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いちばんだいじ

日々の暮らしの中で、人生で。一番大事なこと、大事なモノを見つけるために

あまりにも突然に、それはやってきた…

2006-03-17 13:05:22 | だいじなひと
今までは「恋愛」が始まるまえに、予感みたいなモノがあった。
相手の自分に対する気持ちだとか、自分の相手に対する気持ちだとか、
そういうのが言葉にはしなくても何となく伝わりあって
「そうなるべくしてなる」というか。
でも、今回は、まったく違うものだった。

そもそも、飲み会をセッティングしたのは彼。
きっとそのときには、深い意味なんてこれっぽっちもなかったんだろう。
今までにも何度かそんな機会はあったし、そして何も起きなかったし。

最初、店にいたのは彼だけだった。
顔を見るのは久しぶりだったけれど、変わらない。
そのとき、私の中でも特にいつもと違う感情なんてなかった。
二人きりで先に飲み始めても緊張するわけでもなく、
冗談をまじえながら談笑する、ごく普通の元上司と元部下。
誰から見てもそんな感じだっただろう。

メンバーが揃いお酒も進んで、盛り上がって別の店へ。
そこでは隣に座ったけれど、それでも別にいつも通りだった。
アルコールが進むとともに、場はさらに盛り上がり、
ついにはまるで学生のようにみんなで肩を組むまでに。
と、なぜか私はとても切ない気持ちになって、
彼の体に触れた方の手に力を込めた。
ぎゅっ、て。
私に触れていた彼の手もそれに応えてくれたような…
でも、記憶は定かではない。

その帰りのエレベーターで、なぜか二人きりになってしまった。
他のメンバーが来ないまま、ドアが閉まってそのまま階下へ。
「KISSしよ」!?
いきなりだった。
そういう雰囲気ではなかった。
想定外だ。
いつも話すような感じで、いかにも普通のことのように、そんなこと言うなんて。
返事をするどころか考えることすらできないうちに、
気づくと、まるで何年もそうしてきた恋人同士のように自然に受け入れていた。
とてもやさしい、私の好きな感じのKISSだった。

あっという間に到着、ドアが開いた。
お酒と雰囲気に酔っていたのかもしれない。
いつの間にか手までつないでいた。
外に出ながら「好きです」とか何とか言っちゃった気もする。
(何言ってるんだ?私)
それを聞いたのかどうかはわからないけれど、彼が言った
「おまえとKISSするの初めてだっけ?」
ガガーン、である。

冗談でしょ?こういう人だったの??
もしかして、お酒が入るとKISS魔に豹変するくせが???
動揺しながらも肯く私。
さらに続けて「じゃあ、もう1回、さっきの階まで上がって(着くまでにKISS)しよう」
え~っ!?×△○☆◎…
相変わらず、ごく当たり前のことのように普通の調子でそんなことを言う彼。
そして促されるがまま、もう一度エレベーターへ。
そして2度目…着くまでの時間は、さっきよりひどく短い気がした。
ドアが開いて、何ごともなかったかのように他のメンバーが乗ってくる。
ひとりドキドキしていたけれど、お酒が入っているので、
さほど不思議な行動とも思われていないみたい(たぶん)。

みんなと別れて、私一人、違う方向に帰った。
別れ際、彼に「今度は二人で高級イタリアンに行きましょうねっ」と、
冗談めかして言ったら「おぉ、わかった」。
果たして、明日まで覚えているんだろうか…?