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詭道、虚数、遺伝子の平行移動・・・孫子の兵法と事業再生⑬-3

2009年09月26日 10時39分32秒 | 事業再生
この本の中では細胞という生命体をミニチュア人間としてとらえています。

その細胞の組織形状からして、また細胞の中央に位置することから、誰もがDNAが入っている細胞の核こそが細胞の脳であると思うのではないかと考えるのが一般的だと思います。

しかし、著者は「細胞膜こそ細胞の脳である。」としているのです。大胆な発言ですね。

パソコンでたとえれば細胞膜こそCPUであり、核は単なる記録用のディスクで、タンパク質生産のコードを書いたDNAプログラムが格納されたハードディスクにすぎないとしているのです。

実に衝撃的な話なのですが、詳しい話は書きませんが、本を読むとその論理的展開から私も妥当な理論であると思うようになりました。

また、量子物理学と代替治療や東洋医学、心が持っている治療効果、信念は細胞を変え人生を変える、等々、生物学者としての観点から衝撃的な内容が実に面白く、しかも論理的に書かれていました。細胞はDNAだけ進化するものではなく、むしろ単なる設計図であり、意識や環境が細胞をコントロールし、DNAのふるまいを変えるということ(epigeneticsという新しい生物学)なのだそうです。

epi…外部の
genetics…遺伝子

事業も、細胞のように、すべての事柄は複雑に調和して成り立っており、事業再生は簡単に法律のみで最適に解決される事はむしろ少なく、あらゆる観点から柔軟に解決すべき事なのだと思います。

最近、若い方の友人どうしの付き合い方をみていると異なる意見の衝突を無意識に避ける傾向があるように思います。自分とは意見が異なると簡単に排除し、同じ価値観を持つものどうしが自分たちの価値観を正当化し、異なる意見を自分たちにとって邪悪なるものと決めつけてしまうような傾向があるように思います。

しかし、何か新しく物事を創造しようとした時は意見の衝突の中から調和にいたる際に生まれるものであり、そこには自分とは異質の人間が付き合いが必要です。まさに、自分たちとは別の直交(注1)した生き方をする人間との付き合いこそが創造の広がりを生み出すのではないかと私は考えています。

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直交(注1)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より

直交(ちょっこう)とは、「垂直に交わること」 の意である。もっとも単純にはユークリッド空間内の交わる二つの直線や平面のなす角が直角であることを意味する。たとえば、水平面上に鉛直に直線を下ろせば、この直線と平面は直交する。

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事業再生も通常の事業経営とは直交した考え方あり、孫子の兵法のいう詭道とは戦争を避け、平和に暮らす国家戦略とはまさに直交したものでありますが、そのことを知ることにより、より高度な経営、国家運営、人生の生き方を考えるものになるのだと思うのです。

ですから、あなたの会社が危機の瀕しているならば、それはまさにチャンスだともいえるのです。


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