移日々之事物

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心の欲望

2007-03-06 22:46:39 | Weblog
あなたはなんでもひとつ、形の有無にかかわらず何か望んだものが得られるとしたら何を望みますか?

人が生きていくうえで欲望を分離することはかなわない。どんな人間でも何らかの欲をもって生きている。

しかしながらこうして欲だとか欲望だとかいう言い方でぱっと思いつくような俗っぽいものではなく、心の深奥にあるものを考えてみてほしい。私が最初の一文で『形の有無にかかわらず』と書いた理由はそこにある。

他者に愛されることを望むものもいるだろう。永遠の命をと思うものもいるだろう。その望みの根底に何があるのか。何を望むがゆえにそれを欲するのか。また心のそこから欲しているものが真実それであるのか。

どんな人間でも欲望はある。だが心の奥の奥まで潜ったときに欲するものはおそらく各人それぞれが一つずつの絶対的な何かを持っているのではないだろうか。

それはおそらくその人間の真実。生きていくうえでの道標。私はそう考える。

どんな人間でもその絶対的な欲を満たすために生きていくのではないだろうか。自らの心のもっとも深いところに存在する求めに従って行動するのではないだろうか。

問題なのはその存在は幾重にも閉ざされ、自分自身ですら理解し得ない己の中に秘されているということか。どんなにそれを知ろうとしても一朝一夕で察することはできないことだろう。

そう考えると人は自らの真実、絶対の欲を満たすために生きていながらもそれを理解できずにあがいているということになる。人という生き物の無様さはそこに起因するのだろうか。

少々話がそれたが、自らの生きる道標を見つけてみるのはどうだろうかと私は言ってみようかと思う。それは簡単に知り得ない事柄ではあるが、自らの生を納得のいくものとするためには必要な行為ではないだろうか。