「ぼくら党」のブログ

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自民党の政権担当能力-(2)外交問題

2006-09-21 01:23:17 | 自民党・公明党
■自民党の政権担当能力は内政問題だけではなく、外交問題においても低下している。対米関係に関しては米軍再編、そのほかにもアメリカ産牛肉の輸入再開や年次改革要望書の存在など、アメリカの属国といわれても致し方のないような姿勢に終始している。

■それに引き換え、対中韓外交は靖国神社参拝問題をきっかけとして、あえて敵対する方向で外交を展開している。この外交状況は、国家の意思で行われたというよりは、小泉氏の個人的感情を実質的国益よりも優先されているために引き起こされたものだ。

■政権担当能力の有無をはかる一つの要素に、安全保障に対する考え方や、その本質である日米安保条約についてどのように考えているかがある。自民党は、この安全保障のあり方についての統一的見解が民主党に無い事をあげつらって(あくまで自民党の言い分)、政権担当能力がないことの証明として挙げていた。

■なぜ彼らが日米安保条約を重要視するのかを考えれば、「日本を守る」ためには、米軍の存在が不可欠で有ると考えるからであって、日本国土を守るという目的を達成するためには、日米安保条約が不可欠であるという結論を導き出している。

■彼らの考える安全保障の本質は、「日本国土を守る」というものなのだから、中国や韓国に対して無意味に敵対的な態度で接する事は、この安全保障の目的から大きくはずれるものであり、日米安保条約を軽視する事となんら変わりのないものではないだろうか。

■小泉氏の場合は、明確な意志や思想があっての対中・韓外交の停滞ではなかったので、ある意味、例外的な事例として考えることもできるが、その後継者たる安倍氏は、明確な意志や思想があり、中国、韓国との敵対を前提として外交を考えているようである。

■その姿勢は、村山談話の否定や日中国交正常化における、暗黙の了解を否定するような発言からも垣間見える。先の大戦について ― 「個々の歴史の事実などの分析は本来は歴史家に任せるべきだ」― としているが、歴史的事実がどうあれ、日本政府がどのような立場で、先の大戦の解釈しているのかが問われているであって、学問的事実がどうあるべきかは、本来は重要ではない。

■この発言は、中立的に歴史を考えることを強調しているのではなく、現在、学問の世界や一般で考えられている歴史認識について納得していないから、このような発言が出るのであって、納得していれば、このような発言は絶対にしないだろう。

■安倍氏は― 国交正常化は交わした文書がすべてだ。日本国民を二つの層に分けることは中国側の理解かもしれないが、日本側は皆が理解していることではない― としているが、実際には日本側もその事については承知しており、日本としては、尊重する立場をとっていたようだ。

■安部氏は決着のついている問題を明らかに蒸し返そうとしている。(そう見られてしまう。)もし、政府を掌る者が、それまで国家が積みあげてきた立場よりも、自らの観念を優先させるようであるなら、やはり「政権担当能力なし」。と言わざるを得ない。

■彼は過去の問題を乗り越えて、未来志向で考えるように相手側に求めながら、自らは過去の問題に執着している。未来志向とは過去がどうあれ、現在から未来を見据える事であって、それは日本においても同様ではないだろうか。

■大量の働いても生きていけない底辺を前提とした「格差社会」を肯定し、過去から積みあげて来た外交の前提を、自らの観念や思想を優先するがあまりに否定する現在の自民党には、彼らが主張してきた意味での政権担当能力は皆無である。

■制度変革による混乱により、犠牲者が大量に発生し、あえて他国と対立的に事を構えるのであれば、どの政党が政権政党なろうとも、同じではないだろうか。

小沢氏がよくいう言葉に、「駄目だったときは変えれば良い」。があるが、今の現状を見ればまさにその通りだと思う。自民党は政権政党としての当事者責任を放棄しているのだから、彼らは政権政党にしておく言われもない。

どうせ、大きな犠牲が払われるのなら、民主党に政権を担わせてところで何ら問題はないだろう。(終わり)。



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-以下引用記事-
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060911-00000101-mai-pol
<自民総裁選>安倍氏の歴史認識、論戦の焦点にも
先の大戦の歴史認識をめぐり、安倍晋三官房長官の主張が明確さを欠いている。植民地支配と侵略に「痛切な反省」と「おわびの気持ち」を表明した95年の村山(富市)首相談話には必ずしも肯定的ではないが、アジア諸国の反発を考え、発言は慎重になっている。戦争に対する評価を避けることで当面はしのぐ方針とみられるが、首相の歴史認識は外交姿勢に大きな影響を与えるだけに、総裁選の論戦で大きな焦点になりそうだ。 安倍氏は11日、日本記者クラブ主催の党総裁候補討論会で、谷垣禎一財務相から「村山談話は侵略戦争と認めているが、どう考えるか」と問われ、「歴史的に内外に発表した文章で、その精神はこれからも続いていく」と述べた。 3候補のうち谷垣氏と麻生太郎外相は中国との戦争について、それぞれ「侵略戦争だった」「侵略と言われてもやむを得ない」と明言。安倍氏は「侵略」との表現を避けており、渋々といった雰囲気が漂った。 一方で、安倍氏は「個々の歴史の事実などの分析は本来は歴史家に任せるべきだ」と強調。戦争自体の評価は歴史家に委ねるべきだとの持論も重ねて強調した。 昨年10月の官房長官就任前まで「日本は歴史問題について公式に20回以上謝罪を表明している。(過去の歴史に向き合っていないとの)中国の批判は当たらない」などと訴えてきた。7日の記者会見では「多くの国々の国民に対し、大きな被害を与えた、傷跡を残した。そうした事に対して、率直な反省の中で、平和で民主的な国を造ってきた」と述べたが、先の大戦は「過去の問題」というのが本音に近い。 また、谷垣氏が72年の日中国交正常化の際、中国側が日本の戦争指導者と一般国民の責任を分けて考えることで賠償請求を放棄したとの歴史的経緯を指摘したことについては「文書は残っていない。国交正常化は交わした文書がすべてだ。日本国民を二つの層に分けることは中国側の理解かもしれないが、日本側は皆が理解していることではない」とも訴えた。 ただ、中国が小泉純一郎首相の靖国神社参拝を問題視したのは、戦争を指導したA級戦犯が合祀(ごうし)されているから。両者を区別しない安倍氏の発言は、中国の反発を招く恐れをはらんでいる。【鬼木浩文】 (毎日新聞) - 9月11日20時54分更新