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幸せの植物楽

自然の力をプレゼント。
身近な植物に託した想いや、日常雑記を心のままのびやかに表現したい。

柳の歴史と解熱剤

2012-11-14 06:55:52 | 植物
磁石を見ないでも、その植物の葉の出方とならび方を見ると、南北が分かるのを磁石植物という。高校生のある夏、万葉集の勉強で、奈良県吉野の山に行った時、コノテガシワ・ヒノキ科の群生している場所で教わり、印象に残りました。

モクレン科のコブシ、ハクモクレン、シモクレンやカワヤナギ( 河楊 )・ヤナギ科( ネコヤナギともいう )の花芽や花序(かじょ)が花の開く頃まで、その先端の方向が北を向き、南の方からの暖かい太陽の光が当たる部分は、よく成長してふくらむ。また冬、ウメ、ミズキ、カエデなどの落葉樹の若い枝を見ると、陽光を良く受ける側が色鮮やかです。

ネコヤナギは川辺に生え、地面から斜めに立ち上がって、高さ二メートルぐらいになる。猫のような花穂をつけるので、ネコヤナギと呼ばれている。雌雄異株で雄花は、はじめ堅い皮におおわれているが、暖かくなるにつれて膨らんでくる。植物観察事典によると「冬から早春にネコの芽りんを取るには、軽く火であぶって手でしごくと銀色のネコが現れてみごとである。さし木が容易で、根、枝のどこでもよい。このように無性繁殖が容易なものは高倍数性のものが多い。クワ、ジンチョウゲ、ポプラなども同じである。」

ヤナギといえばシダレヤナギ(垂柳、柳)と思う人が多いが、古く中国、朝鮮半島から日本に入ってきて栽培されたもので、野生のものはないそうです。
柳は、古来めでたいものとされている。ギリシャの医聖ヒポクラテスは、柳を不老長寿の薬とし、その樹皮に解熱作用があると指摘している。日本でも、お正月の雑煮を柳の箸で祝う「出典 化学 第三四巻 第五号 戸倉仁一郎」。
薬草の本を見ても、不思議にヤナギの薬効や利用についての記述に出会たことはありません。
しかし、ヤナギから薬の大ベストセラーが誕生している。
ヤナギの樹皮から活性成分としてサリシンと呼ばれる配糖体が得られ、サリチル酸が得られ、これから更にアセチルサリチル酸がドイツのB社で1899年に開発された。薬品としてこれほど長く解熱、鎮痛、炎症抑制に用いられているそうです。
柳の枝は楊枝といい、歯(し)木(ぼく)つまり歯ブラシに使われた。これはヤナギの鎮痛作用のためであろう。柳の樹皮成分を研究したのは、イタリヤの化学者ピリア(1813~1865年)である。ピサには、ガリレオとビリアのニ大偉人がいます。「参考 クレーン 第24巻 9号 大塚恭男」。余談ですが、コリヤナギのコリとは、新枝の皮をはいで漂白し柳行李を作ったことから。川柳(せんりゅう)・柄井川柳から。青柳(あおやぎ)・千葉県市原市姉崎にある地名でバカガイを剥いたものが出荷されていたから。柳眉(りゅうび)、柳(りゅう)髪(はつ)、花柳(かりゅう・はなやなぎ・はなやぎ)。楊(よう)肥(ひ)とは楊(よう)貴(き)妃(ひ)のように肉付きのよい美人・要するにプリプリムチムチのグラマーちゃん、楊枝木はヤナギのことで、楊枝の木はクロモジ・アオモジ・ダンコウバイ・アズキナシなど。

   気にくわぬ 風もあろうに 柳かな   
この句は、博多の聖(しょう)福寺(ふくじ)の仙(せんがい)和尚(おしょう)の掛け軸に書いてありました。
以上は効果効能を保証しません。


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