サイドキック日記

酒場での愉しさは酒場までの道の愉しさに及ばず。
永美太郎の記録。

戦い/闘い

2014-06-30 05:04:24 | LIFE
昼過ぎごろに机に向かって、下絵を描きながらいつもとは勝手が違う作風のものを書いているので下絵に通常の3倍くらい時間がかかるなあと感じる。自分が表現したい世界観を絵説くわけなので、そのチューンがまだ定まりきってないようで。多分主線もいつも使ってる付けペンからフェルトペンに変える予定。挑戦することが多いのは楽しい反面不安も多い。

作業中に深夜ラジオをよく流している、最近お気に入りな番組があり、それは深夜の2部に私と同世代の芸人がやっている。同世代ということもあってか取り扱ってるトピックスなど親近感がわくものが多いというのも嬉しいが、一番聞いていてこちらを刺激するのがパーソナリティの攻撃性だろうか。当人達はカリカチュアとして無名な自分をあえて大仰なレッテルで自称する。曰くカリスマと。それは深夜ラジオ上のギミックなんだけれど、その攻撃性を数少ない深夜ラジオのリスナーにいかんなく発揮していて、ネタメールをつまんないと一喝したり、他の番組のさるまねを許さなかったり、自らが出ているライブの不平不満などを過剰にぶちまけている。若いコンビの芸人がパーソナリティなのでまだ角が取れてなく、それがささくれ立った気持ちにシンクロする。今芸人がやっているラジオの中でもっとも過剰だと思う。

深夜から明け方にかける頃に作業をやめ眠り始めるので、そのタイミングでTVをつけるとたいていW杯がやっている。熱心には見ないが、たまに眺めている。日本代表の過熱報道など見るに付けメディアというのはつくづくプロパガンダやなあ、と思う。メジャースポーツは投資金も莫大だからコマーシャリズムも加熱しますしね。個人的にはオリンピックとかのマイナースポーツの中継眺めてるほうが楽しかったりする。まったくの他人事として興味がそそられるし、知らない世界は何かにつけユニークに見える。

この時期だからしょうがないが、私は西東京に住んでいて昼から夕方にかけて通り雨などの天候不順に体が悲鳴を上げる。短時間で終わるがその急激な気圧の変化で調子が崩れ、ほとほと困っている。気分や調子というものは天気や周りを取り巻く雰囲気に直接的に左右される。そういったストレスが臨界点を超えると、身体のどこかがどうにかなる。

今日は朝の遅い頃将棋のNHK杯のために目覚め、それを見終わってから下絵をはじめた。途中友人と電話をしながら作業をしていると物凄い豪雨が30分ほど降った。通勤電車中の人身事故の話をしている最中に友人が、新宿できな臭い事件が起こっているのがSNS伝いに来たと言っていて、相も変わらんのだなあと思った。電話を終え、作業に疲れてきたなあと時計を見たらもう深夜3時で体内時計が狂っているようだった。飯を食しながら、暴力という表現は倫理でしか対処できないのは無理があるやろとか考えてたら、物凄く憂鬱になった。色々疲れているようで。そこから小一時間被害妄想と戦って消耗した。

疲れていると、いなたいHIPHOPが聞きたくなるようで、最近はそんな曲ばかり聞いている。いなたい、というのは存在にかかっていると思うので、そういう存在感がPOPにいなたいとか最高やと思う。

JAY-Z - Izzo (H.O.V.A.)



スタジオシステム時代のアメリカ映画が持っていたイノセンスがこのPVにはあるのさ!

ここ最近見たもの

2014-06-23 13:07:47 | MOVIE
劇場で

監督 ウェス・アンダーソン 『グランド・ブダペスト・ホテル』

監督 コーエン兄弟 『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』

DVDで

監督 小津安二郎 『麦秋』


ウェス・アンダーソンの映画の編集の手つきがいよいよ極まってきていて、そのモンタージュや撮影のコンセプトの方針の一貫している様がエイゼンシュテインみたいだと感じらました。POPさとテンポいう面ではエイゼンシュテインとは点と地ほど離れていますが、映画の物語の戯画化された手つきが似ていると、なんとなく思ったりしながら観ていました。

コーエン兄弟の映画は『シリアスマン』が一番好きで、その喜劇と悲劇の紙一重や人間のユーモラスを引き立たせるシチュエーションの手さばきにはうならされます。今回の映画もそういった方向性で、コーエン兄弟の描く世界に存在する不条理という影が今回も秀逸だった。夜のハイウェイとサービスエリアの蛍光灯の漂白された白のコントラストが描くキャラクターの存在にしびれていました。

小津はあんまり数見ていませんが、今迄の中ではこの映画が一番きました。小津のドラマツルギーはモンタージュ的で語られないことを積み重ねによって語るとでも言えばいいのか。そういった手段をとっているので登場人物もかなり形骸化しています。原節子に代表されるようなある種の処女性を兼ね備えたキャラクターたちの織り成す空騒ぎが飄々としていて観ていて震えました。