スーパーパントマイムシアターSOUKI ブログ

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あるき続けるんだよ

2023-09-18 18:33:06 | パントマイムライブ

ライブでは、ずっとソロの作品をさせていただいていたのですが、

今回は江ノ上さんの作品に参加させて頂きました。

江ノ上さんからは、存在感のある強烈な?見た目(衣装)と

キャラクターを持つホームレスの老婆とのオーダー・・・・・

今までにないオーダーのされ方に私は五里霧中、右往左往状態。

作品もやることもよくわからないまま、衣装を決め、ウィッグを作ったり、

歩き方を考えたり・・・キャラクター創り。

1回目のリハーサルで「歩き方も存在も軽すぎる」とダメ出しがあり、

そこから、私と老婆の悪戦苦闘が始まりました。

たまたま、バレエクラスが夏休みでスタジオが空いていたので、

毎日、毎日、一人でスタジオを歩きながら、老婆の人生を生きてみました。

楽しく笑いながら軽やかに歩いたり、苦しみや怒りで固まった身体を引きずるように歩いたり、

狂わんばかりの悲しみに感情もなくただ涙を流しながら歩いたり・・・・・

自分の人生を呪い、他人を羨み心が砕け散る。

その欠片を一つ一つ拾いながら、老婆は何を思い、悟ったのか?

そんな自分でもよくわからない稽古?を2周間近く続けました。

 

私の出番は作品の後半。

舞台の下手から傘をさし、上手へ歩く。

上手から下手へ歩く。

その途中で

男(江ノ上さん)が絶望という暗い穴に落ち、寒さに震えている姿を見て

老婆は「辛くとも、立ちあがって、歩くんだよ。歩き続けるんだよ。」と思いを託し、

男の前に黙ってコートを置き、袋を抱え、下手へ歩き去る。

そのあと、また、下手から上手へと歩く。

 

終演後、このお婆さんで物語が出来そうだねという感想を頂きました。

大袈裟な演技やマイムのテクニックもない、「歩く」という行為で

ひとりの人の人生感を表現する。

まだまだ私では力不足の大役でした。

 

また、今回の衣装のスカートは20年近く前にメンバーのソロ公演の為に作ったもので、

本公演でも江ノ上さんが地獄の老婆の役で使った衣装。

まさか、自分が着るなんて・・・

タフタやチュールやバックサテンのロングスカートを重ねて作ったので

とにかく、重くて暑い。

毛糸で作ったナンチャッテウィッグも暑く、

ビーズの上着も重くて暑い、

そのためか?・・・、私やパネル操作のリハーサルは1回30分でした

 

灰色の街〜エピソード0〜 

人生、何があっても前を向いて歩きつづけなきゃね。

 

パントマイム、面白いなぁ。これだから辞められない(^o^)

 

スーパーパントマイムシアターSOUKI新関祐子