潟東減農薬米生産者の会日記 URL http://yamagara-club.com

昭和63年設立の個人経営生産者組織
会の別名称 「やまがら倶楽部」
会員数14名
業務提携先 丸山光一商店

米袋の配布。政権交代

2009-08-31 19:56:25 | 日記


 8月30日(日)は当会会員に五の上倉庫に集まってもらい、今年産米集荷の打

ち合わせを行なうと同時に、当会県認証特別栽培米コシヒカリとこしいぶき用の検

査米袋6千枚強を会員の皆様にお渡ししました。


 衆議院総選挙は政権交代を訴えた民主党が自民党を破り大勝しました。当ブログ

では政治的な個人見解は控えていますので論評しませんが、新政権となり農業政策

も新しくなります。

 私(丸山)は今日31日、新潟テルサにおいて開催された農業評論家土門剛氏の

有料勉強会に参加してきました。内容は「政権交代で米価や減反はどーなるの?」

及び「農業補助金攻略法」で、農業関係者には大変興味のある題目です。参加した

のは主に新潟県内の大規模経営の生産者や農機具販売会社、商人系米集荷業者等で

す。詳しい内容は割愛しますが、土門流の農業情勢の分析や一般には聞けない情報

など、大変参考になる内容でした。



           (土門剛氏の勉強会)

マイナー病害の発生

2009-08-28 16:31:48 | 日記

     (わたぼうしに発生した墨黒穂病)


     (こがねもちに発生した稲こうじ病)


 近年、もち品種を中心に発生している、いわゆるマイナー病害である稲こうじ病

と墨黒穂病が今年も出穂期の日照時間の少ない天候も影響して各地で発生が見受け

られます。どちらもお米の籾摺りの時に病菌のカビがお米に付着して着色粒とな

り、場合にによっては規格外にもなる生産者にとっては厄介な病気です。稲こうじ

病はもち品種だけでなくコシヒカリにも発生している圃場があります。対策として

はチッソ成分過剰な栽培を回避し、適正な施肥を行なうと同時に発生圃場は適正な

薬剤での防除が必要になります。当会の県認証特別栽培米コシヒカリとこしいぶき

には今のところ発生は確認できませんが、もし大きな問題となる場合は総合生協と

協議して対策を講じる事になります。最近JA等で推進しているいわゆる五割減減

栽培では指定された農薬成分数(9成分)に想定外の病害虫が発生した場合、農薬

による防除が出来ずに対応に困る事も懸念されています。

当会、生協米の食味

2009-08-27 15:48:31 | 日記
 先日行なわれた総合生協宅配担当者の講習会で食味に関する質問が出ていたこと

が少し気になっていたので、個人的な当会の生協米の食味に関する見解を述べさせ

て頂きたいと思います。

 お米の食味を決める要素は品種・炊き方・産地・気象条件・栽培方法・精米や保

管のやり方・土質・水質などなど、ざっと挙げても数多くの要素が思い当たりま

す。しかも食べる人の好みやその日の体調によっても違いが出てきます。もし消費

者の方に「美味しくない」と言われても、責任を他に転嫁する理由は食味を決める

要素の中から適当に言い逃れすることも出来ます。しかし我々お米を供給する側

は、精米されたお米そのものに食味の責任を持たなければいけません。責任を他に

転嫁するより先に客観的に自分達の提供しているお米を評価し、品質と食味の向上

に努めなければいけないと考えます。(気象条件でどうにもならない場合もありま

すが)

 私(丸山)はお米に係わる仕事の関係と色々なお米の食味に興味がある為、なる

べく日頃たべるお米は違う生産者や産地の物を選ぶようにしています。時には魚沼

産コシヒカリ、ある時は通販で北海道産米や高価な特別栽培米などを取り寄せてお

米の味の違いを楽しんでいます。中には取り寄せたお米が不味く、全部食べ終わる

まで苦労する事もあります。それらの経験からすると当会の生協米は他のお米と比

較しても充分に美味しいお米と言えます。もちろん良く出来た魚沼コシやこだわり

米の中にはもっと美味しいお米もありますが、一般的な新潟県産コシヒカリと比較

したらランクは上位に入る食味だと自信を持っています。


 今日(27日)はフェーン現象で気温が上昇し、明日の後半には低気圧と前線が

通過して天候が荒れそうです。周辺のコシヒカリの中には強い雨風に遭遇すると倒

伏しそうな圃場が多く見受けられます。早期の倒伏は品質や収量が低下し、収穫作

業を困難にします。出穂日から25日以内の早期の倒伏はその人の栽培方法に大き

な問題点があると考えられます。当会のコシヒカリが倒伏しない事を願っていま

す。


 

田んぼの学校の圃場

2009-08-25 13:32:30 | 日記

            (8月24日)

 5月17日の田んぼの学校で手植えされたコシヒカリはすっかり穂が出揃いまし

た。今年は日照不足で作柄が心配されていますが、新潟平野の平場の気温はコシヒ

カリが登熟するには理想的な温度だと思います。しかし出穂前後の日照不足で穂肥

を控えていた割りには草丈が伸びてしまい、倒伏の心配な稲が各地で見受けられま

す。当会のコシヒカリは今のところ倒伏しそうな圃場は無いようですが、強い雨や

風があると心配になります。最低あと10日間、出来たら14日間は倒伏しないで

ほしいです。


 ここに来てようやく日照も多くなり、35度を越えるような異常高温も無く、朝

晩の温度も涼しい好条件で、紋枯病に冒されていないコシヒカリは葉の傷みが無く

色艶のある姿だと思います。心配されたコシヒカリのイモチ病は従来型コシヒカリ

でも問題ないようです。豊作は難しいと思いますが、早期の倒伏を回避でき、適度

に水分補給ができれば高品質で美味しいお米に仕上がるでしょう。今後は早期の倒

伏とフェーン現象による圃場の異常乾燥が怖いです。

バケツ稲 8月23日

2009-08-23 13:15:53 | 日記


 久しぶりにバケツ稲の様子をお伝えします。実は穂の出る少し前にイネアオムシ

(フタオビコヤガ)が発生し、大切なイネの葉をギザギザに食害されてしまい、保

護色をしたイネアオムシをジックリ観察しながら20匹手で取り除きました。風の

強い日には葉の先端が少し痛んだ事もありました。

 それでもバケツ稲は写真の様に立派な姿に成長しています。穂の数が43本、土

際から穂の先端までの長さが104cm。7月15日に施用した有機肥料が程よく

効いています。これからはバケツの水を切らさない事と、スズメの被害に注意する

事です。苗を移植する際、一株に数本植えるのでなく一本当りの間隔を広げて移殖

したので、バケツの直径の割には大きな株に成長しました。株の端の茎も直立して

いるので倒伏にも強い稲になっています。一株が40本以上もある大きな株は外側

の茎が斜めになり、穂の重みで倒れてしまう場合があります。

生協米入荷

2009-08-22 14:10:04 | 日記

        (五泉米の会より入荷)

 当会20年産の生協出荷予定特別栽培米コシヒカリの在庫が残り少なくなり、2

1年産新米が供給されるまでの玄米出荷分が足りなくなりました。当精米所では玄

米色彩選別機を通して調整した5kg袋入り玄米を年間約500俵分出荷していま

すが、最後の1か月分の玄米を同じ生協指定産地である「五泉米の会」の特別栽培

米を9月分仕入れて当精米所で調整して供給することになります。(表示票も変わ

ります)


 全国的には米の消費量が減少する中、総合生協では予定していた年間販売数量を

超過達成することになり、当会の特別栽培米も予定より早く完売します。21年産

では当会の栽培面積は20年産比約4ヘクタール増えていますので、生協の販売担

当者の方には生協米の良さをどんどんアピールしていただきたいと思います。

クルコ生協米のPR

2009-08-21 14:13:31 | 日記
 今日(8月21日)前線が通過して又も雨が戻ってきました。しばらくは好天

が続いたのですが、作柄が心配になってきます。 本日より3日間

伝統ある西川まつりですが、あいにく雨の中でのお祭りになりそうです。



       (携帯電話からの画像です)

 昨日、総合生協の西センターで生協米のPR・説明会が開催され、当会から吉崎

会長と渡辺会員が出席してきました。黒崎物流や東センターは米部会の他産地が担

当したそうです。クルコの宅配を担当されている皆様に前のブログで紹介した冊子

を元に吉崎会長が熱弁をふるったそうです。西センターだけで40名もの担当者が

出席して熱心に研修を受けていたそうです。質問の中に「生協米は美味しくないと

言われたらどうしたらよいか?」といった内容もあり、答えに困る場面もあったそ

うです。




当会、生協米の優れた特徴

2009-08-19 09:59:18 | 日記
 8月20日に総合生協の宅配担当者に対し、当会の生協米の特徴を説明する会議

が開催されます。吉崎会長と渡辺会員が出席しますが、その時配る会の活動内容を

記した簡単な冊子をこのブログでも紹介します。


     ○ 当会栽培のコシヒカリとこしいぶきの栽培内容

                当 会       一般的五割減減栽培
・認証の内容      新潟県認証特別栽培米    農水省ガイドライン
・使用農薬成分数    4成分           9成分
・化学肥料の使用量   N成分2.61kg/反     N成分3.0kg/反
・農薬使用の範囲    畦畔・農道も含む      圃場のみ対象   
・コシヒカリの種類   従来型コシヒカリ      主にコシヒカリBL


        ○ 当会の活動内容

・設立は昭和63年。以後一貫して減農薬・有機肥料での栽培を継続しています。 会員は減農薬米発祥の地としての自負を持っています。

・「会要綱」で会規約、会員役員名簿、栽培指針、年間行事予定、丸山商店の役割 を明記し会員の共通認識を図っています。

・栽培責任者、確認責任者、精米責任者、精米確認者がそれぞれの役割を果たして います。          

・対象圃場別の栽培計画、栽培実績を指定様式に記入し、総合生協に提出していま す。

・総合生協との協賛で田んぼの生物調査や残留農薬検査を実施し、年三回消費者と の交流会を行なっています。

・当会独自のブログで活動内容を情報発信しています。 gooホームページ「潟東減農薬米生産者の会日記」

         
         ○ 生協米の保管・精米・食味

・当会と業務提携先である西蒲区曽根311の丸山光一商店(代表 丸山祐一郎)五 之上倉庫、精米所で当会会員である渡辺一篤会員が専任で精米、生協各センター への配送業務を行っています。

・専用米穀倉庫と20坪の低温倉庫で米質の劣化を防ぎ、年間を通し安定して製品 を供給できます。

・当精米施設は清掃・点検・調整を毎日実施しています。ネズミや虫の侵入対策  も万全です。

・精米時の穀温の上昇を抑えた最新の低温精米機で、仕上がりが良く、食味の低下 を防いでいます。

・最新の色彩選別機で斑点米や異物の除去を行っています。ガラスや石などの異物 も選別できる色彩選別機は新潟県内の精米施設でも数少ない高性能な選別機で  す。従って安全なお米に仕上がります。

・小米選別機で割れたお米の選別も行なっています。

・精米(調整)年月日で製品の玄米生産者が特定出来るように精米記録を保管して あります。

・有機肥料での栽培は食味を良くすると言われていますが、最低5~6年間は栽培 を継続して初めてその効果が出てくるとも言われています。当会は20年以上有 機肥料による栽培を継続し、美味しいお米を作り、害虫の天敵にもなる多様な生 物が生息する豊かな土作りが出来ています。

イモチ病の発生

2009-08-18 10:53:07 | 日記
 長雨と日照不足の影響で紋枯病と共に稲の大敵イモチ病が特にもち品種であるわ

たぼうしに多く発生しています。


      (わたぼうしに発生したイモチ病)

 コシヒカリは現時点では穂イモチ・枝硬イモチ共に当地域での発生はほとんど見

受けられません。しかし今後の天候により油断出来ないと思います。当会のコシヒ

カリはイモチ病に強いBLと違い従来型のコシヒカリを栽培しています。イモチ病

は気象条件による影響を受けやすい病気ですが、稲の出来具合、特に栄養状態や生

育状況による影響が大きいと思います。わたぼうしの発生状況を見ると、大豆の転

作後やチッソ過剰、低地力田などに多く発生しています。

 当地区はコシヒカリの従来型とBLの栽培が混在しているので、今後のイモチ病

の発生状況が注目されます。

紋枯病の発生

2009-08-15 08:47:42 | 日記

      (紋枯病の発生したこしいぶき)

 当地域では紋枯病の発生が目立っています。紋枯病に弱いこしいぶきは勿論です

が、普通は紋枯病に強いコシヒカリまで発病している圃場が見受けられます。コシ

ヒカリにこれだけ紋枯病の発生しているのは最近では記憶がありりません。紋枯病

はチッソ過多の過繁茂の稲に発生しやすい病気ですが、今年の天候も大きく影響し

ています。

 当会会員の圃場では今のところコシヒカリは大丈夫ですが、こしいぶきにはかな

り病気が目立つ圃場もあります。大切な時期の日照不足と病気の発生で品質への影

響が心配されます。





母なる川、信濃川

2009-08-12 17:36:54 | 日記
 信濃川は米作りにとって大切な水を新潟平野に供給している、とても大切な母な

る川です。子供の頃、近くを流れる西川や新川の水がどこから流れてきているのか

不思議に思ったことがあり、それが遠くの高い山から流れて来ていると聞い事が登

山に興味を持ったきっかけでした。

 日本一の大河、信濃川は長野県に入ると千曲川と名前を変え、本流は甲武信ヶ岳

に源流があります。上高地は千曲川支流の梓川の流れを中心に緑豊かな素晴らしい

自然環境の国立公園で、最後は氷河時代の地形を残す槍沢を経て槍ヶ岳が源流とな

っています。


(森林には大きな保水力があり、洪水を防いでくれます)

 
 そんな信濃川は大河津分水の完成で大水害の危険はほぼ無くなりましたが、長野

県の源流部の自然環境、特に森林の保護は新潟県を水害から救う為にはとても大切

です。「穂高に降った雨は地下に滲みこんで、百年後に安曇野のワサビ田に湧き水

として出てくる」と言われています。山の森林保護は大切な役割を果たしているの

です。

穂高岳山荘のエコ対策

2009-08-10 20:45:33 | 日記

(穂高岳山荘の屋根に取り付けられた太陽電池発電装置)


 今回の登山の3日目に泊まった穂高岳山荘は日本第三の高峰、奥穂高岳(標高

3,190m)の頂上に近い稜線上に立地しています。今でこそ省エネ・環境保

全・エコ対策などがもてはやされていますが、穂高岳山荘は昭和52年から始めた

風力発電や平成6年からの太陽電池発電の導入などで有名でした。山荘の立地条件

が自然エネルギーを必要とした面もありますが、山荘オーナーの環境保護と自然エ

ネルギーに対する思い入れの強さがあった事にもよると思います。現在のエコに関

する関心の高さは一種のブームなのか、それとも広く普及・定着するのか私は注目

して見ています。



 (山荘の脇には風力発電のプロペラが回っています)




槍ヶ岳~穂高の縦走登山

2009-08-07 10:21:47 | 日記
 大自然の絶景には感動を覚えます。その下に生かされている我々は自然の摂理を

自覚し、自然に対しての謙虚な気持ちが大切だと思います。



(奥穂高岳の有名な岩場、ジャンダルムの右下にブロッケン現象が現れる) 


 8月3日~6日までの夏休みで登山してきました。雨降り年にもかかわらず私の

入山していた4日間は好天に恵まれ、体調も良く、予定の登山コースを無事に踏破

する事が出来ました。登山の経験年数は40年になりますが、実は有名な山岳であ

る槍ヶ岳と穂高は今回が初登頂でした。


 4日ぶりの田んぼはコシヒカリが出穂していますが、予想通り出穂日には圃場格

差が大きいようです。田植えの日も影響しますが、苗質や水管理等も影響し、順調

に生育していた当会の調査圃場は回りよりも出穂がやや早いようです。




      (槍ヶ岳の右横雲海からの御来光)


 (日本第3位の高峰、奥穂高岳頂上から見た槍ヶ岳)


コシヒカリの出穂

2009-08-02 11:20:21 | 日記


 全国的な日照不足と長雨、低温傾向で稲の生育がやや遅れ気味でしたが、コシヒ

カリも穂が出始めました。出穂日の定義とは、たとえば茎数が20本の平均的な株

があった場合、50%(10本)の茎で穂の先端が少しでも出た状態が出穂日とさ

れています。今年の西蒲区付近の出穂予想日は8月3日とされていましたが、2日

程度の遅れになるのでしょうか。個人差・圃場格差もあり、毎年同じ品種でも5~

7日くらいは違いはあります。

 当会の栽培指針は昨年より穂肥のチッソ施用量が0.3kg少なくしましたが、

日照不足の今年度は今のところ正解だと思います。一般栽培の圃場でも昨年は特に

コシヒカリBLが思いのほか徒長して倒伏したため、今年は施肥を控え目にしてい

ます。あまり控え目すぎても登熟後半に息切れして、充実不足の米になります。そ

のへんの加減が難しい所です。


                 お知らせ

 8月3日~7日までの間、夏休みをいただき、長年の夢であった北アルプスの槍

ヶ岳~穂高の縦走登山に行って来ます。それなりのトレーニングと準備はしていま

すが、無理をしないで無事下山してきます。その間このブログはお休みになるかも

しれません。下山後には美しい北アルプスの写真をブログにも載せたいと思いま

す。全行動時間25時間の日本を代表する登山コースです。
 
 (登山計画書は家に置いて行きます)