潟東減農薬米生産者の会日記 URL http://yamagara-club.com

昭和63年設立の個人経営生産者組織
会の別名称 「やまがら倶楽部」
会員数14名
業務提携先 丸山光一商店

大谷進さん退会

2011-02-25 16:16:55 | 日記
 長年当会の会員であった大谷進さんが退会する事になりました。米作自体をやめる訳ではないのですが、近年体調がすぐれず、栽培指針にある畦畔除草に除草剤が使用できない事が大きなネックとなりました。夏場の除草作業は結構キツイ作業です。以前バスタ等の除草剤を使用する場合と作業面での負担の割合を大まかに比較した事があります。

 結果、除草回数は二倍、作業のスピードは五倍は必要で、トータルで除草剤を使用する場合の十倍の労力が必要との見積でした。近年畦畔が除草剤で黄色く変色している事が指摘されていますが、生産者としてはなるべく労力を軽減したいと思うのは人情です。

 クルコのエコ米の栽培指針では畦畔の除草作業は鎌か草刈機で行う事が明記されています。しかし一年を通じての農作業では一番負担の大きい作業でもあります。クルコのエコ米価格の中で、畦畔の除草作業の大きな負担に対する対価の部分が一定額占めていると思います。

 大谷さん、長年に渡る減農薬米作りご苦労様でした。これからも健康に留意して一年でも長く米作りに励んでいただきたいと思います。尚、大谷さんの作付面積が減少した分は石井浩徳会員の一般栽培面積のコシヒカリを当会栽培指針でカバーし、出荷していただく事になりました。

叶芳和先生からのメール

2011-02-19 16:56:49 | 日記
 経済学者で農業問題と中国問題を研究されている叶芳和先生からメールを頂きました。叶先生は丸山商店の取引先である㈱冨山の主催する会合に何度か講演され、主な著書には『農業・先進国型産業論』などがあります。先生の持論は要約すると、農業も構造改革を進めていけば、産業として自立できるとの考え方です。1980年代に発表した論文ですが、先生の予想よりも改革のスピードはゆっくりですが、進む方向性は間違っていないとの事です。

 先生と私は3年程前、冨山社長の主催で、中国の重慶と上海に一緒に行って来た事があります。その数年前には丸山商店に来店していただいた事があり、農業の現場の様子を取材されていきました。それらの縁で今回直々にメールを頂いたと思います。その内容は、最近注目されている中国への日本米の輸出についての分析でした。結論としては価格を含めた中国市場への日本側の体制整備がうまく行けば、100万トンの輸出も可能であるとの内容でした。

 弱い産業だから保護するのではなく、強い産業になれる条件を持っているから支援する。輸出100万トン目指して体制整備をしてはどうか。との結論になっていました。

 

 

クルコのエコ米学習会と試食会 2

2011-02-15 18:52:26 | 日記
 2月15日(火)総合生協東センターの調理室でクルコのエコ米の学習会が開催され、吉崎会長の代理で丸山が出席してきました。昨年の12月に続いて2回目の参加です。予定していた参加者はインフルエンザの影響で12名と少なかったのですが、皆さん熱心に当会の活動内容やクルコのエコ米の栽培について聞いていただきました。




(総合生協東センターの調理室で行われました)


 人前で話をするのは苦手ですが、お米の栽培に関する事になりますと、ついつい饒舌となり、時間をオーバーして当会のお米のPRに力が入りました。参加して下さった奥様はどのような感想を持ったのか気になります。


昼食は普通のエコ米コシヒカリと一分づきしたコシヒカリの試食を行い、参加された主婦の方々からは「美味しいお米と好評でした。」おかずは牛肉ステーキとゆで卵、シチューです。

生産者と消費者が直接対話が出来る貴重な体験でした。



農政の勉強会

2011-02-11 08:33:29 | 日記
 2月9日(水)農業評論家土門剛さんに誘われて東京へ農政の勉強会へ行ってきました。永田町の全国町村会館に全国から約100名の米生産者や農業関係業界の方々が参集し、農政の制度設計を担当している農水省の官僚から直接話しを聞き、懇親会では、北海道、岩手県、栃木県、滋賀県、熊本県の方々ともお話をする事が出来て非常に有意義な一日でした。


(東京駅から歩いて国会議事堂の脇を通り、会場へ)


          内容は多岐に渡りましたので要点を箇条書きにまとめました。

1、TPP問題は日本の経済や仕組みがアメリカの53番目の州になる位の大問題で、その影響は計り知れない。農業も大きな影響を受け、その対策費用で3兆円は必要。締結するかは五分五分。但し、米の生産に限っては、水資源などがネックとなり、アメリカやオーストラリア産のジャポニカ米が大量に日本に入ってくる可能性は低い。

2、トレーサビリティ法とは栽培履歴の問題とは関係なく、お米のなど流通経路をはっきりさせる為の法律で、お米の年産や産地などの記帳している納品伝票や請求書を保管して、なにか問題が起きた際、商品の流通が特定できるのに必要な法律です。我々が普段あたりまえにやってきたことで、農家は自分のお米を出荷する祭、業者が発行する伝票を3年間保管しておけばそれでOKとなります。流通がはっきりすれば未検査米でも産地標示出来るようになる方向だそうです。

3、戸別所得補償制度の22年産変動部分の金額は今月中に決定する。国の財政問題と政権の対応で現在のシステムは1~2年で破綻する可能性。今後は経営面積要件など対象を絞った補償に移行するのではないか。その際、補償を受けられない生産者からの離農が多く出るのではないか。農地価格も更なる下落へ向かう。

4、中国向けの輸出が期待されているが、期待されているほど輸出は多くならない。反面、日本向けに中国産米が大量に入ってくる可能性も低い。


                  研修会終了後の懇親会での内容は

1、数年前の品目横断対策時に岩手県では多くの集落営農が誕生したが、その8~9割が破綻しそう。大きな社会問題となっている。

2、北海道、栃木県、熊本県の30代前半の肥料商後継者の中に、将来を見据えた戦略で努力している優秀な人材がいた。

3、農業法人にも優秀な若手の人材が育っている。そんな人に限って現在の状況をチャンスと捉えている。

4、「新潟県は恵まれていますね~。」との言葉を何度か掛けられました。その言葉の本音は「高米価の新潟県はそんなに努力しなくてもやっていけるかもしれないけど、いつかは追い越してやるぞ」との意味合いに感じました。

5、誰かが言っていました。「法律は守らなくてはいけないが、制度には安易に乗るべきでない」  
  



ライス・ファーマーズの例会

2011-02-08 19:02:43 | 日記
 土曜日は当会の通常総会と新年宴会が会員全員参加して開催されました。総会は予定した時間を30分もオーバーし、熱心な審議を行い、23年度も美味しいお米の生産に励む事を決議して終了しました。

 私(丸山)は明日、日帰りで東京の永田町まで出張して農業評論家土門剛さん主催の研修会に行って来ます。土門さんより直々に電話でお誘いを受けて出席する事にしました。内容は前農林水産大臣である山田正彦氏をゲストスピーカーにお招きし、現職の農水官僚の方々のお話しもあり、TPP問題・戸別所得補償制度や米のトレーサビリティの現状や今後の日本農業の行方など4時間に渡り内容の濃い研修が期待できます。

 出席者の人数やメンバーは不明ですが、全国の生産者や農業関係者が多数参集するものと思います。土門さんのお話しは一般の新聞などでは知る事の出来ない我々業界の裏話や関連業界に対する辛口なコメントと今後に対する期待など何時も参考になるお話しが多くあります。久しぶりの東京行きが楽しみです。

本日は通常総会

2011-02-06 10:29:29 | 日記
 2月6日(日)は当会の通常総会が割烹長吉で行われます。議案としては22年度の会計報告と活動報告、23年度の予算案審議と活動計画、23年産の栽培指針決定などが予定されています。当たり前の事ですが、あらゆる組織には組織のルール(規約)があり、明朗な会計報告が欠かせません。当会も現体制で再出発してから4年経過しましたが、会としての運営は順調に推移して来ています。

 今後の大きな課題としては、米作り農業を巡る環境の変化に応じた経営基盤の強化であり、会を担う後継者の育成の問題だと思います。時代の変化を感じ取りながら、少しずつでも会員の皆様の期待に応えられる会運営を行う事が大切だと思います。

 総会終了後は新年会宴会を行います。当会の賛助会員であり米山正会員の弟でもある、前県会議員の米山昇さんと昨年からの当会の「やまがら米」の取引先である㈱アートプロポーションの原社長も出席の予定です。

JAとなみ野、来店

2011-02-03 16:21:48 | 日記
 丸山光一商店では当会(潟東減農薬米生産者の会)で使うコシヒカリの種籾を、近隣の農家より注文を頂いた分を含めて従来種は富山県のJAとなみ野より仕入れています。(BL種は新潟県種子協会よりの仕入)

 毎年この時期、JAとなみ野稲種委員会のメンバーが訪問されます。そして新潟県内の動向を調査され、丸山商店からも品質や価格面などの要望を伝えています。昔から「種子の里」として有名なJAとなみ野の種籾は高品質な種籾を生産するのに適した気象条件と厳しい栽培管理と品質管理で高い評価を受けています。

 持参された資料によりますと約400戸の農家が500ヘクタールの圃場で種籾を生産され、約2500トンを全国の米農家に出荷しています。2500トンの種籾で生産されるお米は推定で約40万トンにもなります。先人の努力と先見性により、高付加価値な種籾生産で毎年同地区に大きな利益をもたらしているのです。

 22年産の種籾は富山県でも夏場の猛暑の影響を受けて例年より全品種が休眠が深く、昨年産より発芽率もやや低下しているそうです。従って下記の事項に注意をして下さい。(新潟県産の種籾も同様)

1、浸種温度の適正値(10~15℃)を確保する。

2、浸種日数を2~3日長く確保する。

3、酸素不足防止のため、浸漬時の水はは2~3日に一度交換する(浸漬後半及び高温時は毎日)。

4、催芽状態(催芽終了時、ハト胸~芽長1~2ミリを80%以上)を確保し、播種する。

5、割籾の発生が確認される種子の消毒は、温湯処理は実施せず、化学農薬で行う。

    
 となっています。