昨日書き漏らしましたが、米山の東を流れる北上川、この川べりを私も歩きましたが、神足ももちろん歩きました。
『御料局測量課長 神足勝記日記 ー林野地籍に礎を築くー』日本林業調査会(J-FIC)68ページ下に「・・・気仙沼・志津川に至り、海を離れて登米郡に入り、北上川に沿ひ下りて石巻に至り、行々日本三景の一なる松島を探る」とあります。
ここの記述は『回顧録』からの引用でしたが、元の『日記』には、松島へ行く前に、石巻の方から「広渕沼〔ひろぶちぬま〕」の方へ戻るように巡回しています。巡回といってもただ一直線に次々と歩いたわけでなく、地形や地勢を把握するまであちこち歩いていますから、今では考えられないような広範囲をくまなく歩いています。
さて今日は、私が幼児に見た漫画のことを少し書きます。
このブログの8日目(去年の12月3日ころ)に「笠原先生と・・・」と題してを書きましたが、そのころのことで、おそらく1955年の前後のことです。もうバスも走っていましたが、群馬県中里村(現神流町〔かんなまち〕)神ヶ原〔かがはら〕の一帯は、「山中谷〔さんちゅうやつ〕」とか、差別的に「群馬のチベット」といわれることもある地域でした。
そういう奥にある村に、ある日、次の写真の「カバの形をした宣伝車」がやってきました。
これはカバヤ食品よりいただきました。
どういうわけか、カバヤ食品が宣伝に来たものでした。
いまではなんということもないただの「カバ型の車」ですが、記憶では、音楽をかけて何かをチラシのようなものを配るなど、にぎやかで、明るい雰囲気でした。
このころ、カバヤ食品は「カバヤ・キャラメル」(1箱10円)を販売していました。そして、箱の中に入っているカードを一定のルールにしたがって集めると、絵本・漫画・児童文庫・グラフなどから1冊景品として交換してもらうことができました。
具体的にどういうものがあったかの記憶がありませんが、私がもらって、毎日、父親の帰りを待って読んでもらっていたと記憶しているのが、次の『かばすけ漫遊記』です。
岡山県立図書館所蔵
これに行きあたるまでにずいぶん手間がかかりました。
かなり年齢が過ぎてから、ふと思い出して読んでみたくなり、図書館で調べたり、古書店を廻って問い合わせたりしましたが、どこにも手掛かりさえありませんでした。
古書目録もずいぶん集めましたが、それにもまったく出てきませんでいた。
それからしばらくして、テレビでカバヤ食品のことが出てきたので、電話で問い合わせてみました。
わかったことは、確かに、カバが主人公の漫画が発行されていたこと、カバの形の宣伝カーで宣伝が行われていたことまでで、私の記憶にある『かばすけ漫遊記』というタイトルの漫画はカバヤ食品にも残っていないということでした。
担当者は私よりずっと若い人で、見たことがないということでしたが、気を使ってくれて、 親切にも、あとから「参考に」といっていくらかのコピーを送ってくれましたが、やはり記憶のものとは違っていました。
その後、あちこちの図書館の蔵書検索をしているうちに、ひょんなことから出てきました。それが上の写真のものです。これは岡山県立図書館所蔵のものです。すでに貴重品なのでしょうか。「禁帯出」のラベルが貼ってあります。事情をお話ししてコピーを作っていただきました。
毎日読んでもらっていたために話の筋を覚えてしまっていて、父が読む先に笑い出してしまうので、「それなら読まないぞ」と言ったと、母が教えてくれました。
では、触り〔さわり〕のところだけお見せしましょう。
どうですか? おもしろいでしょう。
じつはこの後の方がもっと面白いんですよ。お見せできなくてザンネンです。
漫画も文化ですね。いろいろなものを読みました。それはまたいつか書きましょう。
さつき