信州ななめよみ

長野県政をはじめ長野県に関することを思いつくままにつづるもの

村井新体制の発足

2006-09-01 06:44:35 | Weblog
8月31日をもって田中康夫知事は退任し、9月1日から村井新知事が登場する。既に副知事の候補者2人が明らかにされており、一人は前の大町市長で、もう一人は前の消防庁長官であるが、単純に考えれば前の大町市長にまず求められるのは県議会や市町村との関係修復担当であり、前の消防庁長官に求められるのは県の行政組織の立て直しであろう。もちろんその他に、高校再編問題や浅川ほかの治水問題や出納業務も専管になるかもしれない。最初の布石としてはまずまずであろう。
この人事は30日頃から新聞報道等で表面化し、既にとやかく言う人が選対関係者の中にもいるらしいが、田中県政や今の小泉内閣を持ち出すまでもなく、人事を論功行賞でやられては組織が困り、ひいては県民が困る。敢えて誰のこととは言わないが、今の県民は田中県政における茅野實氏のような存在を求めていない。村井氏を支持した県議・市町村長達は既に一歩引いて距離を取っており、論功行賞を求める動きは明確に排除すべきであるし、どうしてもというのであれば無害な名誉職を与えるか、あるいはいっそのことそうした動きを公表してしまえばよい。田中県政がつまづいた、あるいは小泉政権がつまづいたのは、人事で論功行賞を行ってしまったことにある。人事は功績があった者ではなくその任に堪えうる者を任ずるべきであり、名の出た2人はそれが期待できる人材であるゆえ、まずはお手並み拝見というスタンスで良いだろう。

村井新体制に改めてアドバイスをするとなれば、3つほどある。1つは、政権に若い参謀と広報担当をつけること。田中県政時代の検証を行う組織を立ち上げるとともに、できるだけ早いうちに9月1日就任時点における長野県の主な指標を全て公開しておくこと。もう1つは、現在の監査委員のメンバー交代を促進させ、任期つき職員や特進職員に意向確認を行うこと。
県庁から田中康夫色を排除しておかない限り、県政の現場をめぐる不毛なもめ事は引き続き起こるであろう。田中康夫前知事とそのシンパ集団は、虚飾の功績をもって村井県政に不毛な圧力をかけ、時には同志である監査委員を通じて不毛な諍いを起こすことが想定されうる。県民が田中康夫知事の続投を拒否したことには、そうした不毛な諍いにうんざりし、それを絶えず生み出して地位確保に悪用してきた田中康夫知事の不毛な県政を否定したという面がある。
途中に掲げた長野県の指標の公開もそこに意味があり、一番の目的はそうした不毛性の排除にある。また、村井新知事の体制がどれだけの成果を挙げたのかを県民が数値で評価できるという利点もある。

県職員の意識改革を図るにもってこいなのが、はるさめ問題の解決であり、松林局長の処遇である。予想されていたのとは反して、松林局長に関するサプライズは実現しなかった。蓋を開けて見れば、田中康夫知事は松林局長を便利屋として使っていただけであり、口封じをするまでもないと思ったのか。公営企業管理者説はやはり職員側の思惑から出た噂だったのだろう。