「ぼくら党」のブログ

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イラク戦争いまだ終わらず。

2006-03-29 00:17:50 | イラク・中東問題

■イラク戦争から3年。イラクは内乱に近い状態になりつつあるようだ。スンニ派、シーア派、クルド人の民族・宗教対立が顕在化し、とても一つの国としてまとめ上げる状態にはないようだ。

■宗派対立が激化し、多数の死傷者が出ている状態で、記事に書かれているような、イラク駐留米軍の大幅削減など本当にありうるのだろうか。 実際のところは、米軍はいわゆる「点と線」を確保して、イラク国内における混乱には手を出さないという方針なのではないかと思う。月に1兆円もの国費が戦費として消えていく状態では、アメリカが長期に亘ってイラク全体をまとめあげることは不可能に近いだろう。

■だが、このような状況になるということは、開戦前から、ある程度予想されていたものであった。イラクという国はサダム・フセインによって宗派対立・民族対立を圧政で封じ込めてきた。当然、そのまとめ上げてきたものを取り除いてしまえば、民族・宗教の対立が顕在化するのは自明である。

■イラク人であるフセインですら恐怖政治でやっとまとめてきた国を、よそ者であるアメリカが行えば当然うまくいくはずがない。記事に書かれているような「イラク治安部隊などが米軍に代わり、国内の治安維持にあたるようになってきている」と言うのは、楽観的過ぎるのではないかと思う。

今のイラク人は(もちろんすべての民衆ではないが)、国という概念に帰属せずに、宗教や部族に帰属しているので、治安部隊そのものが敵対する宗派や部族を攻撃していると聞く。このような状態で、果たして正当な治安活動が行われるかは疑問である。

■開戦理由とされた大量破壊兵器は発見されず、その結果、代わりの大義名分として用意されたのが「イラクの民主化」であるが、民主化というものは、ただ制度さえ作れば行われるものではない。イラクにはイラクのやり方がある。それを無視して、制度のみを押し付けても上手いくはずがない。

■ブッシュ大統領は「イラクの民主主義は必ず隣国に伝わる。我々の外交政策は我慢の政策だ」と呼びかけたらしいが、イラクの民主主義(そんな物はない)が隣国に広まる事は無く、ただ不安や暴力が周辺諸国を不安定な状態にすることになるだろう。

 ■我々の外交政策は我慢の政策だと言うならば、開戦前にそのことを実践するべきだったのではないか。 国際世論はイラク攻撃反対であったにもかかわらす、我慢(イラクの石油利権・中東地域の従米化という野望に対する我慢)もせずに攻撃を仕掛けた、それが失敗したら次は米国民に忍耐を呼びかける。これは余りにもおかしいことだろう。

イラク戦争を強引に行ったブッシュ大統領の責任は非常に重い。この過ちは取り繕えないほど、大きな過ちである。誤った政策を正当化している姿には、イラク人のみならず、自国民をも危険にさらしているという自覚はみられない。ましてや、そこで傷つき、死んでいく者の無念さなど微塵も感じていないように見える。





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- 以下引用記事 -
http://www.sankei.co.jp/news/060327/kok032.htm
イラク駐留米軍の大幅削減ありうる 米国務長官
【ワシントン=有元隆志】ライス米国務長官は26日、米NBCテレビに出演し、イラク駐留米軍の削減問題について、「現地の状況による」としながらも、「今後1年間で、大幅に削減することは十分にありうる」と語った。 ライス長官はその根拠として、イラク治安部隊などが米軍に代わり、国内の治安維持にあたるようになってきていることを挙げた。現在、イラクには約13万3000人の米兵士が駐留しているが、米軍内部には年内に10万人以下に削減する計画もある。

http://www.asahi.com/international/update/0328/004.html

2日間で死者150人 イラクの宗派対立さらに激化
2006年03月28日10時44分 
イラクでは27日、モスル近郊の米、イラク両軍合同の基地内で起きた自爆攻撃のほか、バグダッドでもロケット砲による攻撃が起きるなどして全土で計51人が死亡、77人が負傷した。 バグダッドでは、さらに貿易会社の従業員16人が武装勢力に拉致された。前日から2日間の死者は、AP通信の集計で少なくとも150人に達した。正式政府樹立に向けた協議が進まない中、スンニ、シーア両派の衝突はなお激しさを増している。 バグダッドの商業ビル周辺にロケット砲2発が撃ち込まれた事件では、計8人が死亡した。

また、バグダッドや中部バクバでサドル師派の拠点が相次いで攻撃され、1人が死亡、5人が負傷した。 一方、モスル近郊の基地で体に爆弾を巻いた男が自爆し、計40人が死亡した事件については、アルカイダ系組織が犯行声明をインターネットに出した。 バグダッドでは26日にモスクで同師派支持者の殺害事件が起きているが、バグダッド州知事はこの事件に抗議するとして米軍への協力停止を表明した。

また、シーア派与党の統一イラク連合(UIC)のマーリキー広報官も「UICは、イラク政府が早急に治安権限を回復するよう求める」と述べるなど、米軍への非難が強まっている。 米軍は「武装勢力16人を、イラク治安部隊が殺害」と主張しているが、イラクのアルエンジ国務相(治安担当)はロイター通信に「礼拝中のモスクにイラク治安部隊に伴われた米兵が乱入し、非武装で無抵抗の市民37人を、後ろ手に縛った上で銃殺した」と述べた。

ただ、サドル師派民兵組織マフディ軍が、モスクで私設の「法廷」を開き、スンニ派を処刑していたとの情報もあり、米軍とイラク治安部隊が鎮圧に乗り出した可能性もある。 イラクでは、2月末のアスカリ廟(びょう)爆破事件以後、マフディ軍がスンニ派への報復活動を活発化させており、カリルザード米大使は「民兵を鎮圧する必要がある。イランが資金援助や訓練を施している。今や(スンニ派)武装勢力よりも、民兵の方がより多くのイラク人を殺害している」と述べている。 【ワシントン及川正也】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060322-00000014-mai-int
<ブッシュ大統領>任期中の撤退完了困難との見解初めて示す
ブッシュ米大統領は21日の記者会見で、イラク駐留米軍の完全撤退について「決定するのは将来の大統領たちとイラク政府だ」と述べ、自らの任期が切れる09年1月以降も駐留が続くとの見通しを明らかにした。任期中の撤退完了は困難との見解を明示したのは初めて。

大統領が長期駐留の必要性を認めたことで、イラク安定化への道のりの険しさが改めて浮き彫りになった。記者会見はイラク開戦から3年にあたって開かれた。イラク駐留米軍の規模は現在13万3000人。ブッシュ政権は米軍部隊を段階的に撤退させる方針を示してきた。段階的撤退について大統領は「現地司令官が判断する」との考えを重ねて強調しつつ、自らの任期切れ後も一定規模の米軍駐留継続は必要になるとの見方を示した形だ。

開戦以来の米兵の死者は2300人を超え、2月22日のイスラム教シーア派聖廟爆破事件後の宗派間抗争による死者数は1000人を突破、米国内の世論は7~8割がイラクの現況を「内戦」と受け止めている。開戦から3年がたってもイラク情勢が不安定なことについて大統領は「実際の交戦までは、戦争計画は優れて見えるものだ。敵の戦術に応じて我々も戦術を変える必要がある」と述べ、イラク占領統治が計画通りに進まず、戦術変更を強いられてきた事情を認めた。

だが、ラムズフェルド国防長官の辞任の必要性については明確に否定した。イラクで激しさを増している宗派間抗争に関して大統領は「(イラクで)内戦が発生しているとは思っていない」と強調、「内戦に発展させないことが我々の仕事だ。宗派間の兵力を引き離すのはイラク治安部隊の仕事だが、多国籍軍が側面支援する」と述べた。米メディアの調査によると、政権支持率は30%台半ばに急落、イラク政策に対する世論の批判が高まっている。 この点について大統領は「どの大統領も戦争などしたくない。

戦争はトラウマ(心的外傷)を生む。人々の間に懸念が広がることは理にかなっている」と述べた。しかし、同時に「イラクの民主主義は必ず隣国に伝わる。我々の外交政策は我慢の政策だ」として米国民に忍耐を呼びかけ、イラク民主化を残り3年の任期の最大課題に位置付けた。(毎日新聞) - 3月22日13時18分更新



2 コメント

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全く同感です (うんむまじど)
2006-03-30 05:29:46
私の書き込みへのトラックバックありがとう

ございました。何もかも全く同感です。
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ありがとうございます (管理人)
2006-04-03 23:11:35
コメントありがとうございました。

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