「ぼくら党」のブログ

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米軍司令官の発言について-まったく逆では?

2006-05-25 15:21:37 | 在日米軍・安保問題
■記事によると、米軍再編における、日本の負担について、在日米軍ブルース・ライと司令官が、「一つの数字に縛られる前に、両国の負担の全体像をみるべきだ」と記者会見で発言したらしい。この記事全てを読んで、この発言の要旨を考えると、「全体を見れば、日本の負担は当然なもの」というものだろうか。そうだとするなら、この発言は、現役の司令官とは思えないほど事実関係を誤認している。

■日本を守るための人件費、訓練費というが、日本は世界の常識を逸脱するほどの「思いやり予算」(6000億円・地代含める)によって、彼らの駐留経費をまかなっている。在日米軍は、日本の防衛(防空・シーレーンの防衛・上陸部隊の阻止撃退)には全く関わっていない。(米軍は、防空戦闘機や戦車を日本に配備していない。)逆に米軍基地を自衛隊が守っているのが現状である。

■アメリカの世界戦略の要所として、日本の基地を利用しており、日本はそれを過大に支えているのだから、日米同盟における両政府の合計の負担に目を向けたならば、アメリカは日本に基地使用費を払うべき立場だろう。はっきりと言えば、「戦略的再編を目指す米側の事情によることを認めた上で」とあるように、アメリカの都合なのだから、この度の米軍再編ついて日本はまったく負担などする必要はないのである。このだびの日本の負担は、卑屈なまでの「思いやり負担」なのであり、感謝こそされ、「足りない」「当然なもの」と非難されるいわれはない。

■ブルース・ライト司令官の言うよりも、もっと大きな視点で考えたなら、イラク戦争の月1兆円かかる戦費を、日本が米国債を買うことによって、事実上支えていることはどう考えるのか。アメリカの軍需産業を潤す事になる、ミサイル防衛にかかる1兆円(これはもっと増える可能性がある)はどうか。これらについても深く考慮して、記事のような発言をしているなら、「ゆすり、たかりの類」と言わざるおえない。

■「米国は国内総生産(GDP)の3%以上を防衛費に使っており、その多くの部分を日本の防衛に使っている。日本はGDPの1%しか防衛費に使っていない」という発言は、日本を防衛するために、アメリカはGDPの3%を軍事費に当てていると言いたいのだろうか。これは暴論に近い発言だ。もし、日本が日米同盟を廃棄したら、アメリカは軍縮するだろうか。(それの方が平和になっていいかもしれない。)

GDPの3%も軍事費に使うのは、アメリカが国益(一部の軍事産業の思惑も多大にある)を追及する上で必要だから使うわけであって、日本の防衛など関係ないだろう。それほど、日本が負担になっているのなら、日本から米軍は全面撤退したらどうだろうか。そうすれば、GDPの3%も負担しなくて済む事になるだろうし、日本も米軍基地という懸念を解消できる。まさに一石二鳥である。

■これらの発言は然るべき軍人が発言する内容としては、あまりにもお粗末としか言いようが無い。一般の日本国民が持つ「守られているから仕方ない」を助長することが狙いなのだろうか。「これぐらいの大嘘であっても、日本人には分かるまい」と思っていると考えれば、頷くことも出来るが。しかし、どうも不可解である。





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-以下引用記事-
http://www.asahi.com/politics/update/0524/011.html
「負担の全体像に目を」在日米軍再編巡り在日米軍司令官
2006年05月24日20時03分 
在日米軍のブルース・ライト司令官は24日、都内で記者会見し、3兆円規模ともいわれる在日米軍再編全体の日本側負担について「一つの数字に縛られる前に、両国の負担の全体像をみるべきだ」と強調した。  

ライト司令官は今回の沖縄の海兵隊のグアム移転の理由について、沖縄の負担軽減に加え、戦略的再編を目指す米側の事情によることを認めた上で「グアムでの建設費負担などに注目するだけでなく、(日本を守るための)人件費、訓練費など、日米同盟における両政府の合計の負担に目を向けるべきだ」と主張。「米国は国内総生産(GDP)の3%以上を防衛費に使っており、その多くの部分を日本の防衛に使っている。日本はGDPの1%しか防衛費に使っていない」と述べた。


4 コメント

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どうも、こんにちは! (コウタ)
2006-05-26 10:20:24
>ブルース・ライト司令官の言うよりも、もっと大きな視点で考えたなら、イラク戦争の月1兆円かかる戦費を、日本が米国債を買うことによって、事実上支えていることはどう考えるのか。



現在のことは知りませんが、藤岡惇さんの論文によると日本はイラク戦争が起きた2003年の時に新規に発行されたアメリカの国債を44.3%も購入し、アメリカの戦費調達の支援をしました。

(既にご存知だったら、失礼しました。また紹介する理由はこのブログの読者のため、という意味もあります。)



米国の宇宙と核の覇権と軍産複合体

http://ritsumeikeizai.koj.jp/all/all_frame.html?stage=2&file=54503.pdf







>ライト司令官は今回の沖縄の海兵隊のグアム移転の理由について、沖縄の負担軽減に加え、戦略的再編を目指す米側の事情によることを認めた上で「グアムでの建設費負担などに注目するだけでなく、(日本を守るための)人件費、訓練費など、日米同盟における両政府の合計の負担に目を向けるべきだ」と主張。



「日本を守るために」という目的でグアムで自衛隊が米軍と訓練するというのは、ウソですね。

集団的自衛権を日本国外で行使するための訓練というのが真の目的でしょう。

陸上自衛隊と米軍が軍事行動を一緒にやる訓練とかを既にやっています。

もちろんミサイル防衛でも集団的自衛権は行使する前提の下に共同開発を進めています。

しかし国会ではこういう議論をきちんとした形跡はありませんし、誰がいつ、集団的自衛権を行使する前提に変えたのか、そしてその責任は誰が負うのか不明のままです。







>一般の日本国民が持つ「守られているから仕方ない」を助長することが狙いなのだろうか。「これぐらいの大嘘であっても、日本人には分かるまい」と思っていると考えれば、頷くことも出来るが。しかし、どうも不可解である。



オレはこの記者会見が日本の世論誘導目的で初めからウソを言うために設定されたと考えます。

そして不思議なことに大多数の国民は、そのウソを本当だと信じてしまうんですよね。

米軍の各国の戦力分析によると、自衛隊は既に自主防衛とシーレーン(海上交通路)を確保できる戦力を持っているという評価を受けています。

つまり在日米軍も日米安保も本当はすでに不要なんですよね。

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(^^)コメントありがとうございます。 (管理人)
2006-05-26 12:45:35
>日本はイラク戦争が起きた2003年の時に新規に発行されたアメリカの国債を44.3%も購入し、アメリカの戦費調達の支援をしました。



これはうかつでした、はっきりと覚えていなかったので、具体的な数字が書けませんでした。ありがとうございます。



これについて、もう少し詳しく調べると。下記の情報が出てきました。売れない(売らしてもらえない)米国債を18兆3800億円も購入しているようです。全体では80兆もの米国債を保有しているようです。



http://www.jlp.net/syasetu/040315c.html

>米国債保有残高の純増分で見ると、日本の増加分は、米国内での購入分の約2倍(1671億ドル・約18兆3800億円)。03年の「円売り・ドル買い」介入額約20兆円のほとんどが、米国債購入に当てられたことが分かる。フランス(106億ドル)、OPEC(石油輸出国機構・58億ドル)などは、米国債を売却している。



http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=90003017&refer=jp_news_index&sid=aQ8ooqrEWaaw



>米軍の各国の戦力分析によると、自衛隊は既に自主防衛とシーレーン(海上交通路)を確保できる戦力を持っているという評価を受けています。つまり在日米軍も日米安保も本当はすでに不要なんですよね。



私もコウタさんのブログで読みました。アメリカの自身が、そのような分析をしているのに、この度の発言は何なんでしょうか?単なる司令官の勉強不足なのでしょうか?やはり世論誘導目的でしょうか。
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TBありがとうございます (寒北斗)
2006-05-29 11:18:56
司令官が勉強不足なのでなくポチ小泉が国民を納得させやすい(そうなんだ、じゃ仕方ないかと思わせる)ように意図的にこう発言しているんだと思います。政治家というのは嘘をつくものです。
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(^^)コメントありがとうございます。 (管理人)
2006-05-29 23:30:18
コメントありがとうございます。

>政治家というのは嘘をつくものです。



政治家ならまだしも、専門家たる軍人がこれでは・・・・(プライドはないのか?)これほど、露骨なプロパガンダも珍しいです。しかし、これほどのうそでも「その通り」という日本人がいることが問題です。

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