社労士T&Fの人事労務情報局

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「賃金改善」と「ベースアップ(ベア)」の違い

2008年03月21日 13時14分32秒 | Weblog
 先日、大手企業から今春の賃上げ額の回答が一斉に出され、新聞紙上をにぎわせています。

 ここ数年、賃上げ額は上昇傾向にありましたが、今年は原油高・材料高、サブプライムローン問題、円安・株安など景気の減速感が強まっていることが影響し、前年並みにとどめる企業が多いようです。
(連合の3月14日時点での集計では、2007年実績賃上げ率2.01%に対し、本年は2.08%と微増になっています。)

 賃上げについて、以前は「ベースアップ○○円」という言葉がよく使われていましたが、近年は「賃金改善○○円」といった言葉がよく聞かれるようになりました。

 では、この「ベースアップ」と「賃金改善」はどう違うのでしょうか?

 「ベースアップ」とは、その会社の賃金表(賃金テーブル)を書き換え、全体の賃金の底上げを図るものです。デフレであり、また、成果主義、実力主義に移行している現在では、ベースアップを行なう企業は非常に少なくなっています。

 それに対し、「賃金改善」とは、全体の底上げではなく、主にある一部分の改善を行なうものです。具体的には、育児休業者に対する給与補助の充実や大手製造業では深夜割増率や休日割増率のアップなどを行なっています。
 また、近年賃上げ額が抑えられてきたことで、若年者の賃金水準が低くなっている企業が多くなっており、若年層に絞った賃金の底上げを行なう企業もあります。

 全体の底上げを図るベースアップから、人材確保の側面からその企業に必要な人材の層に重点的に配分する戦略的な賃金改善に移行しています。

(社労士T


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