一人になった帰り道、電車を乗り継いでいる途中で、ケータイ
が鳴った。
彼からだった。
どうも私がかなり酔っているんじゃないかと、みんなで心配していた様子。
「大丈夫じゃなかったら、そっちへ行こうと思って」
「大丈夫ですよ~」
「そっか、じゃ気をつけてな」
ちょっとうれしかった
無事に最寄り駅に到着したことを彼に報告しようと電話した。
「シャワー浴びてテレビ見てたとこ」
出張中の彼は、すでにホテルの部屋に戻っていたようだ。
「また来て下さいね」
「そりゃ、すぐにでも来たいと思ってるけどさぁ」
本気?んなわけないか。
「ところで、おまえ変わんないね」
「服を着てるからわからないんですよ」
「じゃ、今度は中、見せてくれる?」
「電気消して下さいね」
笑ってた。
「なぁ。ちょっと『chu』って言ってみ」
ただのエロおやじか~!
が、不思議と素直に聞き入れてしまった。
あたりに人はいないとはいえ、一人でケータイに向かってそんなことするのは
すんごく恥ずかしかったけど。
「chu
」
「おぉ、聞こえた聞こえた」
も~、ただの酔っぱらいじゃん。
ま、お酒も入ってるし、その場のノリでの会話だからと思いながらも、
でも、楽しかった。
すごく幸せな気持ちになった。
この程度の、ちょっときわどい会話も、
他の人とはどうってことなくさらっとやってのけてきたのに。
ほんの1時間前までは、何とも思っていなかったハズなのに。
魔法をかけられたような気分だった。
でも、相手はずっとずっとオトナで、
他にもそんなことはいっぱい経験してきているんだろうな。
今日のことだって、きっといわゆる「お酒の勢い」。
「悪い、覚えてないんだ」とか、そうでなくても
「あのときのことは忘れて」とか言われかねない。
だから、明日になったら、もう少し冷静になったら、きっと元の自分に戻るだろう。
そんな程度に思っていた。
私だって、今までそれなりに経験は積んでいるつもり。
たかがKISSの一つや二つくらいでどうこう騒ぐような子どもじゃない。
そのはずなのに…

彼からだった。
どうも私がかなり酔っているんじゃないかと、みんなで心配していた様子。
「大丈夫じゃなかったら、そっちへ行こうと思って」
「大丈夫ですよ~」
「そっか、じゃ気をつけてな」
ちょっとうれしかった

無事に最寄り駅に到着したことを彼に報告しようと電話した。
「シャワー浴びてテレビ見てたとこ」
出張中の彼は、すでにホテルの部屋に戻っていたようだ。
「また来て下さいね」
「そりゃ、すぐにでも来たいと思ってるけどさぁ」
本気?んなわけないか。
「ところで、おまえ変わんないね」
「服を着てるからわからないんですよ」
「じゃ、今度は中、見せてくれる?」
「電気消して下さいね」
笑ってた。
「なぁ。ちょっと『chu』って言ってみ」

が、不思議と素直に聞き入れてしまった。
あたりに人はいないとはいえ、一人でケータイに向かってそんなことするのは
すんごく恥ずかしかったけど。
「chu

「おぉ、聞こえた聞こえた」
も~、ただの酔っぱらいじゃん。
ま、お酒も入ってるし、その場のノリでの会話だからと思いながらも、
でも、楽しかった。
すごく幸せな気持ちになった。
この程度の、ちょっときわどい会話も、
他の人とはどうってことなくさらっとやってのけてきたのに。
ほんの1時間前までは、何とも思っていなかったハズなのに。
魔法をかけられたような気分だった。
でも、相手はずっとずっとオトナで、
他にもそんなことはいっぱい経験してきているんだろうな。
今日のことだって、きっといわゆる「お酒の勢い」。
「悪い、覚えてないんだ」とか、そうでなくても
「あのときのことは忘れて」とか言われかねない。
だから、明日になったら、もう少し冷静になったら、きっと元の自分に戻るだろう。
そんな程度に思っていた。
私だって、今までそれなりに経験は積んでいるつもり。
たかがKISSの一つや二つくらいでどうこう騒ぐような子どもじゃない。
そのはずなのに…