あおむしの恋はちょっぴり☆オブザデッド

はやく人間になりたいオブザデッド

ガメラ対宇宙怪獣バイラス

2023-06-10 11:40:35 | U-NEXT
1968大映。僕たち今、ガメラと競争してるんだ。

怒涛の第四作目。「妖怪百物語」と同時上映だったようですね。…これ正直百物語のほうが人気だったんじゃねえかな…。
開始5分でいきなり地球を救うガメラは最初からクライマックスなアベンジャーズ的演出で度肝を抜かれましたが。

前作から続く子供向け路線をさらに強化。「大人も楽しめる子供映画」から「東映まんが祭り」方面に深化しました。
マサオ君とジム君の小学生二人が主人公。
ガメラの子供好きがさらに加速して一緒に遊んであげたり敵に人質に取られた子供たちのために降伏したりして楽しい。完全に意思疎通。
子供たちと一緒にバリアに閉じ込められたガメラがバリアの裾をちょびっとめくって逃がしてあげるのとかかわいい。
かわいいといえば敵のバイラス星人の宇宙船がミツバチのお尻を5つ並べたみたいでかわいい。
船内もハニカム構造を基調としていてかわいい。
そこで出されるサンドイッチも六角形でこだわっててかわいい。

それくらいかなー。

あとはマイナス面が目立ったかな。
ガメラの脳内映像という名目での過去のバルゴン戦、ギャオス戦の使いまわしとか。バルゴン戦に至ってはほぼ全編使ってた感。
さらにギャオス戦には目撃者として前作主演の現場監督が出てんだよ。ガメラ脳内なのに人間目線ってどうなのという以前に、現場監督役の本郷さんは本作でも別人役で出てるのに。
やっつけが過ぎるというか、手塚スターシステム的(ゴジラの高島忠夫みたいな)な物へのアイロニーとも言えなくはなくもないけども。まあただのやっつけだろうなー。

その後もガメラの街破壊シーンまでも過去作の切り抜きを今作で起こった事態として使いまわす。前々作の黒部ダム破壊の再放送で「ん?」とはなるんだけどカラー映像の合間に一作目の白黒映像もまんま使うとはなあ。
予想したまさかね…が現実になる絶望感。よりによって白黒を使いまわすかね。
ゴジラのガバラ戦よりひどい。
東京タワーは2年ちょっとで再建したのにまたバイラス星人に名指しされたうえ壊されました。
当時は映画公開終了後、作品のビデオ販売もテレビ放映もないというのが前提であり、子供映画なんて今作が初見のガキばっかりだし、例え前作を観てたってどうせ覚えてねえだろし、どうせ子供は怪獣が暴れてりゃあ満足するから。
っていうのが透けて見えちゃうのはなあ。
結局予算と製作期間の問題なんだろうけど、前作が熱量をもって制作した「子供向け映画」だとすると、今作はこれでくらいで大丈夫だろという「子供だまし映画」になってしまっているなあという印象ですね。

序盤で主役の子供たちが披露した特技を終盤で伏線として使用したり、この二人が自らを犠牲にしてもいいから地球を救ってほしいと懇願するシーンなんかもあって、プロットとしては基本に忠実でありつつ熱い展開もあり決して映画として破綻させないようにしているだけに、もったいないなーとつくづく思う。

ホラー目線では人間状態のバイラス星人の眼だけ光るやつとか飛ばした腕の断面とか最高でした。5人並べて首をはねるシーンもショッキングで最高。
あとガメラが今までで一番グロくてエグいダメージを受けますが、あまんり意に介してないようで安心しました。



コメント
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