「ぼくら党」のブログ

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イラク混迷-「言及できない」イラク撤退

2006-05-29 15:24:00 | イラク・中東問題
■イラクの混乱は今だ続いている。記事には、ブッシュ大統領と、ブレア首相はイラク新政権を支援することを強調し、イラクの民主化進展をアピールした。とある。しかし、民主化とはいっても、ただ制度が作られただけならそれは民主化とは言わない。今後、民主的な制度が本来の狙い通りに機能するか、非常に疑わしい。

■「後悔している失敗は」と聞かれて、両氏は細々したことを答えているが、ブッシュ大統領やブレア首相が、本当に後悔している失敗は、イラク先制攻撃に踏み込んだことであり、そんな愚かな決断に同調してしまったことだろう。ブレア首相は「イラク治安部隊が徐々に主導権を握る可能性はある」と述べているが、別の記事にあるように治安部隊(実質は民兵組織)が同士討ちしているようでは、その可能性は低い。

■米英軍がイラクから撤退すれば、内乱状態は激しくなることは目に見えている。記事にあるように「イラクからの米英軍の撤退時期については言及しなかった」のではなく「言及できない」のである。イラク攻撃は完全な失敗に終わろう(始まろう)としている。

■そのイラクの治安を安定させる役目を担っている米兵でさえ、住民虐殺事件を起こしているようだ。残虐行為は、過酷な条件下におかれれば、誰もが犯しえるものだろう。虐殺事件を引き起こした海兵隊員とて、日ごろは普通の青年であると思う。

■精神的に追い詰められれば、自殺するか残虐行為に走るかのどちらかを選択することになる。考えただけでも、その過酷さは想像できる。言葉が通じない土地で、いつやられるかわからない状態で戦っていれば、頭がおかしくなるのは当然な結果だ。この兵士たちが貧しさから兵隊になった者であったならば、虐殺される方も、虐殺される方もどちらも被害者ではないか。国家の政策が彼らを殺人者に追い込んだと言えはしないか。

■住民を虐殺すれば、住民の反感を買う事になる。そうなれば、ゲリラ化して米兵に襲い掛かかる。特にイラクは武器などが容易に手に入る環境になっているので、なおさらだ。この悪循環が続けば、アメリカ軍が撤退しても、テロリストとしてアメリカに襲い掛かることになり、悪循環は止まらない。

■イラク戦争について、「サダム・フセインを取り除けたのだからよかった」と言う人もいるが、元々サダム・フセインはアメリカが育てた独裁者だ。イランに対抗するために彼を支援していたという経緯がある(大量破壊兵器も売っている)。これに対しての言及がなければ、この議論は公平ではない。

■イラクに対して、マッチポンプ的に歪んだ国益を追求するアメリカ(一部の為政者)のやり方が、事態を悪くしている。一部の為政者の都合の良い推測が、全てをダメにしてしまった。ブッシュ大統領の支持率低下にも見られるように、この事にアメリカ人は気付き始めているようだか、両国の民衆が多く傷つき、死んでいる現実から見れば「すでに時遅し」と言ったところか。





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-以下引用記事-

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060527-00000011-san-int
米英首脳会談 イラク新政権を支援 撤退時期は示さず  【ワシントン=有元隆志】ブッシュ米大統領は二十五日、訪米したブレア英首相とホワイトハウスで会談した。両首脳は共同記者会見で、国際社会と協力し、米英がイラク新政権を支援してゆく考えを強調。イラクの戦後処理で「誤り」があったと率直に認めつつも、イラクの民主化進展をアピールした。 ブッシュ大統領は会見で、「米国と英国は協力して新政権が成功するよう手助けしてゆく」と強調した。大統領が視聴率が高い午後七時半から約四十五分間、イラクを訪問したばかりのブレア首相と共同会見に臨んだのは、イラク新政権発足の意義を米国民に訴える狙いがあったとみられる。 両首脳は、イラク本格政権発足後も武装勢力の襲撃が続くとの厳しい見通しも示し、記者から「後悔している失敗は」と聞かれると、ブッシュ大統領は旧アブグレイブ刑務所で起きたイラク人虐待事件を挙げ、ブレア首相は、旧フセイン体制の支配政党だったバース党幹部の公職追放について「もっとよく選ぶやり方があった」と述べた。バース党幹部の全面的な追放は戦後の混乱に拍車をかける要因になったと批判が出ていた。 両首脳はイラクからの米英軍の撤退時期については言及しなかったが、ブレア首相は、イラクのマリキ新首相が今後一年半のうちに全土で多国籍軍から治安権限を引き継げると発言したことについて、「イラク治安部隊が徐々に主導権を握る可能性はある」と述べた。 ブレア首相は二十六日も大統領と会談する。 (産経新聞) - 5月27日3時49分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060514-00000247-reu-int
[バグダッド 13日 ロイター] 13日のイラク駐留米軍の発表によると、12日にバクダッドの北40キロのバラドで起きたイラク治安部隊同士の衝突で、イラク人隊員1人が死亡した。米軍が訓練している治安部隊内での人種および宗派間対立を受け、その結束には疑問の声も出ている。 一方で、イラク国防省はこの事件を否定。また同治安部隊や警察の関係者によると、事件はクルド人を中心とした治安部隊とアラブ系市民との衝突だったという。 米軍が治安部隊同士の衝突を止めたというものの、米軍の広報担当は、治安部隊内での殺害を実際に米兵が目撃したのかについてはコメントを差し控えた。 (ロイター) - 5月14日16時53分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060528-00000058-kyodo-int

「処刑」疑わせる写真存在 イラク、米海兵隊隠ぺいか  
【ロサンゼルス28日共同】イラクで昨年11月、米海兵隊の部隊が理由もなく多数の民間人を殺害したとされる疑惑で、27日付の米紙ロサンゼルス・タイムズは、海兵隊の情報部門のチームが殺害直後の現場写真を撮影、その状況から民間人らは「処刑」された可能性が高いことが分かったと報じた。 海兵隊が組織ぐるみで殺害を隠ぺいしようとした疑いも浮上しており、米軍にとっては旧アブグレイブ刑務所でのイラク人虐待事件以来の重大問題に発展する恐れも出てきた。 事件の調査に詳しい政府筋によると、殺害が起きた昨年11月19日、戦闘部隊とは別の海兵隊情報部門のチームがバグダッド北西にあるハディーサの現場に入り写真を撮影。殺害された女性や子どもを含む24人のうち5人が路上で、残り19人の遺体は3、4軒の民家内で見つかった。 (共同通信) - 5月28日15時52分更新