潟東減農薬米生産者の会日記 URL http://yamagara-club.com

昭和63年設立の個人経営生産者組織
会の別名称 「やまがら倶楽部」
会員数14名
業務提携先 丸山光一商店

GOPAN (ゴパン)

2010-07-31 08:24:50 | 日記
 家電のSANYOより、お米から簡単にそのままパンを作る事ができる装置が10月8日に発売されます。最近は新規需要米の米粉が脚光をあびていますが、家庭内で簡単にお米からそのままパンを作れたら画期的な発明だと思います。

    
          (SANYOのHPからGOPANを調べる)

 米(稲作)にたずさわる仕事をしている身には、国内のお米の消費量が年々減少していくのは面白くありません。食の多様化や人口減少と高齢化社会など、時代流れで仕方の無い事だとは思いますが、日本の稲作が少しでも元気になってほしいと思っている中で、久しぶりに明るいニュースです。

 10月8日は私の誕生日です。今から家電販売店に自分で自分の誕生日プレゼントを予約しておきます。

食味コンテストに申込む

2010-07-29 10:40:24 | 日記
 久しぶりの雨でした。猛暑が続き、稲の生育が早まっています。コシヒカリも止葉が出て、もう直ぐ走り穂が出そうです。当会では80アール分のコシヒカリを違う栽培方法(堆肥+土改剤+光合成細菌)で食味コンテト用に栽培しています。結果が良好ならば、23年産の栽培の参考にする試験栽培も兼ねています。

 
茎数が少なく(坪42株植えで平均20本位)太陽光線が根元まで届いています。葉色は周りのコシヒカリより現時点ではやや濃いが、倒伏の心配は無いと思います。現時点の栄養状態はまずまずだと思います。



本日、静岡県で行われる「お米日本一コンテストしずおか2010」に正式に応募しました。出展したのは当会の一般的な栽培指針で栽培したコシヒカリと上の写真にあるコンテスト用に栽培しているコシヒカリの2点です。

同コンテストは22年度で7回目となり、静岡県が主催し、農林水産省が後援しています。更に特別協賛としてサタケ等の各食味機械のメーカーも参加し、毎年全国の食味に自信のあるお米が300~400点応募されます。審査は一次審査~三次審査(最終審査)まであって、書類審査、食味機械審査、最終審査はお米の専門家による官能審査を経て順位が決定します。

当会のコシヒカリは現時点で生育は順調ですが、葉色がやや濃い状況で、上位を目指すには食味計による玄米タンパクの値が高くなることが懸念さます。但し今から栄養不足では粒張が劣り、本当の美味しいお米にはなりません。その辺が米作りの難しさです。今後の重点管理は根の活力を重視した水管理が大切になります。理想的にはもう少し葉色が薄く、出穂後も栄養不足にならないで経過できればと思うのですが、自然相手の米作りでは思うようには行きません。秋の稲姿が楽しみです。

「米王国新潟県」も静岡県を遥かに上回る規模で全国・世界を意識したお米のコンテストを開催したら如何でしょうか。

精米工場を視察する

2010-07-16 16:34:23 | 日記
 昨日と今日の2日間で新潟県内3ヶ所の精米工場を視察しました。名称は伏せますが、一つは県内でも屈指の大きな精米工場で、もう一つは中堅の精米工場。もう一箇所は5馬力の精米プラントで営業している個人のお米屋さんです。規模は違いますが、それぞれの立場で年間を通してお米を消費者の皆様にお届けしている訳で、当精米工場としても大変参考になりました。

 製品としての精米(玄米)に斑点米や米糠などの異物が混入していたりするとクレームの対象となります。特に夏場は糠の臭いに誘われてやって来る虫の対策など年間を通してクレームの無いお米の供給には大変苦労します。

 今回の視察では大・中・小の各精米工場とも共通の問題を抱えていました。その対策として標準の精米プラント設備にプラスして高額な色彩選別機を2台連結して異物の選別を行なっていたり、昇降機にゴミを取り除く装置である集塵機を取り付けている精米工場もありました。

 精米工場内は3ヶ所ともよく清掃がなされ、防虫対策、鳥対策、ネズミ対策もされていました。もちろん低温倉庫の設置は常識です。安心で安全なお米を一年間通して供給していくには、それなりのコストと高い意識、技術が必要だと改めて感じたのです。当精米工場も総合生協や大切なお客様から、もっと信頼される精米工場を目指そうと思ったのです。
 

食味コンテスト出展の圃場

2010-07-14 15:44:05 | 日記
 当会では22年産米のコシヒカリを全国の何処かの食味コンテストに出展する予定で80アールを違う栽培指針で栽培しています。今後の栽培指針の試験栽培でもあります。写真の田んぼの学校の手植え圃場(約20アール)も試験田です。



 苗や農薬は栽培指針と同じですが、肥料は「ボカシ大王」と「ホスビタ」の元肥だけで、PTB紅菌を田植え後と出穂30日前、出穂直前の3回散布します。「ボカシ大王」は有機資材を醗酵させた堆肥の様な資材で、10アール当り元肥で60kg散布しました。チッソ成分で推定4.5kgの施肥量となります。当会の栽培指針でのチッソ成分は5.5kgを予定しているので約1.0kg少ないチッソ量となります。

 現在までの生育状況は化学肥料がゼロの影響で初期の葉色は6月下旬まで薄く経過したため、茎数は坪当り42株植えの疎植にも拘らず、20~25本程度でスッキリした稲姿となっていました。事前のイメージではこの薄い肥効を長く経過させて出穂期を迎え、低タンパクなコシヒカリを目指していました。

 ところが7月に入ると思いのほか葉色が濃くなり草丈も長くなりました。しかし茎の数が少なく、土壌改良資材「ホスビタ」とPTB紅菌の影響か茎太で根の張りも良好な、デンプン蓄積型の健全な姿となっています。



 葉色だけ見ていると倒伏しそうですが、健全生育デンプン蓄積型で穂肥は施用しないため、倒伏の心配は無いと考えます。登熟期以降の栄養状態がどの様に推移していくのか楽しみでもあり、食味と収量の結果がどうなるのか興味があります。

 






穂肥を見合わせ、PTB紅菌を散布

2010-07-10 14:38:16 | 日記
 当会のコシヒカリは幼穂形成期(出穂前25日)となっています。例年だと有機100%肥料の「農魂743」の散布適期ですが、今年のコシヒカリは茎数は少なめですが、葉色がやや濃い状態であり、草丈も長めで、このままでは倒伏の危険が大です。昨日から吉崎会長や高木副会長と相談し、その結果、会としては穂肥の施用を遅らせる事にしました。

 その代わり、会員の皆さんは栽培指針で予定していた光合成細菌資材「PTB紅菌」を土壌潅水します。PTB紅菌は稲の根腐れを抑制する為、倒伏に強く、対病性も強化し、秋落ちを軽減して品質と収量の向上が期待されます。JAS有機でも使用可能で、当会の様な減農薬栽培にはもってこいの資材です。

 田植え後の5月中旬、高木副会長の圃場で試験してみましたが、例年だと稲ワラの醗酵によるワキ現象が多い圃場で、PTB紅菌の効果なのか、明らかにワキ現象が少なかったとの報告を受けています。

倒伏に注意を

2010-07-08 18:12:49 | 日記
 育苗期と田植え後の低温の影響で遅れていた稲の生育は最近の高温と地力チッソの発現で、平年と比較して草丈が伸び、葉色も濃くなり、倒伏に対し要注意な稲姿となっています。今日(7月8日)の葉令を調べてみると、連休田植えのコシヒカリで出穂27日前となっていました。葉色の薄い稲は葉の長さ(第3葉)が40センチ位ですが、中には倒伏の危険が大きいと言われている45センチ以上の長さで、葉色のやや濃いコシヒカリも多く見受けられました。

 当会の穂肥は100%有機肥料の「農魂743」で、例年だと普通の穂肥より7日位早く施肥しても倒伏の心配は少ないのですが、今年の稲姿では慎重な穂肥対応が必要と考え、急遽、会員の皆様に「倒伏に注意、農魂743は遅め、施肥量も一回目は慎重に」との文章を明日に配布します。

 コシヒカリは倒伏に弱く、早く倒伏してしまったら品質や食味の低下は免れません。長年コシヒカリを作っている農家の方もそれは百も承知している訳ですが天候や生育条件、低収量により収入が減少する事もあって、特に穂肥の時期は毎年毎年悩ましい時期です。

 当会は特に米作りに熱心な農家が減農薬による栽培に取組んでいます。収量が減少する分は総合生協の方針により価格が保証されている為、高収量を狙うあまり、倒伏のリスクを負わせる様な多肥栽培はしていません。安心・安全をモットーに高品質で美味しい米作りに励んでいます。

穂肥

2010-07-06 16:45:13 | 日記
  
 有機100%肥料「農魂743」


ミネラル成分入り有機肥料「ミネラルユーキ443」

 美味しいお米作を作るには穂肥の施用法が非常に大切です。当会の栽培指針では穂肥を3回に分けて行います。甘みや粘りのある美味しいお米に仕上げるには穂肥の選択と施用方法が大切で、生産費は化学肥料を使用するよりも2倍以上掛かりますが、美味しいお米に仕上げるには、こだわった肥料の選択と使い方がとても大切と考えます。

 農魂743は有機質100%の高級肥料で、数年前より当会の栽培指針として採用しています。当会のお米が一般栽培のお米より美味しいのは当会の会員に言わせると「農魂のおかげ」と言う意見もあります。一昨年までは農魂743の施肥量は反当り20kg×2回を基準としていましたが、昨年より更にきめ細かく施肥するため、一回の施肥量を15kg×2回とし、3回目の穂肥(登熟肥、出穂直前)にミネラルユーキ443を10kg施肥する様に栽培指針を改定しました。従ってトータルの穂肥チッソ成分量は従来より0.3kg少なくなりました。

 当会の栽培指針での穂肥の考え方は、ゆっくり低く長く効かせ、収量を狙うよりも秋落ちを防いで、食味と品質を重視した施肥法をイメージしています。登熟肥に水溶性の各種ミネラル成分を施用する事により、お米に甘みが増すと言われています。お米は最初口に入れた際、ほんのり甘みを感じるご飯が美味しいご飯の大切な要素と言われていて、その辺を狙っています。

 又、ミネラルユーキに含まれるケイ酸成分は稲の茎を丈夫にし、オキサミド態チッソは根の活力をアップする働きがあります。
農魂743の有機成分で風味のあるお米作り、ミネラルユーキの苦土成分を出穂期に効かせて粘りと甘みのあるお米に仕上げ、普通は2回に分けて行う穂肥をよりゆっくり肥効の出る様に、2つの優れた肥料を3回に分けて慎重に施肥します。

 美味しい米作りには当然、気象条件や土壌条件等も大切ですが、田んぼに入れる肥料の内容とやり方も大切だと考えています。