「ぼくら党」のブログ

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自衛隊国連軍編入論について-(1)

2006-09-23 17:58:13 | 在日米軍・安保問題
■地球人さんから安全保障についてのコメントをいただいた。この方の意見は、自衛隊を国連軍に編入することによって、アメリカの意思ではなく、国連の意志によって動くようにして、アメリカの意志によって都合よく、自衛隊がコントロールされるのを防止しようとするというものだ。

■私は、自衛隊の国連軍編入は、一つの選択肢として成立しているものであり、間違っていると批判する気はさらさらない。一方的にアメリカの要求を飲まない状態にするという前提を考えれば、十分に考えられるものであると思う。

■私は支持しないが、有力な選択肢という意味では、アメリカ追従論も有力であることは理解できる。世界最強の軍隊を保有するアメリカと手を結べば一応安全であることは間違いなく、主権を放棄するような極端な追従であっても、また世界的に非難されるような行動(イラク戦争)を無条件で支持したとしても、単なる自己の生存が目的であれば、何ら問題とならない。(相手の吐いた唾を飲んだとしても、生き延びられればそれでよい)。土下座的な対応であっても相手との争いが避けられれば、それも有り得る選択である。

■しかし、アメリカの要求は日本の立場を考慮されてなされるものではなく、一義的にアメリカの国益に資する要求をしてくるのであり、それによって日本の国益が損なわれても殆んど考慮されることはない。(値引き交渉をする時に相手の生活まで配慮して交渉するだろうか)

日本が開発しようとしているアザデガン油田がその一例で、アメリカから見れば、敵対するイランを封鎖する手段として日本に開発中止を要請するけれども、その要求には日本の立場に配慮している形跡は無い。

アザデガン油田の開発は資源の少ない日本にとって、大きな意味をもつものであり、まさに国益そのものである。この問題をアメリカ追従論的に日本が対処した場合には、大きく国益を損なうことになる。この問題のように、日本と米国が同じ問題において利益が相反する場合には、アメリカに追従しさえすれば、国益が守られるとも限らない。

■アザデガン油田の開発以外に、年次改革要望書等についても、アメリカの要求を受け入れるのであれば、それに見合うだけの「損失補填」をアメリカにしてもらわなければならない。しかし、それを要求するにはアメリカの要求を全面的に受け付けるような日米関係であっては「損失補填」を望む事は出来ない。

国益を守るつもりでアメリカ追従路線を追求したところが、かえって日本の国益を損ねることとなりかねない(すでに損ねている)。だから、私はアメリカ追従論に賛成する気にはなれない。

やはり、単なる自己の生存のみを目的とするのではなく、一方的に「アメリカの要求を飲まないですむ」状態を目指す必要があるだろう。それを前提に考えれば自衛隊の国連軍化しつつ、又は編入する条件として各国にも国連軍編入を呼びかける事も一つの手だろう。(続く)


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―以下参考記事―
http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/kaigai/news/20060914k0000m020113000c.html
イラン油田:石油相 「日本と交渉続ける」意向示す  
【ウィーン藤好陽太郎】イランのバジリハマネ石油相は13日、毎日新聞に対し、イラン南西部のアザデガン油田開発について「権益がある日本と交渉を続けたい。交渉の成功を望んでいる」と語り、これまで同国が日本との交渉期限としてきた15日以降も、交渉を継続する意向を示した。  

アザデガン油田は日本の国際石油開発(INPEX)が権益を持っているが、現地の地雷除去などをめぐって開発は着手されないまま事実上、棚上げされた状態。イランの核問題を警戒する米国は、日本に対して非公式に開発中止を要請している。これに関して、石油相は「日本に計画を実行する意思がないなら、(契約を)やめる」とけん制した。 毎日新聞 2006年9月13日 21時44分


2 コメント

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掲載御礼 (地球人)
2006-09-24 14:21:31
「安部氏の政権公約 (2)―集団的自衛権と自衛隊派遣の恒久法制化」にコメントさせて頂きました当テーマを早速取り上げていただき、ありがとうございます。

「アメリカの要求を鵜呑みにしない」、「近隣諸国の日本軍の侵略の意図という非難の回避」を実現する一つの有力な案だと考えています。ご指摘の「各国にも国連軍編入を呼びかける」を世界に先駆けて先導して実現すれば、国際平和を希求する日本の意思を広く世界に知らしめ、国際的地位を大きく向上させることができます。金は出しても口は出さない世界的外交ポリシーのない日本の外交姿勢の変革の第一歩になり、外交もやり易くなり、国連の常任理事国入りも確定します。参加国が増えれば不要なほどの巨大な軍事力になりますので、最終的には各国が拠出する軍備は縮小が可能になり、発展的な予算の利用が可能となります。紛争が抑止できれば、超長期的には国境は意味をなさなくなり、地球国家となるかもしれません。

 -(2)を楽しみにしています。今後ともよろしくお願いします。
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地球人さん、コメントありがとうございます。 (管理人)
2006-09-25 21:50:18
こちらこそよろしくお願いします。何か感想があればコメントいただければ幸いです。
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