アメノチハレ

Ganbarou

久方ぶりに髪を切りに行った。

本当はあまり自分に装飾を施さずに生きて行きたいのだが
ごま塩白髪が程よく形になるにはまだ少し人生経験が足りないようで、
当分は白髪を隠す方向性である。

朝一番乗りの美容室が好きで、いつも午前10時から予約する。
終わって自分の息子程の歳の若い証券マンと会った。
知り合いの息子さんだが、愛嬌があってイジラレキャラなところが
彼が身を置く世界には有利に働いていると思う。
相手にとってツッコミ易い性格のほうが可愛がられる。

勤める支店では彼が今のところ売り上げトップらしい。
勉強はそんな出来ないのですがと謙遜するが、
頭を働かせずして成り立つ商売ではない。
クライアントとの信頼関係がまさに
売り上げを上げる一番大きな武器だと思う。

年に一度くらいは昼飯を一緒する。

目指すは、まずは東京の本店勤務。
彼の営業成績向上にさして力添えや後押しも出来ないが
是非とも勝ち上がっていただきたい。
先で儲かる情報をこっそり耳打ちしてもらうために
今のうちに酒や肉をたくさん与えておこう。




久しぶりに衝動買いをした。

靴磨き道具一式。
お値段は少々高めだったが
細部まで丁寧に作られた木箱に
いとも簡単に昭和の男のロマンをくすぐられてしまった。
早く靴を磨きたくなるような気持ちにさせる風格すらあって
下駄箱にしまうのは勿体ない程だ。

革靴を履く機会はそれほど多いわけではないが
それでもくたびれかけた皮の汚れを落とし
徐々に輝きを取り戻してゆくあの感じが
靴の顔としては下ろしたての時よりずっといい。
靴にできた所々の皺はまるで人の笑い皺のように
それなりの経てきた時間の証のようだ。

そういえば今日会った息子のような証券マン君の履く靴も
程よく輝いて、やさぐれた表情ではなかった。
程よく手入れされた靴はその人を感じる上での安心材料になる。

日本の夜の11時にニューヨークの証券取引がスタートするので
帰宅後もある意味仕事の延長時間が続くんですと
春野菜のあんかけ焼きそばを美味そうに食う。
どんな仕事も外には見えない大変さがあるんだね。

そう思うと、自分がやらせていただいている音楽という仕事が、
そのキツさも含めて自分にとっては一番楽な仕事かもしれないと
改めて思う。

それゆえに、その好きな仕事に甘んじては罰があたる。
よくよく肝に命じよう。


先日、ある歌手の方のキー合わせに立ち会った。
出来た楽曲をレコーディングするために、
その人の声で一番響くレンジを確認する作業だ。

懐かしくお話しさせてもらった中で
その方に最初に曲を書いたのが何と20年前だった。
そしてその時も同じようにピアノでキー合わせをした事など
よく覚えていてくださっていた事がとても嬉しい。

ピアノの側で歌われた20年振りの2曲目
とてもいい作品になる予感。

そうやって丁寧に制作を進めてゆく人に触れると
とても 救われた気持ちになる。

Ganbarou
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