常に厳しい取調べを受け
約1カ月後、自白します

しかし、裁判では一転無罪を主張するのですが

死刑判決を下されてしまいます

この事件は
平沢貞通氏の自白のみで
自白の裏付けも
物的証拠も無く
16人中助かった4名の証言も
平沢貞通氏が犯人かどうか
当初は曖昧だったようです

私は
なぜ、平沢貞通氏は自白して一転無罪を主張し続けたのか
本当は犯人ではないのではないか?

知りたくなりました

そして
平沢貞通著『遺書 帝銀事件』
という本を見つけたのです
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