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R&Rf Blog "The Ladder To The Stars"

ミニチュア製作を中心に日々感じたことをランダムに綴っていきます。

1/18 「バニシング・ポイント」ダッジ チャレンジャーR/Tとコワルスキー(1/18 1970 Doudge Challenger R/T and Kowalski)

2021-02-08 | 製作

 今回は70年代のアメリカン・ニューシネマ「バニシング・ポイント」(‘VANISHING POINT’ 1971)からダッジ チャレンジャーR/Tとコワルスキー。

 デンバーからサンフランシスコまで猛スピードで車を走らせる中で主人公のコワルスキーの過去がフラッシュバックで挿入されていく。スピード違反でパトカーに追われながらも過去を振り切るように疾走していく。途中ラジオDJのスーパーソウルによって思わずと話は大きくなり彼はヒーローみたいに祭り上げられる。その騒ぎに対抗した警官たちは威信をかけて捕まえようとする。シスコへ向かうホモカップルやヒッピーコミュニティやら当時の文化や雰囲気を盛り込みながら映画は進む。ベトナム帰りで全てがうまくいかない彼の過去は映像で語られるが。そうした時代の中で折り合いや答えを見いだせないままフラストレーションを抱えてひた走る。彼はドラッグや疾走している時にだけ痛みを忘れられているように思えて仕方がない。ラストの微笑がそれを示している。

 この映画はほとんどが時速200キロで駆け抜けるドライブシーンである。主人公のアンニュイな感じが全編に漂う大好きな映画である。

 この映画のもう一方の主役でもある1970年式ダッジ・チャレンジャー。車体はそれほど大きくないが6.4リッター325馬力のエンジン搭載のR/Tタイプ。個人的には斜め後方から映した白いルーフトップの形がやけに色っぽいと感じたものだ。

 今回のフィギュアは希望があったので年明けから取り掛かってみた。ミニカーはグリーンライト製。今年の第一弾。今年も疾走します。


 


1966 ホンダ・スーパーカブとスティーブ・マックイーン(1/24 & 1/32) Custom figure Steve McQueen & 1966 Honda Super CUB

2020-11-27 | 製作

 スーパーカブに乗っているマックイーンの写真は多くある。彼が一時期愛用していたことがわかる。しかし写真の殆どがモノクロである。SSS projectのShinichiro氏から春先に「マックイーンのカブはグリーンだったんだね」とカラー写真が送られてきた。ほどなくして彼がカブに乗るマックイーンのイラストを描いた。彼はグラフィック・デザイナーでありイラストも描く。このオリジナルのイラストにはルマンのボア付きのジャンパーを着せている。かねてからこのジャンパーを作ってみたいと思っていたのでフィギュアを作ってみた。既存のミニチュアのカブはいろんなサイズが出ているが1/24くらいで作りたかった。今回はFトイズのものを使った。

マックイーンのカブは荷台をリアシートに改造してあるのでそこも造りこんだ。イラストではタバコを咥えていたのでそこまで挑戦してみた。この0.2mmのタバコの有無で雰囲気がかなり違ってくると思う。これは遊びの延長で2個だけ作った。ついでにガシャポンの1/32用にも作ってみた。こちらはドライビングポーズ。

このブログにイラスト使用の許可をShinichiro氏にお願いしたらわざわざ背景だけ送ってくれた。ありがたや。感謝。

(SSS Project No.0012)

     

 


1/12「大脱走」トライアンフとヒルツ大尉  1/12 “The Great Escape”Triumph TR6 and Captain HILTS

2020-11-22 | 製作

 今年はスティーブ・マックイーンが亡くなって40年。また生誕90年の企画も組まれいて過去の作品を見直す機会も多かった。彼の代表作のひとつである「大脱走」(The Great Escape 1963)は柵越えのシーンを見るために何度見返したか分からないほど。(観ていた当時はボディ・ダブルとは思っていなかった)

 ミニチャンプスから2009年に発売された「大脱走」(The Great Escape 1963)のバイク、トライアンフTR6 当時アナウンスから発売までかなり期待して待ったのを覚えている。期待が大きすぎたのかもう少しタンクに金属感が欲しかったなぁ、と思った。(発売前の宣伝写真の出来は販売される時の大量生産品よりも良いことは分かっていたが)でもそれなりに満足したのは事実で当時からこれに合ったフィギュアを作ろうと思った。バイクに乗る姿も検討したが、個人的には大脱走のヒルツ大尉を作るならA2ジャケット、映画にはこういうツー・ショットは無いのだが展示演出としてこの収容所のポーズのフィギュアを1/12で作ってみたいと思った。しかし思った以上に難しくバランスに納得がいかずヘッドなどは五回くらい一から作り直した。何度も頓挫して放っておいたがこの度1/12の連作から再開、なんとか完成にこぎつけた。

 このフィギュアはA2やグローブと革製品が多いのでドライブラシを多用しているが、全体的にどの程度汚すべきかとても悩んだ。バイクが異様にキレイなだけにね。汚し塗装は自然光か人工的な光かで見た目が変わってくる。光も演出の一つであるから光に合った汚しの程度が必要だということ。自分は自然光はあまり好きではない。

 このバイクは現在はパッケージを変えて京商から発売されている。

    

 

   


1/18 ポルシェ917K #22用ドライバーフィギュア Custom figure for 1:18 Porsche 917K #22

2020-11-21 | 製作

 これまで1/18ポルシェ917K用のフィギュアは#20#21に合わせて2種類ほど作っているが、この度CMRからガルフ・チームの#22が発売されていることを知り917Kをコンプリートすべくカラーリングの違うこのモデルを購入した。CMRのこのモデルはドアもカウルも開かないギミックなしの簡単なモデルだがせっかくなので3番目のフィギュアも作ってみた。というのもガルフユニフォーム用デカールシールが大量に余っていたので、そこから製作を思いついたのでもあるが。

 で、「栄光のル・マン」(Le Mans 1970)のオフショットで#22を背景にした有名なポスターのポーズを参考にした。マックイーンは映画では#22には乗っていない。#22は映画の中では優勝する車である。

 今回で何度観たことだろう。やはり大好きな映画である。

       
※このフィギュアは現在ヤフオク出品中です。
◎1/18「栄光のル・マン」ポルシェ917K用フィギュア(Cタイプ) 


製作について2020 summer その2

2020-07-31 | 製作

 コロナの第二波かこちら地方でもクラスタが発生し感染拡大が止まらない。また製作に没頭する日々が続きそうだ。今回も自身の製作ポリシーについて語ってみようと思う。

 何に限らず物を作る人は過去に作ったモノはその失敗部分が気になる。他人から見たら素晴らしく見えても本人は製作過程が分かっているだけにその欠点が気になって仕方ない。だからこそ次回作でその失敗や未熟さを克服しようとする。それがモチベーションにつながっていく。

 ある絵を描く有名人は自分の作品を出来の良いものから手放していくという。それはいいものを手元に置いておくと自分の技術が上達しないかららしい。チャップリンの有名な「代表作は次回作」という言葉もこういうことなんだろうな。 自分もそれにならって出来のいいものから手放している。確かにそうすることによって次回作にモチベーションが湧きますね。

 造形する者として当然ながら仏像にも興味がある。その最高峰として運慶・快慶の慶派があるが、その対極として円空がいる。自分としてはそのどちらにも惹かれるのである。究極のリアリズムとしての慶派と省略して一切を見る者に委ねた円空。リアリズムと言いながら実際は慶派にはデフォルメもあるのだがそれは表現のためのデフォルメで有無を言わさぬ圧倒感がある。円空の場合は全体の醸し出す雰囲気に妙に惹かれるのである。自分の製作の中ではこの二極の感覚が出たり入ったりしているような気がする。リアリズムだけに偏ってないのはどこかこの円空の感覚があるからかもしれない。

 今回の新作ではまた新しいことを試したいと考えている。それが上手くいくかどうかはわからないが常にチャレンジ精神は持っていたい。チャレンジ精神こそモチベーションの源。

 

 

 


昭和残侠伝 1/12フィギュア その2(着流し)

2020-06-24 | 製作

 前回のフィギュアを作っている最中に、殴り込み前の道行きのフィギュアの希望があったので急きょ並行して着流し姿を作り始めた。健さんは体格も着こなしも理想的なのでうまくできるか自信はなかったが何とか形にはなったのではないかと思う。

 「昭和残侠伝」シリーズでは準レギュラーの池部良が殴り込みに同行する毎回のシーン。テーマ曲が流れ否が応でも盛り上がるところ。前作の唐獅子牡丹バージョンほど見た目に派手さはないが、それだけに誤魔化しのきかない造形となった。わずかなドレープと着崩した感じ。かなり面倒だったが着物の縞小紋も入れてみた。そして帯のラインで全体を引き締めた。思えばこの角帯は博多織なんだろうなぁ。

 今回の造形で新たに挑戦したことといえば着物の襟の部分。通常だと体はそのまま一体型抜きするところだが、襟の部分だけ別パーツにして襟の中が覗けるような立体的な構造にしてある。これは塗装しながら組み立てないといけないのでかなり変則的な構造になっている。覗いてみるとさらしを巻いているのがわかる。少し新しいことにも挑戦してみたかった。

 鞘付きのドスを左手に持たせたが、右手に刀袋を持たせたバージョンも作ってみた。
 今回は着物の色に悩んで取り敢えず青系(ミデイアムブルー)とグレー系の2種を試した。

 これだけでも十分と思ったがせっかく唐獅子牡丹の絵を描いたので、台座にさりげなく唐獅子牡丹の筋彫りを配してみた。 これらの連作はまさにコロナ自粛のステイホームの期間に製作したものだった。

  思えば無口でクールなそれでいてアクションに長けているヒーローのイメージは昭和に育った我々が憧れたものだった。それはマックイーンやイーストウッド、健さんに共通のもので映画のクライマックスでは観る者それぞれの鬱屈した日常を発散するものだったのかもしれない。人々がまだ素直でひねくれていなかった良き時代。自分は今でもそこに価値基準を置いている。

      

 


昭和残侠伝 1/12フィギュア その1(唐獅子牡丹)

2020-06-21 | 製作

 かねてから作ってみたいと思っていた健さんの唐獅子牡丹のフィギュア。

バブル崩壊後ミレニアムの一時期あたりから去りゆく昭和を懐かしむようにフィギュアの世界でも昭和ブームが相次いだが自身はそういった一連の作品に素晴らしいとは思いながらもノスタルジアとしての昭和そのものには製作の食指は動かなかった。

昭和33年生の自分は任侠映画時代の健さんをリアルタイムでは知らない。封切りで観た作品は「八甲田山」や「幸せの黄色いハンカチ」からである。高倉健の代名詞である寡黙さや義理人情のイメージを作ったのがこの「昭和残侠客伝」シリーズであろう。このシリーズはワンパターンでありながら中学高校時代に影響を受けたマカロニウエスタンやカンフー映画の根底に流れているものの源流がある。我慢に我慢を重ねて最後に爆発するカタルシスを体現できる。娯楽映画の醍醐味のひとつである。

 ということでこのフィギュアを作ってみようとかなり前から思っていたがそのころはまだ技術が伴わないことはわかっていたのでその時期を待っているうちに時代は令和になってしまっていた。このコロナの自粛の時期にやっと取り掛かった次第である。久々に気合が入っていたせいか1/12サイズにした。

製作にあたってだいたいのイメージはあったが、いざ作るとなると上半身をはだけた着物の造形に苦心した。それは着物が正絹だからか撮影上綺麗になるための演出なのかわからないが上半身をはだけながらも綺麗にまとまっている。多少の矛盾はあるかもしれないがこのようにまとめてみた。また着物の小紋の縞柄も邪魔にならない程度にデカールで表現してみた。唐獅子や牡丹の入れ墨もデカールで表現。これらの図柄は手書きで下絵を描いて原稿を作った。このデカール印刷直後、酷使のせいかプリンタが故障して多色刷り印刷が出来なくなってしまった。ドスはあまりに薄くしかもレジン製なので倒れたらすぐ破損してしまうので刀身に細い鋼線(スチール弦)を仕込んで。なおかつ台座を設けて倒れないようにした。(表題の写真のみ日本刀バージョン)

  このように苦心しながら完成にこじつけた。これはひとえに友人のI氏の応援あっての事。これほど短期間でスムーズに完成したのは彼のおかげである。これと並行して第二弾も製作したがそれは次回にて。

    

 


ハンターのトランザムと1/18フィギュア(1/18 1979 Pontiac Trans Am and Custom figure)

2020-03-24 | 製作

 スティーブ・マックイーンの遺作「ハンター」”THE HUNTER”(1980)でネブラスカのブランチ兄弟を捕えるために借りたレンタカーのトランザム。劇場で観て、当時人気のクルマだったトランザムの新型車をいとも簡単に爆破してしまったことにびっくりしたものだった。トランザムは「トランザム7000」のようなボンネットにフェニックスの絵が描かれた「ファイアーバード」と呼ばれるものが有名でこの映画のようなボンネットが無地なものはミニカーとしては珍しい。しかもミニカーとしては屋根はTバールーフのものしかないので、この際映画のように改造してみた。

ベースにしたのはLUCKEY DIE CAST製の1/18 1979 PONTIAC FIREBIRD TRANS AM。先ずボンネットの絵を消して屋根をパテで埋めノーマル・ルーフにした。ドアモールとレインガーターを付加しナンバープレートも製作。個人的にはこういうド派手じゃないシックなトランザムも大好きである。

フィギュアは最初にレンタカーの鍵を受け取る時のバッグを下げたポーズ。あえてジャンパーの前を開けて裏地が見えるようにした。 

 この映画でマックイーンが運転する車は1951 シボレー ベルエアとこのトランザム、そしてレッカー車である。特殊なところではトウモロコシ収穫のトラクター、メッシー・ファーガソン760がある。アメリカの友人からこのトラクターに乗るフィギュアを依頼されて製作したが機会があればその写真もいずれ公開しようと思う。

 最後に以前リペイントしたベルエアとフィギュアのツーショットを追加しておく。これもお似合い。

    


栄光のル・マンの冒頭 ポルシェ911sと1/18フィギュア(1/18 1970 Porsche 911s and Custom figure)

2020-03-22 | 製作

 全世界がコロナ・ウィルスに翻弄される中 みなさんどう過ごしておられるでしょうか。あいまいな情報ばかりなので不安ばかりが増大して右往左往するしかないのが現状ですが、こんな時こそ乱れずに意識して冷静さを保つことが大切ではないでしょうか。幸いにも私の地域では感染者は比較的少ない方なのですが、早く収束を願うのみです。

今回は最近発売されたノレブ製のポルシェ911s(1970 Porsche 911s)です。

「栄光のル・マン」“Le Mans”(1971)の冒頭で登場するデラニーの運転するポルシェ911s。映画のように開けたドアに腕をかけたフィギュアにしたかったが、ドアもボンネットも開かないギミックなしのモデルなのでこのようなポーズになった。映画のはサンルーフだがこれはノーマル・ルーフ。スウェードジャケットの感じをだすためにドライブラシの技法を使った。

時に今年はマックイーン生誕90年とかでスターチャンネルでは特別プログラムが組まれている。そういう記念イヤーなのでデラニーを手始めに今年も製作を頑張ります。

   


旧友再会 …1/24「独房王」THE COOLER KING

2020-01-31 | 製作

 去年の暮れに高校時代の友人と30年ぶりの再会を果たし旧交を温めた。親友というものはいいもので瞬時に昔に戻れる。特に彼の場合は自分と感覚が似ているのかすべてを語らずとも気持ちをわかってくれるのでなおさら居心地がいい。当ブログを初めて見てくれてその中で数点気に入ったものを選んでくれたが、多くを語らずともこちらの意図したところを的確に言い当ててくれた。

 当ブログは製作したものすべてを載せているわけではない。その時の気分次第なので、アップしていない作品も多くある。今回紹介するのは2年前に製作したネロオリジナルの「独房王」(THE COOLER KING) これは私の尊敬する岩坂さんの造形である。言わずと知れたあの映画がモチーフになっている。その造形の素晴らしさからジオラマというよりヴィネットで仕上げようと思った。地面の台座と足元の鉄線を加えることでそのフィギュアの視線から高い鉄条網を容易に想像することができる。鉄条網はこのヴィネットを見る人それぞれが自由に想像するのである。

素晴らしいフィギュアなればこそ、造形を活かしその空間を活かすことも製作の醍醐味だともいえる。

かの友人はこの写真を見せただけですぐにその意図を理解してくれた。

親友っていいもんだね。

遅ればせながら今年もよろしくお願いします。