社労士T&Fの人事労務情報局

社労士事務所スタッフによるブログです。人事労務の最新情報・日々の疑問をわかりやすく解説します。

平成19年10月改正 雇用保険法のポイント

2007年09月28日 17時01分27秒 | Weblog
今回は今年10月に改正される雇用保険法のお話です。

1.基本手当(失業手当)の受給資格要件の一本化
  会社を退職し、失業している間に受給できる基本手当の受給要件が一本化されます。

失業手当を受給するためには在職中に、
 【旧】 一般加入 (週所定労働時間が30時間以上) 
      → 各月に14日以上出勤している月数が6ヵ月以上必要
     短時間加入(週所定労働時間が30時間未満)  
      → 各月に11日以上出勤している月数が1年以上必要

 【新】 各月に11日以上出勤している月数が12ヵ月以上必要
   (倒産・解雇等により退職された方は、各月に11日以上出勤している月数が6ヵ月以上必要)

※平成19年10月1日以降に退職された方が対象となります。


2.育児休業給付の給付率の引き上げ
  1歳未満の子を養育するための育児休業をし、職場復帰後6ヵ月以上在職した場合に休業前の給与の一部が支給される育児休業給付の給付率が引き上げられます。

 【旧】 育児休業期間中 給与の約30% + 職場復帰後6ヵ月 給与の約10%


 【新】 育児休業期間中 給与の約30% + 職場復帰後6ヵ月 給与の約20%
 
※平成19年3月31日以降に職場復帰された方から平成22年3月31日までに育児休業を開始された方までが対象となります。


3.教育訓練給付の支給要件・内容の変更
  国が指定する講座を受講し、修了した場合、修了時点までに実際に支払った学費の一部が支給される教育訓練給付の支給要件・内容が変更されます。

 【旧】 加入期間が3年以上5年未満  支払った学費の20%(上限10万円)
      加入期間が5年以上        支払った学費の40%(上限20万円)
 
 【新】 加入期間が3年以上      支払った学費の20%(上限10万円)
    (当分の間、初回に限り加入期間が1年以上で受給可能)

※平成19年10月1日以降に指定講座の受講を開始された方が対象となります。

 (社労士F)

出産日が出産予定日より遅れた場合の出産手当金の支給日数は?

2007年09月18日 13時51分37秒 | Weblog
出産手当金とは、健康保険より、出産のため会社を休んだ期間につき、賃金のおよそ3分の2が支給されるものです。

具体的には、出産予定日の6週間前(出産予定日を含む、双子などの多胎妊娠の場合は14週間前)から、出産後の8週間までの期間支給されます。

例えば、9月18日が出産予定日の場合、産前については6週間前の8月8日から支給されます。
産後については9月18日に出産した場合、8週間後の11月13日まで支給されます。

しかし、出産予定日どおりに出産するとは限らないですよね。

出産予定日と出産日が違う場合、出産手当金の支給日数はどうなるのでしょうか?

出産予定日より前に出産した場合、
産前の支給は出産予定日の6週前から実際の出産日までとなり、
産後は出産日の翌日から8週間の支給となりますので、
(残念ながら?)支給日数は短くなります。

逆に、出産が出産予定日より後になった場合は、実際の出産日までが産前の支給となり、遅くなった日数分産前の支給日数が長くなります。
産後は変わらず、出産日の翌日から8週間支給となります。

但し、出産手当金の支給対象となる期間中であっても、出勤した場合や、有休などで賃金が支給される場合は、出産手当金は支給されません。

なお、出産手当金の1日あたりの支給額は標準報酬日額(※)の3分の2です。

※標準報酬日額=標準報酬月額÷30

(この内容は、政府管掌の健康保険を基に作成しておりますので、組合健保の場合は異なる場合があります。)


TOPICS

各都道府県の最低賃金の改定が来月、予定されています。
(東京では719円から739円に20円アップします。)
今回の上げ幅は従来になく大きいもので、以前からあがっていた、
最低賃金で働くより生活保護をもらった方が良いという逆転現象への批判に対応したものです。

各都道府県の改定後の最低賃金額は→
平成19年度地域別最低賃金改正の答申状況


(社労士T)



育児休業子育て支援助成金

2007年09月06日 17時23分42秒 | Weblog
前々回に引き続き育児休業関係の助成金のお話です。

育児休業子育て支援助成金とは?
 育児休業子育て支援助成金とは、育児休業取得者又は短時間勤務制度の適用者が初めて出た場合に一定の要件を備えた育児休業・短時間勤務制度を実施する中小企業(従業員数100人以下)に支給される助成金です。

【受給要件】

 次の1~5すべてに該当していることが必要です。
  
  1.常時雇用する従業員数が100人以下であること。

  2.一般事業主行動計画を都道府県労働局長に届け出ていること。

  3.労働協約又は就業規則に育児休業等についての規定があること。

  4.平成18年4月1日以降、初めて育児休業取得者等が出たこと。

  5.対象となる従業員は、以下のA又はBの要件を満たし、雇用保険に継続して1年以上加入していること。

   A 対象となる育児休業の要件
    ①休業期間:1才までの子を養育するため平成18年4月1日以降、6ヵ月以上育児休業を取得したこと。
    ②復職後 :職場復帰後6ヵ月以上継続して雇用されていること。

   B 対象となる短時間勤務適用者の要件
    ①平成18年4月1日以降、3才未満の子について6ヵ月以上次のいずれかの制度を利用したこと。
    ②対象となる短時間勤務制度は、次の a~c のいずれかであり、いずれも在宅で就労する場合を除く。
a 1日の所定労働時間を短縮する制度
      b 週又は月の所定労働時間を短縮する制度
      c 週又は月の所定労働日数を短縮する制度

【受給額】
       育児休業    短時間勤務(利用期間に応じて)
 1人目  100万円      60万円~100万円
 2人目   60万円      20万円~ 60万円
  
  対象者が初めて出た場合に、2人目まで支給されます。
  
 例えば、初めての育児休業取得者Aさん、2人目の育児休業取得者Bさんがいた場合(平成18年4月1日以降)

 1人目Aさん 100万円 + 2人目Bさん 60万円 = 160万円


今回も前々回と同じように、助成金を受給するポイントは、育児休業規定を事前に整備しておくことです。(社労士F