高発泡ウレタンは既述しましたように70倍~100倍発泡のウレタンのことを言います。
見かけはスポンジのようです。
これをコンクリート面に内断熱すると関東以西の気候でも結露やカビの問題がほぼ確実に発生します。
ただ、いくらなんでもウレタンメーカーは高発泡ウレタンをコンクリート住宅に推奨するとは思えません。
理由は既述したように高発泡ウレタンはコンクリート建造物とはまったくあわないからです。
コンクリートの場合、一般的には30倍前後のウレタン発泡を使います。
30倍発泡のウレタンなら、地域や地理条件、
使い方によって問題が発生するケースとしないケースがあります。
北側の壁面で窓に近い部分、
特に床側もしくは天井のベランダ付近と窓の間が
ヒートブリッジになりやすいのでカビが生えやすくなります。
また、水蒸気が発生しやすい海や湖、川の近くで背面がすり鉢状になっている地形でも
水蒸気が溜まりやすく結露発生が多くなります。
特にコンクリートが外気に冷やされ、
熱の進入路になるベランダや窓周りが要注意です。
ドイツのフラウンフォーファー建築研究所が開発したWUFI(ヴーフィー)というソフトなら、
計算だけで判断する定常計算でなく、
時間も考慮した非定常計算で、
将来3年分の蓄積水分を計算できます。
しかも全国480ヶ所の気象データ内で出来ますので
壁構造が分かれば大体の目安になります。
まあ、たいていの計算ソフトでもコンクリートに
20~30㎜発泡ウレタンを吹きつけた程度では
冬季結露が壁体内に発生する確率は高いです。