マーサの昔話

デジカメでの景色や花、動物などの写真
海外体験談、今日の一品、糖分控えめ?なおやつ等‥‥‥

上海の夜空は三日月だった

2009年05月10日 | China
 先週の続きです。

 夕食はルームサービスを頼みました。どうせ、メニューが解らないのだから
注文もできないし、初級レベルだから、尋ねるのも難しいので、手っ取り早く
フロントに電話して英語で注文。 これが一番。 30分程経ってから、二人の女性が
ワゴンを押して中華料理を2,3皿持って来てくれた。 ゆっくり味わって食べた。

 いよいよ明日は、上海へ戻る。 大阪~上海往復のチケットを買っていたので
戻らないと、日本に帰れない。 まあ、変更もできるとは思うのですが、始めに
決めた事なので、やはり戻ることにする。 上海行きの切符は2日前にCITSで
買っていたので、3時に駅へ行って、列車に乗るだけです。

 朝、ルームサービスで朝食を頂いた後に、ゆっくりと荷物をまとめて広州駅に
向かった。 今回は、香港でおいしいお菓子類を沢山買っていたので、列車内の
食べものは万全だ。 3時過ぎ、列車が着いたので、服務員に座席番号を見せて
場所を教えてもらって乗車する。 私の横は、神経質そうなイギリス人だった。
 ずっと本を読んでいるか、寝ているかどちらかだ。 私が起きている時で、上海に
着く迄トイレにも行かないし、飲食しているのを見た事は無かった。 私も英語で
何度か話しましたが、お菓子も入らないと言われたし、とっつき難い感じでした。

 普通、外人同士のトラベラーなら、情報交換等で意気投合して簡単に友人関係に
なるものだけど、少し、変わった感じの人でした。 せっかく、退屈しないで
列車の旅ができると思ったのに残念でした。 明くる日の夜、8時に上海に着く。

 駅前のバス停でバスを待つ。 南京東路行きのバスが来た。 中で私は、ホテル名を
書いて、その場所に着いたら、教えて欲しいと書いたメモを服務員に渡した。  
 そして、服務員の前に立ち、教えてくれるのをひたすら待っていた。
 用がなければ、照明もいちいち消しているので、車内は真っ暗なのである。 
 15分位乗ったであろうか、ある所でバスが止まり、服務員席の所に灯りが点き
「ここで下りなさい。」 と言われ、お礼を言って、何のためらいも無く
そのまま下りました。 真っ暗な場所に下ろされて、一瞬「やばい」っと思った時
バスは去ってしまった後でした。

 全く灯りのない所に下ろされてしまった。 真っ暗クラクラ、めまいがしそう。
思わず、空を見上げた。晴れ渡った夜空に浮かんだ三日月が哀しかった。
 せめて満月ならもう少し、明るかったかもしれないのに。 途方に暮れた。
 夜に着いたのが最大のミスだった。 北京に着いた時も、広州の時も到着したのは
朝だった。
 後悔先に立たず。 このまま、この場所に居るしかないと思った。 待っていれば
又、バスが来るだろうから、それに乗ろうと、一歩も動かなかった。 というより
真っ暗で動ける筈がなかった。 やはり、香港に荷物を持って行って、そのまま
帰国すれば良かったんだ。 と、悔しくて涙も出やしない。 何十分待っただろう。
 真っ暗で、よく見えなかったが横に人の気配が感じられた。 顔は見えない。

 私は、「すみませんが、この近くに国際飯店はありませんか?」 と英語で尋ねた。
 何とラッキーな事にその人は英語が話せた。私が困っているのを、解ってくれて
一緒にホテルを探してくれた。 その人は、北京から出張で来ていた。 その人が
宿泊している宿に案内してくれると言うので付いて行ったが、外人は外人専用の
ホテルヘ泊まれと相手にしてくれなかった。 何回も頼んでくれたけど、やはり駄目
でした。 それで、荷物も半分持ってくれて、バスに乗って、外人専用のホテルに2、3
案内してもらったが、全て宿泊客で満室だった。 私が「国際飯店はわかりますか?」
その方は、近くにいる人に聞いて下さり、又、バスで移動した。 その方の年は、26歳で
南京大学を出て Writer をしていると話されていました。
 
 暗い道を歩きながら、「明日、一緒に食事しませんか?」「いいえ、結構です」
「そんな事言わずにお礼がしたいので、是非、お昼ご一緒に。」「結構です。」
 何回誘っても断られました。 こんなに優しいのに、随分、頑固な女性でした。

 やっと、国際飯店に着き、私が中に入って交渉、宿泊が可能になったので
外で待機(宿泊できない場合、他を当たる為に待っていてくれた。)している彼女に
「ここに泊まります。」と言うと、喜んでくれて、部屋に荷物を運ぶ為、ホテル内に
入ってきて、初めて彼女が、彼である事に気付く。 何故なら、声のトーンが少し高い
のと髪にパーマをかけていたので、暗闇の中では、ずっと女性だと思っていたのです。
 丁重にお礼を言って、お別れしようとすると、明日、“ここに来る。”と言って
くれたのです。 先程まで、何回も断っておきながら、何故か急に、気持ちが
変わったので驚いております。 でも、食事の招待を受けてくれて嬉しく思いました。


                     



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