辞書引く日々

辞書が好きなのだ。辞書を引くのだ。

真面目という言葉

2010年12月28日 | 言葉
もし、キュウリとメロンを区別しないで、ともにキューロンと表現されていたとしたらどうだろう。「おれ、長くてトゲトゲのキューロンは嫌いなんだよ」とか「甘くて丸いキューロンは好きなんだけどな」なんて言わなくちゃならない。これは不便である。しかし、キュウリとメロンという概念を、言う人聞く人の双方が持っていれば、まあ何とかなる。

ところが、キュウリとメロンの概念が区別されないで曖昧なままだったらどうなるか。キュウリを買おうとすると、メロンが混ざっていたりして、大変都合が悪い。こういう例だと馬鹿馬鹿しく思えるが、こうしたことは、抽象的な概念では、しばしば起こる。

「真面目」という言葉には、ちょっとこうした傾向があるように思う。

serious, earnest, diligent, industorious
なんてのが、真面目と訳されているのを見かける。さらに、
condescending, obedient, tame
なんてのは、マジメと訳してもよい状況があるかもしれない。
誠実なという言葉はあるが、口語ではあまり使われないので、やぱり日常的には「真面目」で済ましてしまう傾向もある。

真面目という言葉の解釈は、あまりに状況に依存しているように思える。「真面目」ほど真面目に使われない言葉はない、と言ったら言い過ぎであろうか。

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