竹清勇の囲碁の宝石箱

普段何気なく囲碁に接している時間。
愛好家の方には上達の宝庫だと思い紹介していこうと思いました。

張栩先生の勉強になる手筋

2016-03-25 18:58:40 | プロレベル

こんにちは。竹清です

 

先日、私の対局を張栩先生が局後見て下さいました。素晴らしいご意見をいただいたので、こちらでお裾分けします。

 

私の白番です。黒1とツケられた場面です。この手は手筋で、白の受け方次第で、下辺黒と隅を連絡しようという手です。

ここまで白は左下△の切り込みや、下辺△の封鎖によって少し打ちやすい布石となっています。

 

実戦は特に工夫もなく、白2~白6まで封鎖しました。これでも白が十分打てるようですが、チャンスを逃しています。

このあと黒19までと進みましたが、白18ではAと三子をとるべきでした。周辺の黒に攻めが残るので大きな三子です。

このあたりで序盤の優位はないものとなりました。

 

張栩先生の指摘はこうです。白2、4はうかぶ手ですが、白6、8が手筋とのことです。

黒が9まで全部頑張ると白10で、AとBが見合になり黒ツブレです。

ぱっと見て指摘されたので、あまりの見事さに言葉を失います。

 

白6のアタリには手抜きくらいになりますが、白8と抜きになれば大いに白有望だったと思います。

白からAのハネものちに味が残っています。

 

※追記の説明

すぐに白1は黒6までセキトウシボリで黒は連絡しています。

手筋の威力を感じる場面ですね!非常に勉強になりました

この柔軟さを見習って少しでも追いつきたいと思いました!


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謝ちゃんの神の一手紹介・後編

2011-07-17 10:02:31 | プロレベル

それでは前回の続きです。

 

正解は白1です。これは妙手で、謝ちゃんも「タイトル戦で打ちたい手」と言ってくれたくらいです。

どういう意味か検証していきましょう。

 

 

実戦譜

白の割り込みが働いて、黒は白をF-9に切にいくと両あたりになるので、切れなくなっています。

実戦は中央に白は進出して、黒模様を大きく削りました。


 

黒は中央に出させないようにするのであれば、黒1のつなぎです。

黒1とつなげば白は実戦のようにハネても今度は黒にきられるので、顔を出すことはできません。

しかし、黒1の下に白から出が残ります。白は攻め合いの関係ですぐにはしないですが、黒からしたら頭痛の種でしかありません。

それならば実戦のように中央に顔を出されても味の良い図を選んだほうが黒は正解です。

つまり黒に抵抗の余地はなかったのです。それが妙手の所以です。

 

 

実戦の続きです。

黒が中央に1とかかえるのは中央を厚くするため、必要な手です。

そのあと白2が強烈!厚みに見える黒のわずかな隙をみつつサバキをしようということです。

ただし白は、上辺で小さく生きるのでは白の左上隅も痛みますし、得していません。

当日もそう大盤で解説しながらどうするのかなと思ったらなんと、上辺はすべて捨ててしまいました。

その代わり白14と先手で逃げれば打てると判断をしたのが絶妙。謝ちゃんさすがとしか言えない。

 

 

白は上辺を捨てると決めたらすかず白7まで先手で利かします。

そして本命の狙いは白9からの切りです。白15まで下辺の黒を攻めて得しようということです。

上辺の黒地は大きく見えますが、下辺で得をすれば打てるという判断は素晴らしいです。

 

 

実戦白10までの打ちまわしも素晴らしく、黒下辺の大石は目二つの生きはまのがれそうにない。こうなると大抵もう五分五分になっているとしたものです。このあとは小熊も妙手で応戦して良く戦いますが、時間にも追われ敗着がでます。

白番謝プロの中押し勝ちとなりました。

 

まとめ:謝ちゃんの良いところがダイジェストされたような内容で素晴らしい名局でした。

永久保存版の二子局でしょうね。

名局は一人では生まれないという言葉がありますが、小熊もよく戦いました。

2子でここまで互角に戦えれば立派にトップアマと言えそうです。

 

こんなに面白い棋譜はそうそうないと思うので、印刷して実際に碁盤で並べてもらえればと思います。

 

それではまた

 

 

 

 

 

 

 

 

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謝ちゃんの神の一手紹介・中編

2011-07-10 01:07:42 | プロレベル

前編の日記がパソコンによって見られなかったようです。横浜囲碁サロンにきてくださっている天才プログラマーに直してもらいましたので、もう大丈夫だと思います。

 

前回の続きです。

実戦は白1の割り込みです。以下7まで隅をしっかりとってから下辺は別にさばくという意味です。

 

 

相場の進行は、下辺を丁寧に生きるくらいです。これで白が悪いわけではないですが、謝プロは隅の黒地が大きいと判断したのでしょう。

厳しいものです。

実戦はここから下辺のさばきが見事です。

白6が手筋。次に黒7の右側にハネを狙っています。白6の前に8から決めると6は先手なりません。

そして左下隅を生きた手が好手の理由は白10の先手を見ているからです。ここまであっという間に生き形になりました。

この早碁で素晴らしい読みの精密さです。

 

 

実戦は黒の小熊もだまって受けずに反発します。黒1、3は好手で、白の形を崩しています。

ただし白は2-Hに打てばいつでも生きています。白6は中央に味をつけてから手を戻して生きようという工夫です。

黒は中央を突破されてはつらいので黒も9まで中央を止めにかかりますが・・・。

白、次の一着で妙手が飛び出します。皆さんも謝プロの神の一手を考えてみてください。

 

 

ヒント: 普通に白1とハネは黒2と切られて何もなりません。何か白は工夫が必要です。

 

後篇に続きます・・・

 

 

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謝ちゃんの神の一手紹介・前編

2011-07-05 02:17:31 | プロレベル

先日、横浜囲碁サロンに謝ちゃんにきていただき、弟子の小熊と2子で公開対局をしていただきました。

そのときに一緒に取材もお願いしました。謝ちゃんがプロになるまでの道のりが詳しくかかれています。

私の弟子には何度も読んでもらいたい内容で、まだ言葉を覚えるような年齢からすごい努力をしてきたのだと痛感したし、すごい刺激になった。

謝プロの取材は横浜囲碁サロンのHPから見る事ができます。コチラ→横浜囲碁サロン

 

公開対局当日は立ち見も出るほどのお客さんに集まっていただきました。

お祭り気分で始まった対局ですが、とんでもない名局が生まれました。私の推測ですが、プロ棋士はあまり人前で対局しないので、謝ちゃんは観客を前にして本気モードのスイッチを入れてくれたのではないかと勝手に思っております。

というわけでとっても勉強になるのでポイントを解説していきます。

 

白のミニ中国流という立ち上がり。最初の工夫は白1の手です。

 

これに対し黒は1と定石通り受けると・・・。

白2から一見普通の定石ですが、白▲とかかった石が働き黒が左辺に窮屈な形で閉じ込められます。


小熊もこれを察知して1とハサミで対応。黒11までは相場の進行です。

 

 

ここで白1は参考になる手です。AやBなら定石の手で普通ですが、2子局ということもあり変化の多い手を選んだそうです。

謝ちゃんは「変化の多い手が好き」と当日も言っていましたが、これは戦いになっても自信がある証拠でなかなか言えない言葉です。私としてはこの言葉が聞けただけでも大変勉強になりました。

 

その後黒5まで進行したところです。次の白の手は強烈な妙手でした。

次が書きあがるまでに考えてみて下さい。とても勉強になると思います。


 

中編に続く・・・。

12時前に書き始めたのですが、この時間・・・

 

おやすみなさい・・・






 

コメント (2)
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