「ぼくら党」のブログ

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イスラエル軍のレバノン侵攻について

2006-08-02 00:57:55 | イラク・中東問題

■イスラエルのレバノン攻撃が激化している。イスラエルの民間人を巻き込むやり方は、行き過ぎである事は明白であり、許されるものではない。またこれ以前にも、イスラエルは国連施設を攻撃して停戦監視要員4人を死亡させている。この国連施設への攻撃は誤爆ではなく明らかに国連施設を標的にしており、意図的なものである。 この行為も非難されて当然の行為である。

■イスラエルを形成しているユダヤ人は、過去にナチスによる迫害を受け600万人も組織的に虐殺されているが、その犠牲から学び取った事が「力こそが全て」というものであれば、あまりにも皮肉ではないだろうか。(苛酷な環境によって精神が捻じ曲がる事はままある)。

しかし、いくら力によって彼らが主張する「テロリスト」を攻撃したとしても、収まる気配が無い。むしろ余計にテロが拡散しているようにも見える。イスラエルは、ナチスが「力こそが全て」でテロ(パルチザン)根絶に失敗した事例を学ぶべきだったのではないか。

ナチスの失敗を学ばなかったとしても、自らの歴史を思い返すべきだった。力によって彼ら自身が打ち滅ぼされたかどうか思い返せば、今のような状態にはならなかったのではないか。

■記事によると、イスラエルの狙いは、国連による停戦決議案が採択される前に、駆け込み的に出来るだけレバノン側に進出することのようだ。イスラエルとすれば最終的には停戦する事になるのだから、出来るだけ有利な状況で停戦したいという事だろう。

しかし、いくら有利な状況で停戦が成立したとしても、今後もこの紛争状態は事あるごとに蒸し返されて、イスラエルに対する闘争が絶える事は無い。根本的解決は如何なる方法によるかは、まったく分からないが、「卵が先か、鶏が先か」的に「ユダヤが先か、イスラムが先か」と原因を相手に求める限りにおいては解決しない事は確かである。

■イスラエルは、不自然な形で建国された為に、周辺諸国からの圧力は絶えることが無い。アメリカの支援によって、周辺国よりも強力ではあるが、もしアメリカの支援が無くなったなら、イスラエルは存続できないのではないだろうか。

そのアメリカは、現在のところ、親イスラエルであり、国連においてもイスラエルに不利な決議であれば、ためらわずに拒否権を発動する。その他にも、イスラエルの核保有の容認や、いまだにイスラエルは第三次中東戦争で獲得した領土の殆んどを返していないにもかかわらず、その状態を容認している。

このアメリカの態度が、「反米」の原因の一つとして上げられており、この事がアメリカの国益を著しく損なわせている事は間違いないだろう。アメリカも現在は超大国であるが、将来的に、国力が衰退した場合は、国際世論にも敏感にならざるを得なくなる。もしこうなれば、アメリカがイスラエル支持を続けるとは限らないのではないか。

■今後も国家の生き残りをかけて、イスラエルは必死に対テロ戦争を戦うだろうが、叩けば叩くほど逆効果であるなら、無意味であるどころか、自らの首を絞め続けていることになる。

この、対テロ戦争の結論は「力こそが全て」の失敗例を歴史にもう一つ付け加える事になる。と言う事ではないだろうか。



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http://www.mainichimsn.co.jp/kokusai/mideast/news/20060802k0000m030053000c.html
レバノン:南部の村カナ 空爆で多数の死者、男性は涙流す 
【カイロ支局】
イスラエル軍の空爆で50人以上の死者を出したレバノン南部カナ。歩き始めて間もない女児の耳には小さな金のイヤリングがあった。がれきの下から次々に出てくる遺体を目の当たりにした救助作業の男性は「子供が多い」とつぶやき、涙を流した。 AP通信はイスラエル軍の爆撃は7月30日午前1時に起きたと伝えた。イスラエルはイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの拠点が攻撃目標だったと主張したが、2家族が被害を受けた。連日の爆撃で村から逃げ出すこともできず、家に身を寄せ合っていた。 

AP通信によると、少女のノーア・ハシェムさん(13)は同日午後、がれきの中からおじに助け出された。着弾の際、叫び声で目が覚めたが、真っ暗闇の中、泥と岩が周りにあるのが分かるだけだった。「自分で岩を押しのけ、空間ができたところで誰かに引っ張り出された」という。兄弟姉妹のうち4人が死亡。母は生きていたが、父の行方は分からない。 

カナでは96年にもイスラエル軍が国連レバノン暫定軍基地を攻撃し、基地内に避難していたレバノン人106人が死亡する「カナの虐殺」があった。ロイター通信によると、その際、夫と5人の子供を失ったバルハスさんは「米国に支援された敵は哀れみも人権も民主主義も知らない」とイスラエルを非難した。毎日新聞 2006年8月1日 19時11分 (最終更新時間 8月1日 21時48分)

http://www.mainichimsn.co.jp/kokusai/mideast/news/20060802k0000m030119000c.html
イスラエル軍:ヒズボラの掃討本格化 レバノン南部で 
【エルサレム樋口直樹】
イスラエル軍は1日、レバノン南部で陸上部隊によるイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラの掃討作戦を本格化させた。政府は同日未明の治安閣議で、陸上戦の拡大を承認していた。停戦に向けた国連安保理の動きを見据え、今週中に国境の北側数キロの範囲からヒズボラを駆逐する方針とみられる。ヒズボラは激しく抵抗しており、戦闘は重大局面を迎える。 

1日付のイスラエル紙イディオト・アハロノトによると、イスラエル政府は同日未明の治安閣議で、停戦決議案が3日にも国連安保理に提出されると予想。審議開始までに国境の北側4~6キロを陸上部隊で制圧する方針を決めた。ロイター通信はイスラエル政界筋の話として制圧範囲を国境から6~7キロまでの地点と伝えた。 イスラエルは安保理審議が長引いた場合、国境地帯から大規模な機甲部隊などを投入し、国境の北約20キロのリタニ川まで陸上部隊を北上させることも検討している模様だ。レバノン南部には既に数千人規模の陸上部隊が投入されており、さらに1万5000人規模の予備役兵が加わる準備をしている。 

イスラエル軍陸上部隊は1日現在、レバノン南部のアイタシャアブ、タイベ、ホウラなどでヒズボラと交戦した。イスラエルは2日午前2時までの空爆停止に合意したが、陸上部隊を支援するための空爆や砲撃は続けている。軍当局によると過去2日間に20人以上のヒズボラ戦闘員が死亡。アラビア語衛星放送アルアラビーヤは1日の戦闘でイスラエル兵3人が死亡したと伝えている。毎日新聞 2006年8月1日 21時28分



4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
至極同意です (散策)
2006-08-02 05:15:24
至極同意です。
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イスラエル立派 (明治維新)
2006-08-02 15:48:53
初めまして イスラエルとしては自国の兵士を拉致されて見殺しには独立国家として出来ないでしょう 日本は300人拉致されても対話に拠る交渉 親展なし どちらの国が正常でしょう 停戦前に10?レバノンに侵攻する ミサイルの標準から遠ざけるため 国民の安全のためでしょう まずシリア、イラン、中共、世界平和を説くべきでしょう イランの核開発から発生した模様 じゃないかな?
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コメントありがとうございます。 (管理人)
2006-08-02 22:41:29
散策さん。コメントありがとうございます。
返信する
コメントありがとうございます。 (管理人)
2006-08-02 23:17:17
明治維新さん、こんにちは。

>イスラエルとしては自国の兵士を拉致されて見殺しには独立国家として出来ないでしょう



紛争地域ですから拉致と言う言葉がふさわしいかは微妙だと思います。



国家の面子を優先して、人質は見殺しにするからこそ攻撃を加えているのではないでしょうか。人質の生存が一義的であれば、相手を刺激する武力行使は一番人質の生存が脅かされる方法であって、採用するはずがありません。



>日本は300人拉致されても対話に拠る交渉 親展なし 



これは、話を何処から始めるかによると思います。あの北朝鮮が拉致を認めましたが、それは力によるものではありませんでした。



「拉致はしていない」。と主張していた国が、曲がりなりにも拉致を認め、一部の生存者を表に出してきた事は、一定の進展と見る事が出来ます。



しかし、それ以後(拉致被害者を北朝鮮に帰さなかった)であるなら、「進展なし」と言えるかもしれません。もしこの問題を解決するのに強行路線を過度に取るなら、話がこじれる可能性が高いのではないでしょうか。



国家の面子や民衆の「北朝鮮ケシからん」感情を満足させるためにはいい方法だとは思いますが。



>どちらの国が正常でしょう



これは、なんとも言えません。拉致を国家が放置してきたのも、武力による攻撃を加えるのも、国家の論理である以上は、一個人から見れば、「どっちもどっち」と思います。



>停戦前に10?レバノンに侵攻するミサイルの標準から遠ざけるため 国民の安全のためでしょう 



んー対処療法としてはそうなのですが、根本解決には至らないような気がします。しかし、イスラエルにはそれしか手が無いので、最後までやるしかないのでしょう。それによって国民の命が助かるかはよく分かりません。



>まずシリア、イラン、中共、世界平和を説くべきでしょうイランの核開発から発生した模様 じゃないかな?



これは、立ち位置の問題だと思います。「相手が止めたら俺も止める」と両陣営が言っているのではないでしょうか。



武力による自衛を是とする以上は、相手の武力による自衛も認めなければなりません。「俺は持ってもいいが、あいつは持ってはいけない」。であったなら、北朝鮮となんら代わりがありません。
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