潟東減農薬米生産者の会日記 URL http://yamagara-club.com

昭和63年設立の個人経営生産者組織
会の別名称 「やまがら倶楽部」
会員数14名
業務提携先 丸山光一商店

いもち病と長梅雨

2009-07-30 15:28:39 | 日記

  (西蒲区のシンボル角田山も厚い雲に覆われる)

 今年の夏はペルー沖のエルニーニョの影響で日本列島は夏の太平洋高気圧が弱

く、厚い梅雨空の雲に覆われた冷夏となっています。日照不足と冷夏の影響で各地

に稲の大敵イモチ病の発生が伝えられています。当地区でもよく観察されている農

家からイモチ病や紋枯病が発生しているとの情報が多くなってきました。


 当会は過去にイモチ病の防除をしなくとも特に困る事は無かったのですが、これ

からの状況しだいでは農薬の使用を考慮しなければいけないかもしれません。総合

生協の統一栽培基準では特例措置として、病害虫等で重大な被害が予想される

場合には、産地と総合生協で協議し対策にあたる事になっています。当会の農薬使

用成分数は4成分のみとなっているので、県認証特別栽培米の基準農薬成分数9成

分の半分以下であるため、防除が必要となった場合でも変更届けを提出すれば特別

栽培米の基準に特に問題ありません。しかしこのまま防除をしなくても済む事を願

って梅雨空を見上げています。当会の圃場はイモチ病が出やすい葉色や生育はして

いません。ラジコンヘリの防除除外区域で従来コシヒカリを栽培していても、健全

な生育状況であるなら防除の必要は無いと願っているのです。

雑誌 Agrizm 創刊

2009-07-29 20:09:28 | 日記


 米価の低下と高齢化の進展で、若い担い手・後継者が本当に少なく、日本農業に

とって危機的な状況の中でも全国には稲作農業経営に挑戦する20代・30代の若

者は多くいます。農業技術通信社(月刊誌、農業経営者を発行)では一般的にダメ

な産業と思われている農業に挑戦している若者にスポットを当てた雑誌Agrizm(ア

グリズム)を創刊しました。厳しい状況の中でも自身の将来や農業の未来に夢を持

って取組んでいる内容はとても参考になりました。

県認証 精米確認者

2009-07-28 16:59:27 | 日記
  
          (県担当職員による書類審査)

 7月28日は24日に実施出来なかった当会の新潟県認証特別栽培米の精米確認

者(丸山祐)の県職員担当による審査が行なわれました。当日は丸山商店が精米業

務を委託している(有)潟東こがね会(星野喜一代表)とオブネット代表武田金栄氏

の3名で新潟県認証特別栽培米の審査を無事終えることが出来ました。

  
      (丸山商店精米プラントも県認証米の確認対象です)

 精米確認は丸山商店五之上の精米所でも行なわれ、精米プラントと保管施設の確

認。一般米と特別栽培米との精米・保管が明確に区別されているか。認証シールや

標示票のチェック等も行なわれました。

新潟県による特別栽培米の審査

2009-07-25 16:50:45 | 日記
 7月24日は新潟県担当職員4名による当会の新潟県認証特別栽培米において大

切な確認、審査が行なわれました。当会からも栽培責任者(会長)や確認責任者

(丸山賢)精米責任者(渡辺)と副会長(高木)の4名が出席しました。精米所の

確認は精米確認者(丸山祐)の都合で7月28日に再度行なわれます。



 旧潟東村役場で帳簿や関係書類の審査が30分程あり、その後の圃場確認は5~

6箇所を無作為で選んで行なわれました。内容は看板の設置とその内容の確認。

畦畔に除草剤が散布されていないかなどの圃場状況の確認です。



 1時間30分で問題なく無事終了しました。

ラジコンヘリによる防除

2009-07-23 17:29:32 | 日記


 当会のある旧潟東村一般栽培の圃場はラジコンヘリの空中散布によるカメムシ類

やイモチ病の防除を年2回行なっています。当会の圃場は栽培指針の関係で当然、

防除除外区域となっています。当会以外にも旧潟東村では特別栽培米に取組んでい

る農家が多かったり、反当り約4千円の防除費等がネックとなり防除除外区域はか

なりの範囲になっているようです。数年前までは大型ヘリによる一斉防除が行なわ

れていましたが騒音公害など、色々な問題が発生したため中止となりました。




 7月21日から始まったラジヘリによる空中散布を観察してみました。一台のラ

ジヘリには操縦士の外に数名のスタッフが係わり、薬剤の調整や圃場の確認作業な

どが行なわれ、防除除外区域との境界も思いのほかキッチリ区別されていました。


 稲作の病害虫防除の評価は避けますが、生産者には農薬使用のルールを守った上

での選択肢がいくつかあるのは良い事だと思います。当会としては長年減農薬での

栽培を継続してきた実績と自信で消費者の方より評価して頂いています。


 




皆既日食

2009-07-22 11:51:22 | 日記

  新潟でも薄い雲を通して部分日食が見れました。

 今夜はテレビで皆既日食の素晴らしい自然現象の映像をじっくり見てみたいと思

います。


穂肥の工夫

2009-07-20 16:46:28 | 日記
 稲作にとって穂肥の施用は品質や食味に直結する大切な作業です。当会の栽培指

針は平成19年産米、20年産米、そして21年産米と毎年少しずつ微調整してよ

り品質と食味の向上に努めています。当会の穂肥の栽培指針の移り変わりは下記

の通りです。


              ○平成19年産米
・第一回穂肥  出穂25日前  農魂743  20kg(N成分1.4kg)
・第二回穂肥  出穂15日前  農魂743  20kg(N成分1.4kg)
                 (穂肥のトータルチッソ成分は2.8kg)

 穂肥を早く施用し、早めに切り上げる。タンパクの値が低く、食味値は魚沼産コ
シヒカリに近い高食味米に仕上がった。但し登熟後半に栄養不足となり、心白・腹
白がやや多く、くず米の発生も多かった。



              ○平成20年産米
・第一回穂肥  出穂25日前 農魂743  15kg(N成分1.05kg)
・第二回穂肥  出穂15日前 農魂743  15kg(N成分1.05kg)
・第三回穂肥  出穂5日前  農魂743  10kg(N成分0.7kg)
                 (穂肥のトータルチッソ成分は2.8kg)

 一回の穂肥施用量を少なくし、三回に分けて施用。登熟後期の栄養保持を考慮。
19年産米より心白や腹白は減少し品質は向上、くず米も少なくなった。但し玄米
タンパクの値は平均で2~3点悪くなる(一般栽培米よりは上)



              ○平成21年産米
・第一回穂肥  出穂23日前  農魂743 15kg(N成分1.05kg)
・第二回穂肥  出穂15日前  農魂743 15kg(N成分1.05kg)
・第三回穂肥 出穂5日前 ミネラルユーキ443 10kg(N成分0.4kg)
                 (穂肥のトータルチッソ成分は2.5kg)

 穂肥チッソ成分のトータルを0.3kg減らす。後期栄養はより低く長くし、ミ
ネラル成分の併用とオキサミドによる根の活力向上により高品質と高食味の両立を
目指します。



 同じ様な穂肥を少しやり方を変更した位で品質や食味に大きな差は無いと思いま

すが、僅かな差を一つ一つ大切にして、少しでも前向きに米作りに取組んでいく事

が後で大きな差となるでしょう。




ごま葉枯病と栄養

2009-07-18 09:16:08 | 日記
 丸山商店の取引先農家で、こがねもちの五割減減栽培に取組んでいる圃場でごま

葉枯病が発生しました。ごま葉枯病はいもち病に似た病班が下葉に発生し、後に穂

にも移行して穂枯れとなり、収量と品質を低下させる怖い病気です。発生原因はチ

ッソ過剰で発生しやすいイモチ病とは反対で、栄養不足、特にカリ欠乏・チッソ欠

乏の圃場で発生しやすい様です。対策としては施肥の見直しや根の機能を向上させ

る水管理と薬剤での防除を行なうとなっています。近年新潟県内各地で特に五割減

減栽培や地力の低下した大豆転作後の圃場でのごま葉枯病の発生したケースがある

そうです。肥料価格高騰の折、その対策としてPK成分の少ない肥料が広く普及し

ていますが、土壌改良資材の施用や根の活力を高める水管理を怠るとごま葉枯病の

様な新たな問題が発生します。稲も人間も栄養のとり過ぎは健康によくありません

が、無理なダイエットもかえって良くありません。


 当会では疎植と深水栽培、NPK成分とミネラル成分のバランスのとれた肥料設

計で健康な稲作りによる減農薬米栽培を行なっています。

総合生協各配送センター

2009-07-17 16:04:55 | 日記
 当精米所で製品化された特別栽培米は新潟市内に3箇所ある総合生協の各配送セ

ンターに月曜日~金曜日までの毎日配達されます。各センターには「クルコ」ブラ

ンドの数多くの商品を振り分けたり、配送するためのスタッフが大勢忙しそうに働

いています。細かい商品を間違いなく各家庭に宅配するのは大変な仕事だと思いま

す。各センターには他の米産地の米も置いてあり、ついでにお米の出来具合や包装

のやり方等もチェックしてきます。配達は五之上の精米所から出発して2時間かか

ります。


         東センター(竹尾)


 生産者協議会の事務局もある黒埼物流 (流通センター)


         西センター (流通センター)

生育調査 7月16日

2009-07-16 17:29:55 | 日記


 当会のコシヒカリ調査圃場は幼穂が5~10ミリで、出穂20日~18日前と推

定されます。有機100%農魂743はすでに出穂25日前に反当り15kg施さ

れ、二回目の穂肥も出穂15日前を目安に15kg施用する予定です。一般栽培の

コシヒカリは今度の土日が第一回目の穂肥時期となるでしょう。一般栽培より約7

~10日も早い穂肥は倒伏が心配ですが、疎植・深水栽培で使い慣れた農魂の肥効

を考慮しているので心配いりません。(天候の事もあり本音は少し心配してます)



   ・幼穂は5~10ミリ (出穂前20~18日)  
   ・第五節間は3.5cm (5cm以上は倒伏)
   ・草丈は75cm  (標準的。深水を続ずけた割には長くない)   
   ・第三葉長は41cm (45cm以上だと倒伏)
   ・SPAD  34.5 (農魂の肥効でやや濃い)

 

 疎植栽培と農魂743の緩やかな肥効で一般栽培の圃場よりボリームがあり、葉

色はやや濃いが、健全な生育状況です。

会津喜多方ワーコム会

2009-07-15 16:33:36 | 日記
 昨年より丸山商店とお米の取引をさせて頂いている福島県喜多方市の(有)中野商

店の「会津喜多方ワーコム会」御一行21名が会の研修旅行で当会の圃場と当店の

施設を視察されていきました。


       (会津喜多方ワーコム会御一行)

 私にとって各地を視察する事は度々ありましたが、視察される側になるのは初め

ての経験です。昭和63年に設立以来22年間の当会の取り組みついて吉崎会長は

長年の熱い思いを語っていました。視察された皆さんはどの様に感じたのでしょう

か。疎植・深水栽培の当会の豪快なコシヒカリに「この姿で倒伏しませんか?我々

の地域ではカメムシの防除をしないのは考えられない。」等、多くの意見が出てい

ました。


  (遠路よりのお客様に熱い思いを語る吉崎会長)

 会津地方は飯豊連峰からの冷たくきれいな水と魚沼に似た気象条件で美味しいコ

シヒカリを作るのに良い条件に恵まれています。その中で堆肥や生ワラの醗酵を促

進させるワーコム菌と天然ミネラル肥料キーゼライトの施用を栽培の中心に据え、

「ワーコム米」として関東地方に販売ルートを持つ(有)中野商店は大変元気のある

米穀集荷販売業者です。


           (会津産コシヒカリ)

 今回の視察に際し、当会の特別栽培米コシヒカリと会津産コシヒカリを交換して

食べ比べましょうと提案しました。残念ながらワーコム米は完売したため一般の会

津コシヒカリとなりましたが、新潟県産コシヒカリの強力なライバルである会津コ

シヒカリを譲っていただきました。食味の差はいかがなものか興味があります。

 越後と会津、良い意味での「天地人対決」となりました。
  

長寿集落(三方)

2009-07-14 08:25:48 | 日記
 当会会員の大半が在籍する旧潟東村三方集落は長寿の方が多い事でも有名です。

数年前、約100戸の世帯数で男性御一人を含む100歳以上の人が4名も在籍さ

れていたのです。「100歳以上の人の割合は多分、日本一ではないか?」と言わ

れていた時期があったのです。新潟平野の真中で、集落の周辺は田んぼだけの平凡

な環境ですが、何故か元気なお年寄りが多い集落です。


 当会会員の揖斐仙太郎さんは昭和8年生まれの76歳ですが、現役バリバリの生

産者で、4ヘクタールの農地で特別栽培米を作っています。今の時期、重い動力散

布機に有機肥料「農魂」をタップリ入れて穂肥を散布し、若い人でも敬遠したくな

る畦畔の除草作業は草刈機で行なっています。当会の懇親会の席でも美味しそうに

お酒を飲まれ、二次会にも必ず参加されます。その温厚なお人柄と農作業に対する

姿勢は会員の皆さんからも尊敬されています。

 新鮮な野菜と減農薬米を食べてこれからも元気に農作業に励んでいただきたいと

思います。100歳の人から見たらまだまだ若い訳ですから。

畦畔の除草

2009-07-11 18:05:53 | 日記

     (除草作業に励む渡辺好会員)

 
 当会の栽培指針では茎葉除草剤の使用は禁止されています。総合生協の栽培基準

でも同じく茎葉除草剤は使用出来ません。当会の新潟県認証特別栽培米の栽培面積

は約320反・150箇所にもなり、畦畔の総延長はおよそ25kmになります。

 (越後曽根駅~新潟駅間は約23kmあります。歩くと約5時間掛かります) 

 
 ほとんどが兼業農家である当会の会員にとって除草作業は大変ですが、怠れば減

農薬栽培であり、カメムシや紋枯病の被害が大きくなる恐れがあります。黄色に変

色した一般栽培の畦畔を見ながら仲間同士励ましあいながら夏の日々、除草作業に

取組んでいます。

「農魂のおかげ」

2009-07-10 16:53:07 | 日記
 当会は新潟平野のほぼ中央部のいわゆる平場に位置し、正直産地としては食味評

価のあまり高い地域ではありません。しかし、昭和63年より減農薬だけではなく

美味しさにもこだわり、土作りと有機肥料による栽培を継続して20年以上経過

し、今では食味に関しても高い評価を頂いています。美味しい魚沼産コシヒカリに

は及ばないが、岩船産には負けない食味との評価を頂いています。お米の食味は

色々な要素が係わっていますが、土作りと使用する肥料が大きなウエートを占めて

います。丸山商店の取引先生産者には多くの米作りに熱心な方がおられますが、そ

の中でも、江南区のKさんや三条市のSさんは特に熱心に美味しい米作りに取組

み、土作りと肥料の選定にこだわりを持ち、自分のお米は直接消費者に販売されて

います。お二人とも美味しいコシヒカリを作るのにはどうしたら良いのか常に研究

を惜しまない方です。

 当会の会員が「俺たちの米がうまいのは有機肥料農魂のおかげだ」とよく言われ

ます。長年、土作りと肥料にこだわって栽培した結果、条件の必ずしも良くない当

地区でも消費者との交流会を通じ「美味しいお米ですよ」と評価していただいてい

るのは大変有難い事です。経済性を考え経費の節減も大切ですが、美味しい米作り

とそれを評価して下さる消費者の存在が日本農業を支えてくれると思うのです。





生協さん圃場確認とイトミミズorユスリカの調査

2009-07-09 08:33:29 | 日記
昨日の午後より、生協さん圃場確認とイトミミズorユスリカの調査がありました。

圃場の確認は問題もなく無事パスできました。


(高木会員の37株の稲姿。すごいボリュームです)


イトミミズorユスリカの調査は毎年同じ場所の土壌を採種し定点調査します。




(持ってきた土壌を目の細かい網に入れて水ですすぎます)


(残った土壌を観察用の白いパレットに入れ水を注ぎます)


(土壌をほぐすとイトミミズやユスリカが動き始めるので数を数えます)

結果・・・1パレに平均7~8匹のイトミミズ。多くて14匹。
     ユスリカは1~2匹とあまりいませんでした。(羽化した後)



 これを田んぼ一反と計算すると約数千万匹のイトミミズ等がいる事になるそうで

す。これは長年、減農薬有機栽培を続けてきた結果であり、土壌が肥えて豊である

証拠だそうです。