「ぼくら党」のブログ

我が旗を掲げながら進む-少数精鋭「ぼくら党」の公式ブログ 社会について考えてます。コメントいただければ幸いです。

岩国市住民投票について考えた

2006-03-14 01:33:27 | 在日米軍・安保問題
■岩国市で米空母艦載機の受け入れについての是非を問う住民投票が行われ、投票した住民の9割が反対票を投じたようだ。それに伴って政府・与党から不満が出ているらしい。

■なぜ岩国に米空母艦載機を配置するのかといえば、米空母艦載機の離発着訓練に使用するためだそうだ。空母における離発着は相当の技量を要するので、常に離発着訓練を繰り返さなければ技量が落ちるためだ。その中でも夜間着艦訓練(NLP)がある。従来は夜間着艦訓練(NLP)を硫黄島で行っていたのだが、不便なために米軍再編に伴って米軍が岩国を使いたいと申し出たのが事の発端のようだ。

練習のために夜間飛行が行われれば、当然騒音もひどいものになるだろうし、事故を起こす危険性も高い。このような条件下で生活しなければならない住民のことを思えば、投票した人の9割が反対票を投じたということは理解ができる。また、現在においても、岩国は在日米軍を受け入れているので、これ以上きてほしくないと言うのは、当然といえるだろう。

■片山氏の言うように、「安全保障や防衛をどうするかを住民投票にかけるのは適当でない」ということも理解できないわけではないが、住民の意思を投票という形によって表明することは当然するべき事と思う。数字によって表された民意を、国は責任を持って踏みこえていけばいいと思う。本当に国家に必要であるというならば、全ての人間が反対しようとも、成し遂げるべきだろう。民の理論ではなく、知者の理論であるというならば、そうするべきだ。

■当然、多数決が正しいとは言い切れない。民衆の意思というものは、その場の雰囲気によって、まともな判断ができないこともあるだろう。郵政選挙の時がそうであったように、郵政民営化の内容についてあまり理解していない多数の人々が小泉氏の「国民に聞いてみたい」や「国民投票」という言葉に感化されて投票した。これは民の理論であろう。(私は知者の理論は抵抗勢力と言われた側にあったと思う)。このことは民衆の多数が賛成することが正しいとは限らないということの好例であると思っている。

■政治家(知者の理論を持っているだろうから)が正しいと思えば、いかなる非難・中傷・支持者の離反があろうとも成し遂げるべきだろう。そのような痛みを伴う事と引き換えに重大事を成し遂げる者が本当の政治家といえると思う。しかし、一番駄目なのが、権力が自分には痛みが伴わない形で、民意を踏みこえていくやり方である。このような「知者の理論」であるなら「民の理論」の方が優越すると私は思う。

■片山氏は「安保や防衛など国が責任を持つことを、住民投票にかけることは適当でない。一種の地域エゴイズムだ」と批判しているが、他人に痛みを押し付けるのだから、押し付ける側にも痛みが伴わなければ住民は納得しないだろう。そのような感情を納得させる方法としては、片山氏の選挙区である岡山県(ちょうど隣にある)に米軍基地を誘致すればいいと思う。

片山氏は「岩国の民衆はエゴイズムなどで、空母艦載機は、国全体のことを考えている岡山県が引き受けます」といえばいい(当然、片山氏の一族郎党全てその空港の隣に引っ越す)。

このようにすれば、落選する可能性が増大するという痛みもあり、又住民と同じ苦しみを共有することになって「地域エゴイズム」よりも「安保政策・国防」の方が大事であるという事を身をもって示すことになる。この程度(国防や外交に比べたら些細な事である)の事をすれば、国民は空母艦載機移転について納得するのではないか。





--------------------------------------------------------------------------
            ★この記事に同意できる方は、クリックお願いします。★ 
              ブログランキング・にほんブログ村へ  

- 以下引用記事 -
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20060314k0000m010074000c.html
岩国住民投票:自民党内、投票実施自体への批判噴出
米空母艦載機の受け入れの是非を問う山口県岩国市の住民投票で約9割が反対を占めたことに自民党内では13日、「安全保障や防衛をどうするかを住民投票にかけるのは適当でない」(片山虎之助参院幹事長)など、投票を実施したこと自体への批判が噴出した。

平成の大合併を通して「住民自決」の機運が高まり住民投票の件数は近年、急速に増加している。 一方でいわゆる迷惑施設の是非や外交・安保政策がなじむかなど、テーマ設定をめぐる議論が政界にはくすぶっており、今回の投票で再燃した格好だ。

同党の武部勤幹事長は同日の政府与党連絡会議で「誠に遺憾な結果で、安全保障の問題に地域の論理を優先しようとする風潮が広がることを懸念している」と不満を表明。片山氏も記者団に、「首長や議会が責任を持って対応するのが正しい」と述べ、投票を実施した井原勝介市長の姿勢を批判した。

自治体の特定の課題に対する賛否を問う住民投票は、現行法では地方議会の解散や首長の解職、合併協議会の設置などの場合に限定される。このため、特定の政策を問う場合は個別に条例を制定して実施され、法的な拘束力はない。

条例に伴う投票は96年8月に新潟県巻町で原子力発電所建設の賛否をテーマに初めて実施された。01年までは原発や産業廃棄物処理施設建設などいわゆる迷惑施設の是非を問うものが多く、政府・与党には批判的な見方が多かった。ところが平成の大合併で合併の是非を問う投票が多発すると、合併に慎重な議会や首長の突き上げ役として、政府も住民投票を利用した。

合併協議会の是非を問う投票を法制化したのはその象徴で、総務省によると01年7月から05年3月までに、合併をめぐる住民投票は全国で計416件も行われている。今回の投票は米空母艦載機の受け入れがテーマだけに、もともと自民党内に根強い「住民投票懐疑論」が再燃した形だ。

ただ、住民生活に関するテーマについて直接民意を反映させようとする流れが強まっているのも事実で、民主党の前原誠司代表は今回の事態について「岩国市を住民投票まで追い込んだのが最大の政府のミスだ」と指摘している。【西田進一郎】 毎日新聞 2006年3月13日 20時02分

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20060313k0000m010094000c.html
片山参院幹事長:岩国住民投票「一種の地域エゴイズム」
自民党の片山虎之助参院幹事長は12日、山口県岩国市の住民投票について「安保や防衛など国が責任を持つことを、住民投票にかけることは適当でない。一種の地域エゴイズムだ」と述べ、住民投票を発議した井原勝介市長を批判した。さいたま市内で記者団に語った。


7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
TBありがとうございます (寒北斗)
2006-03-14 10:43:38
そうですね。片山氏の地元、それに安部晋三の地元にも基地を、さしずめ沖縄あたりから誘致してきての発言なれば共に痛みを負うのだからと我慢もしてくれることでしょうね。残念ながら小泉氏以下国民にだけ痛みをおしつけ自分たちはぬくぬくと生きている。



政治家=知者の理論を持っているだろう、とのことですが、「人生いろいろ」発言の小泉氏や先日の小坂文科省大臣の発言など、飲み屋でくだまく酔っぱらいのおっさんレベルでしかないと思うので、私はこれに関して概して否定的です。この程度の考えで大臣が務まるなら大臣はちょろい商売(笑)だと。

返信する
そのとおり (管理人)
2006-03-14 19:57:29
議会制の矛盾ですね。選ばれし者に政治をさせるための制度でありながら、「その選ばれし者を選ぶのが愚者であるはずの多数の民であるなら、どうして知者の理論を持った者がうまれるのか?」というところでしょうか。そのことを踏まえて考えると、このたびの住民投票はすばらしいと思います。住民が政治に参加してこそ知者の理論が機能することになると思いますから。



それと、寒北斗さんのブログに書かれているように、「在日米軍は日本の防衛に関わっていない」という認識が多数の国民に殆ど無いのが残念です。この事実を知らないものが「日本の防衛に必要」だから「アメリカに逆らうな」といった間違った主張を生んでいると思います。
返信する
住民投票は地域エゴか (快刀乱麻)
2006-03-14 22:11:55
トラバありがとうございます。
返信する
TBありがとうございます (らむねにいちゃん)
2006-03-15 00:33:02
 在日米軍早期撤退、声を大にして訴えたい。

税金で養うなんて馬鹿らしい、贅沢な優遇措置らしいけど。

これって、在日米軍の飼育と思えばいいのかなぁ・・・

なかなか民意が反映されないのは何故か、国民、官僚、

国会議員、各大臣とそれぞれ住んでいる世界が違うからか。

官僚は自分たちだけの地位と利益と天下り先確保か・・・

PSE法、様々な資格を作りその運営協会の設立、財団法人

の認可で名刺交換とか繋がりを作っているようだし。

国会議員は、勉強会、交流会、スポーツ大会と忙しいようだ

肝心な現実問題なんて考える暇なし、派閥争いの日々だね。

国会議員に当選したら人生180度転換らしい・・・

名前だけの大臣の皆さんは、理解できない書類にタダ印鑑

押して、難しいことは秘書にお任せで大企業の役員と懇親会なのか・・・

小泉純一郎氏、記者団に対して漠然とした回答ばかり、で

頭の中は九月以降、何して遊ぼうかなぁって考えてそう。
返信する
コメントありがとうございます。 (管理人)
2006-03-15 05:33:21
快刀乱麻さん、らむねにいちゃん。コメントありがとうございます。



返信する
Unknown (星影里沙)
2006-03-18 01:02:48
TBありがとうございます。

文章がいいなと思ったので

コメント残して行きます。

知者の理論と民の理論ですか・・・

今の政治家みてると

知者の理論持っているとは

とてもとても思えなくて^^;;

そこまでの覚悟を持って

発言できる人なんて

ほぼ皆無なのではと思います。

一国の首相は

ただの駄々っ子ですしね・・・

野党は野党で

喧嘩の後始末に幼稚な手口を重ねてますし。

今の時代、

知者たる人、その鏡となる人物は

さて、いるのでしょうか。

そういう人がいないのであれば

民の理論を踏み越えても

理想を探し出すことなど

到底不可能でしょう。

少なくともわが身かわいさに

駄々こねる人ばかり目に付く現状では・・・ね。
返信する
Unknown (管理人)
2006-03-18 21:00:55
星影里沙さん、コメントありがとうございます。
返信する