こんな言葉、よく耳にしますよね!
相手は親切心でやってくれたことが、実は本当に迷惑だった、みたいな
人間関係ではよくあることです
これは私が新卒で就職した会社の同期のお話です。
(なんか方言の話でトラックバックしたw)
当時会社は中野にありましたが、あの辺って実はほとんどが住宅地です。
住宅地の中を突き抜けるように、環状8号線だの、街道(国道)が通っていて、
その通り沿いや路地を入ったところなんかに中小企業の本社がぽーんとあったりするような感じです。
駅前というと、中野駅を想像する方もいるかもしれませんが、
西武線沿線は高い建物もほとんどないですから、駅前とは対照的にあんな都市っぽさはなく、
サザエさんに出てくるような商店街が立ち並び、
夕方ともなれば買い物袋をさげた主婦たちが歩き回るどこか東京の古き良き下町っぽさを感じるのんびりした風景です。
私の会社も国道沿いにあったので、駅からは10分強ほど歩かなければいけませんでした。
あれは、春だったか秋
だったか・・・
ある日就業時間を終えて日もだいぶ落ちて薄っすら暗くなってきた中、
同期の3つ下の女の子と一緒に帰っていた時のことです。
割と車の往来のある大きな通りで信号待ちをしていると、
横断歩道の真ん中に何か20cm位の大きな物体が落ちているのが目に入りました。
「横断歩道の真ん中になんか落ちてない」
「え ほんとだ~、なんだろ?」
信号が青になり、横断歩道の真ん中までくると、その物体の正体がわかりました。
それはなんと、大きなガマガエル
巨大なガマガエルが、横断歩道をちょ~低速スローモーションで歩いてましたw
同期の子は思わずキャッと悲鳴まであげていました
私:「でかっ」
同期:「や~ん、何でこんなところに歩いてるの、私カエルちょ~ダメなんだけど
」
立ち止まって見ていると、ガマは私たちがやってきた方に向かってえっちらおっちら歩いてました。
信号で足止めくらっている車はすでに10数台。
同期:「え~絶対車にひかれちゃわない
かわいそう~
」
私:「ほんと~。運がよければひかれないけど。何しろ半分渡ってきたわけだし」
そうこうしている内に歩行者用の信号が点滅し始めました
同期:「え~ どーする
このままじゃ車にひかれて死んじゃうよ
」
私:「そうだけどさ~、どうしようもなくない
うちの近所もこの時期よくガマガエル車にひかれてペッチャンコになってるし
」
私が話し終わらない内に、同期の子はなんと、その巨大なガマを手づかみでむんずと掴むと、
汚いものを持つかのように体から離して持って、すごい勢いで走って信号を渡り、
街路樹の下の土の上にそのガマを置きました
手づかみされた巨大なガマは手足をびよ~んと伸ばして、されるがまま、置物です!というような格好で運ばれてましたw
(えっっっっーーーーー)
多少の昆虫や爬虫類、普通のカエルなどなら全く平気の私だってガマを素手で手づかみはできないww
ビックリしすぎて一瞬何がおこったかわかりませんでした。
車のクラクションに我に返り、走って
同期に追いついてもまだ信じられませんでした
よくわからないけど、何もしてない私が、ものすごくドキドキしてしまって。。
「すごい・・・・カエル嫌いっていってたのに・・・
しかもガマ手づかみ。。。
」
「私だって本当はすごく嫌いだし怖いし、カエル触ったのも生まれてはじめてだけど
、このままひかれちゃうかもしれないのをほっておけないよ~
そう思ったら体が勝手に動いてた
」
その時の彼女の笑顔は少し苦笑いを含んだものではありましたが、とても綺麗でした
彼女は、髪が茶髪のせいか見た目はちょっとギャルっぽい感じではあるものの、とても可愛い子で、
仕事も要領よくこなし、明るく元気な子、というイメージでしたが、いわゆる現代っ子だったので、
まさかガマを素手で手づかみするとは思いませんでした
だってカエル全部嫌いって言ってたし、よりによってあの気持ち悪いイボイボのガマガエル(^^;
しかもでかい!
ってかそれにビックリして、横断歩道の真ん中で立ち尽くした私がひかれそうだったりww
私は心から彼女のことを尊敬しました
命の尊さを知る子なんだと
それに比べ私はガマの見かけの気持ち悪さから助けようなんてこれっポッチも思わず
、
なんだかとても恥ずかしくなりました。。。
ガマ、よかったな
お前みたいな無謀な(横断歩道渡ること)イボイボ気持ち悪い
ヤツを助けてくれる人間がいるなんて
長生きしろよ
ガマはアスファルトの上から土の上につれてこられて少し安心したように見えました。
翌日。。。
朝いつものように駅から会社まで歩いて向かっていると、昨日の横断歩道の真ん中にガマガエルが引かれて死んでいました
ガマは内臓とか飛び出しかなり悲惨な惨状で、皮だけがすでにペッチャンコになってペラペラに
しかも私たちの会社の方を向いて・・・
昨日のガマも確かそっちに向かって歩いていました。。
大きさ的にもたぶん昨日のガマに間違いありませんでした
よくよく考えると、私たちは逆から渡ってきたので、同期はガマが渡ってきた方に連れ戻す形で運んでたんです、実は
あぁ~・・・つまり同僚が必死に助けたガマはお亡くなりになってました
チーン・・・ (-人-)
会社で同期に会うと、同期は少し悲しそうに笑いながら、
「かなり勇気を出して親切のつもりでがんばったのに、あのガマガエルにとってはかなり迷惑な話だったっぽいよねw」
「いや、放っておいてもひかれてたかもしれないじゃん
」
「アイツ的にはたぶん、
オイふざけんなよ
、折角半分渡ってきたのに何してくれるんだよ
みたいに思ってたと思うよ」
(まあ、思ってたかもだけど・・・でもカエルよ!)
「アイツ絶対、
まじぶる~、あと少しだったのに
、あの人間ちょ~むかつく~
とか思ってたよね・・・」
(カエルそこまで思わないよw)
「あんなに気持ち悪い思いしながら運んだのに、アイツにはちょ~迷惑だったってことだよね。。。反対側に運べばよかった」
しばらくはどんなになだめても、
なぜか1人2役でガマの気持ちを想像してうったえていた同期でした。
ガマにとりつかれたかと思うくらいしつこく言ってました(^^;
ショックだったんだろうけど
でもそれほどまでにココを渡って行きたかった場所って。。。
始業時間が始まり、雑談の中で部長にその話をすると、
どうやら通りを渡ってすぐの通り沿いの家には大きな池があるらしく、
毎年そこに向かうガマがひかれているそうです。。
つーかそもそも東京のど真ん中で、あんな巨大なガマが生息してるなんてw
ちなみにヤモリも草取りしてた時いっぱいいましたがw
でもまあ、彼女の行動は本当にすばらしかったと今でも思ってます
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笑うに笑えない悲しい物語ですね。
ガマガエルはそれでも必死だったんでしょうね。
応援しています、ぽちっとな!
わざわざコメントありがとうございました。
笑っちゃうんですけど、カエルにとっても同僚にとってもちょびっと可哀想なお話なんですよね^^;