皿川樋門は開いていた。従ってそこを通って千曲川の泥水が皿川に逆流した。
1、千曲川からの逆流による水面に作られた白濁が上流側に伸びている
・決壊場所(10/13 午前9時44分 )の写真 : https://archive.fo/COn7j :右岸堤防のJR線路に向かって低くなり始める手前に通行禁止のポールが4本、たっているのが分かる。決壊場所にももちろんこのポールはあったが、流されてなくなっている。ちなみにその時の皿川の状況をみるとJR線路をこえて上流に水が逆流しているのが、皿川水面に接している木の枝が作り出す水流の乱れによる白濁が上流側に伸びている事で確認できる。
この逆流画像の撮影は13日の9時44分。この時千曲川の水位は飯山観測所で10.5m(水位標高317.6m)。
皿川地点では千曲川の水位標高317.4m。
このとき皿川のダム湖の水位標高は316.9m。
従って千曲川から皿川に向かって逆流がおきていた。
そうして、逆流が起きる、という事はつまり「皿川樋門は開いていた」という事である。
・同上場所 6時05分 右岸上流から : https://archive.fo/RwfVp :この時点ですでに千曲川からの逆流による水面の白濁が確認できる。これで13日の6時05分から9時44分にかけて千曲川からJR鉄橋をこえて皿川のこの場所まで確かに千曲川の泥水が逆流した、という事が分かるのである。
2、このようにしてJR線路を越えた千曲川の泥水がその後に残したもの
・お宮下道路 冠水 : 有尾橋側(上流側)からの撮影
・皿川川底に残された千曲川逆流泥水が運んできた泥の堆積物:まるでバームクーヘン : https://archive.fo/obQgO
・お宮下道路 冠水 : https://archive.fo/UWXKH :下流側からの撮影
・千曲川の泥水が残した泥 : https://archive.fo/pZnmM :右岸堤防および左岸道路に残った泥の後から千曲川泥水の水位がわかる。そうして、その泥水の上を皿川上流からの「比較的ひどくない泥水が流れていた」という事もわかる。ちなみに右岸および左岸川底にその千曲川泥水が残した泥の堆積物、別名、泥のバームクーヘンが写真から確認できる。ちなみにこの巨大なバームクーヘンは現在では撤去されている。
この画像は災害発生の翌日(10/14)に地域住民総出でのお宮下道路の千曲川泥水がそこに残したはな泥を掃除する所を写したもの。奥の方では高圧洗浄機を使って最後の仕上げ洗浄をしている。(注1)
手前に写っているのは楽農家さんのタイヤローダーで、これでまずは道の上に厚く積もった泥を排除した模様。
・決壊後の皿川の状況 皿川橋より上流を写したものだが画像左下の左岸に上記と同じ泥のバームクーヘンが貼りついているのが見られる。その場所より上流側ににも同様にして貼りついていたのだが、今はそれは落下してなくなっている。 : https://archive.fo/L7Q3D
3、同様にして千曲川の泥水が樋門入口に残したもの
・皿川氾濫のすぐ後の皿川樋門入口の状況 : https://archive.fo/UEdkn
・その泥を取り除く途中の状況 : https://archive.fo/W89Rx :作業は10/21日以降に行われた模様。
・その泥を取り除いてきれいにした後の状況 : https://archive.fo/ti4ou :ここまで2019年、雪が降る前まで
・2020/4月19日15時21分12秒の皿川 : https://archive.fo/Ht7Kp :前の年にきれいにして川底のコンクリートが見えていたその上を、皿川上流からの泥水が流れている様にみえる。そうして皿川起因の泥の堆積はこの程度と思われる。
・2020/7月豪雨で皿川上流から砂利が流されてきて樋門入口にたまった後の画像 :つまり皿川は大雨が降ると泥と砂利を下流に流しだすが、泥水はこの場所にはそれほどたまらずに千曲川にながれだす。それが上の写真の状況。一方で砂利は重量があるために流れの速度が遅くなるこの場所に堆積した、と言う具合だ。そしてこれが2021年の6月に掃除・方付けられて今はコンクリートの下地が見える状態になっている。(2021/6/21現在)
現状を確認したい方は : https://livecam.asia/nagano/iiyama/saragawa-saragawabashi.html :でどうぞ。
4.JR鉄橋をこえて千曲川の泥水が逆流していた、という事は当然ながらその場所より手前にある右岸堤防決壊場所からは大量の千曲川の泥水が市内に向けて流れ出していた、という事である。
その状況についてはすでに前ページまでに紹介してきた以下の画像をみれば確認出来る事である。
・皿川決壊現場(10/13 午前 6 時) : https://archive.md/KCeME :泥水は皿川樋門がある千曲川方向(画面奥方向:ポンプ車が見える)から決壊場所に流れ込んでいる。
・皿川決壊現場(10/13 午前 6 時) : https://archive.fo/gIso6 :流れ出す泥水が決壊場所でJR線路側に流れ出し、線路下の土台を削り込んでいる写真。泥水はその反動で反時計回りに渦を巻きながら線路の反対側にあたる堤防の土を丸く削り取っている。
・その場所で少し左側を見る : https://archive.fo/mWE0a :左側から線路方向に向かって泥水が勢いよく流れ込んでいるのがよく分かる。これもまた千曲川からの逆流を証拠立てている写真となる。
・皿川決壊現場(10/13 午前 6 時) : https://archive.fo/uIwKu :同上シーンのより決壊場所に近づいた写真
・同上シーンの左上部の写真 写真の奥方向は皿川の下流になるのだがまるでそちらが上流の様に見える。つまり「泥水はそちら側(下流側)から決壊場所に流れ込んでいる様に見える。それはつまり「皿川の下流側の水面の水位が決壊場所の水位より高い」という事である。それでこれもまた千曲川からの逆流を証拠立てている写真となるのである。: https://archive.fo/D1brr
5、飯山市は当初は「皿川樋門は開いていた」と県に報告していた。
そうして飯山市は当初は「皿川樋門は開いていた」と理解される内容の報告を県に対して行っている。
『・飯山市からの報告(10月13日) : https://archive.fo/pl709 :18:00現在バックウォーター(逆流)が発生〜飯山市下水道課からの報告
令和元年10月13日18:00現在の「長野県災害対策本部の長野県環境部」が取りまとめた「ライフライン復旧の対応状況」の「市町村下水道施設等の対応」の飯山市からの報告には
〇飯山処理場 ポンプ施設の機能停止
①現状
・千曲川水位上昇によるバックウォーター(逆流)が発生。
・これにより、飯山処理場の有尾中継ポンプ場他マンホールポンプ施設3ヶ所が機能停止。
と報告され記載されています。
ここにも、千曲川水位上昇によるバックウォーター(逆流)が発生。
と明記されています。』
・有尾中継ポンプ場 : https://archive.fo/WF6Y0 :左岸越水場所道路からすぐ下ったところにある飯山市の施設。ここが氾濫した水で浸水被害額3000万となった。
・あるいは以下の様な記事もあります。
注1:千曲川由来の泥と皿川由来の泥はその粘着力に大きな差があると思われる。その事について検討した内容詳細については以下の記事を参照してください。
・その15・「皿川樋門が開いていた」という事の新たな証拠の提示
皿川起因の泥水と千曲川起因の泥水はそのあとに残す泥のありさまがまるで違う。
そうして飯山市街地には明らかに千曲川起因の泥水が流れ出しており、流出した泥の量は25mプール2杯分を上回る。
追伸:(2021/7/12):皿川樋門のゲートが降りていなかった、という決定的な、直接的な画像がありました。
・水門の閉鎖、国伝えず 長野・飯山の皿川、堤防決壊 (中日) : https://www.chunichi.co.jp/article/39265 <-写真をクリックすると拡大できる。皿川で排水作業中のポンプ車1台、確認可能。ちなみにこの画像は昼ごろ飯山市がとばしたドローンによるもの。
拡大画像で皿川樋門を見てください。ゲートが降りていない事が確認できます。
見にくい時は150%に拡大しましょう。はい、お疲れ様でした。貴重な画像を提供していただいた飯山市には感謝する次第であります。
おまけ:飯山市議会議事録より:令和元年12月12日(木曜日)
◆6番(松本淳一)
関係して、もう一点、おうかがいします。
避難訓練のときにドローンが飛んでいました。今回使っているとだいぶ違っていたんじゃないかと思うんですが、ドローンは飛びましたでしょうか。
◎総務部長(栗岩康彦)
ドローンにつきましては、13日の午後1時半ごろからドローンによる撮影をして、市街地の状況調査を行っているところでございます。
おまけの2:近づいて堤防の上からゲートを見るとこう見えます。: https://archive.fo/nms1F
おまけの3: https://archive.fo/dHJuW
補足:皿川樋門関連 ゲート上端位置と千曲川の水位について
・ゲート上端高さ : https://archive.fo/7pRbN :写真からわかる様に8.5mである。そうしてこの数字は皿川側にある水位標の高さと同じである事をしめす。
・外水位計 水位標 : https://archive.fo/xF3E6
・ゲートが開いた状態での千曲川側からの画像 : https://archive.fo/pzIvW :ゲートが降りた場合は手すりが写っている作業用の通路の部分あたりまでゲート上端が降下する事になる。
ゲートが降りた状態では・外水位計 水位標の値で5m以下にゲート上端が降りる。これは飯山水位観測所の数値に換算すると7m以下になる、ということである。
いっぽうでゲートが開いた状態では上端は8.5m、水位観測所の数値に換算で10.5mの位置にある。
さて13時半の千曲川の水位は9.17m@水位観測所である。
そうであればこの時にゲートが降りていたならば、その上端は千曲川の水の下にあって、上からでは見えない。
他方でゲートが開いていたならばその上端は千曲川の水面上に1.3m程出ている事になる。
さてそういうわけでドローンが13時半に撮影した皿川樋門の写真にゲートが写っていた、という事は「13時半にはゲートは開いていた」という事である。
ちなみに河川事務所の報告によれば「樋門操作員が皿川樋門のゲートを上げる為に再出動した日時は13日の14時」と記載されている。
・情報公開請求によって河川事務所から提示された皿川樋門操作記録:https://archive.fo/NOD6b : https://archive.fo/ffrn2
つまり「13日の13時30分には樋門操作員はまだ自宅待機中だった」のである。にもかかわらず「13時30分にゲートが上がっていた」という事は、「夜通しでゲートは上がっていた」という事になるのである。
追伸の2(2021/9/3):皿川樋門側から堤防決壊場所に水の流れがあった証拠の画像
ゴミが樋門側から堤防沿いに流れてくる元画像 : https://archive.fo/6PpWP
↑・画像は皿川ダム湖の右岸堤防であるが、その堤防沿いにダム湖の水面をゴミが流れてきているのが分かる。このごみは千曲川由来のゴミ(木くず)であって、千曲川から皿川樋門を通じてこちら側に流れ込んできた。そして、そのごみは通常は皿川樋門の入り口辺りで浮かんでいるものなのであるが(その状況は2021/8月大雨の時の皿川樋門のライブカメラで状況確認した : 千曲川から皿川樋門を通じて皿川側に逆流してきた、千曲川由来のゴミ、見えているホース3本は排水ポンプ車による排水の事前準備 : https://archive.fo/G117t : https://archive.fo/QUnt2 )、皿川堤防決壊により、皿川樋門側からこの決壊場所に向かって千曲川からゲートが開きっぱなしの皿川樋門を通じて逆流する強い水の流れが生じた。その水の流れにのって、樋門入口あたりに在ったゴミがここまで流されてきているのである。 : https://archive.fo/Qr36Z :<--このページの右側画像参照
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