without a trace

ヤマザキ、フリーターを撃て!

歓楽通り

2004-12-19 00:34:04 | 映画

 映画「歓楽通り」


 監督:パトリス・ルコント。パトリック・ティムシット, レティシア・カスタ。


 娼館で生まれた男が娼婦に恋をしてどこまでも尽くしていく話。好きになった娼婦を幸せにするために自己破壊的な献身をし、ある男との恋さえも実らせてしまう。この主人公の男は娼婦と客の間に生まれた男であって、自分が恋してる娼婦が母代わりになってる。だから娼婦が恋をした男は父親になり無償で献身的になれる。心理的に去勢されてるんだと思う(だから子供でもある)。もっと言ってしまえば、この主人公は存在さえしてない。だから男はカメラ目線になったり、第三者と話していたりするんじゃないかな。


 夢には代償が伴う。未来とは過去の修正であると思うので、今しか見てない(=過去を修正する気はない)娼婦たちの恋愛は代償が伴う。恋愛って距離の関係だと思う。ここでは娼婦というセックスを金で売ってる関係、プラトニックな関係、深く愛し合う関係との距離を倒錯していて非常に面白い映画だと思う。ノワールや最後のシーンなど過去の映画に対するオマージュも入っていて憎い。
 ルコント鑑賞2本目。★★★

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