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第25回サロマ湖100kmウルトラマラソン 完踏記その3 すっかり間延びしてしまった。記憶は早くも薄れつつあるが、未完のままではど~も落ち着かない。とにかくフィニッシュへ向けて。 |
【80km~90km】
ワッカ原生花園の入り口にある80kmの関門をすぎると、いよいよサロマ湖ウルトラマラソンのハイライトだ。国定公園内の細い道は、一般車両の侵入は禁止されている。ワッカの森に入る上り坂で、“今年もやって来たぞぉ~”と歓喜の声が聞こえた。こちらは初めてだったが、よくここまでやって来たものだとついウルウルしてしまった。あとはいけない。エゾスカシユリの花を見るとウルウル、ハマナスの花を見るとウルウル、今まで走って来たサロマ湖の対岸を見るとウルウル。ど~も涙腺が弱いみたい。^^; そんなとき、右手に通勤カバンを下げたスーツ姿の30代くらいの男性が向かってきた。すれ違うランナーに向かって、満面に笑みを浮かべ“ごくろうさん!”だか、“お疲れさん”だか声をかけていた。一瞬観光客が紛れ込んでいるのかなと思ったが、そうではなかった。胸にはゼッケンを付けている。すれ違いざま振り向くと背中にもゼッケンが。つまり仮想ランナーだった。あの恰好で100kmを走るとは・・・、恐るべし。
ワッカの折り返しを戻るとすぐに90km地点、最後の関門を午後4時13分に通過。 17分の貯金♪♪♪ |
【90km~100km】 残りの10kmに残された時間は1時間47分。速歩(時速6kmくらい)でも時間内にゴールできる計算だ。今更一分一秒を争っても仕方がない。少し走っては少し休む、わずかな上り坂でも無理せずに歩く。1km進むたびにグリコーゲンの枯渇した頭で再計算、よし大丈夫だ!
ワッカの細い道を疲労困憊した3人のランナーとすれ違った。そのすぐ後ろには収容車が迫っていた。彼らはワッカの折り返しに向かっていたのだが、90kmの関門をクリヤーすることは絶望的だ。彼らは何を思い走り続けていたのだろう。我彼の違いは一体何だったのだろう。このほんのわずかな差が、陳腐な表現で我ながら恥ずかしくなるが、天国と地獄を分けていた。この厳しさがあるからこそのウルトラだ、なんて感傷的になってしまった。 いろいろなシーンが断片的に思い出される。70km手前で追い抜いたはずの少しきもい上半身はだかのおっちゃんがボクの前を走っていた、まる凡のお姉さんも再び見かけた。つばの広い優雅な黒い帽子黒いマスクと黒い腕当てで紫外線完全カットのセレブ系の雰囲気な女性。顔を見たかった。^^; ワッカの入り口にある最後のレストステーションでゆっくりとスイカを頂いた。80kmの関門はすでに撤去されていた。あとわずか。 ゴールまで後1kmの地点スタート会場体育館ですぐそばにいたサイケ調のランスカの女性が追い抜いていった。 フィニッシュ直前、サングラスを外して笑顔でゴールしましょう、とのアナウンスが耳に入った。ウルウルし涙が出ないか心配だったが、大丈夫だった。サングラスを右手に持って、小さくガッツポーズ。ようやく終わった。 |