サイドキック日記

酒場での愉しさは酒場までの道の愉しさに及ばず。
永美太郎の記録。

すきずき

2013-10-30 08:32:55 | LIFE
やっとペン入れに入った。ここ1年位Gペンつかってましたが、なんとなくさじペンに変えました。付けペンでかく線にあんまり思い入れがない、というか自分の引く線がいまいち好きではない。今回は線のスピードを落として入り抜きをなくして線を引いています。線は難しい。後、ベタも難しい。感覚でいいなと思える塩梅をつかむまでまだまだ時間がかかりそう。

最近は、友人と映画を見た後とお酒を飲んだりして、楽しかったり反省したりしました。ちなみに劇場でロブ・ゾンビ『ロード・オブ・セイラム』を、それを一緒に見に行った友人に借りたDVDのトッド・ソロンズ『ウェルカム・ドールハウス』を見ました。ロブ・ゾンビの新作は最高によかったのですが、最近やっと自覚してきたけど、自分の趣味の偏向っぷりにいまさら嫌な感じになったりします。まあ、大概被害妄想ですが。

寒くなったのでシチューを作ったのですが、マッシュルーム入れたけど、自分はあんまりきのこ好きじゃないのを今更思い出した。小学生の低学年のころ朝、泣きながら椎茸の入った味噌汁を飲んだんだった。今は別に泣くほど嫌いでもない。きゅうりより食べれる。好きとか嫌いとか個人の趣向なんだから、誰憚ることなくいればよいのに何か知らないものに縛られている。だから、好きでもないのにマッシュルームをシチューに入れてしまう。

好き嫌いが多い人間の人生と、好き嫌いの少ない人間の人生は、どちらも人生です。

現実逃避

2013-10-15 21:11:14 | BOOK
台風が関東に接近しているようで、外の風雨がすごいです。そのせいか何か知りませんが、夢の中でハビエル・バルデムが暴れて追っかけてきたので怖かったです。

先日ついかっとなって映画『R100』を見に行ってしまいました。見に行く前から、見に行ったらどういう感情になるかわかっていたのに、つい見に行って、予想通りの感情に見舞われていました。下絵が半分くらい進んでいるという情況で中だるみしてしまっています。ペン入れとか別の作業に移って気分転換をしたいところなんですが、今回は下絵を全て終わらした段階で担当編集に見せることになっていて、それが出来ないので困っています。

本を読みました。新書を2冊。映画史・時代劇研究家の春日太一の『天才 勝新太郎』『仲代達矢が語る 日本映画黄金時代』。とても面白かった。役者を通して、日本の映画史スタジオ黄金期~TV時代劇黄金期~斜陽期まで俯瞰で見ることができて、その時代に必要とされる役者の必然というのが何を表しているか、とか。物語として必要とされている肉体って何かみたいな。天才勝新太郎の中で勝新の虚実ないまぜな存在の持つユニークさに目から鱗というか。虚虚実実というものが全ての面白さのコアなのかと思ってみたり。歴史劇を作るということでも色々勉強になったし楽しかったし。

雨で頭が痛いという理由で布団に転がっていても何も始まらない。

われ発見せり

2013-10-11 17:23:27 | MOVIE
最近は夕方起きて、日暮れ頃から机に座って、深夜ラジオが終わるくらいまでだらだら作業して、映画観て寝るみたいな生活です。昼頃暑くてよく目を覚まします。目的地がわからなくなって迷子になる、といった類の夢を頻繁に見ます。

数年間探してたものに出会う、という事が最近ありました。本とか映画とか、探し中な物はいくらかありますが、今回はアニメです。未就学児だった時分にテレビで見た、まんが日本昔ばなしの1本が強烈にインパクトに残っていて、大学生の頃それを思い出してから、折りを見ては探してました。なので、1年に1・2回日本昔ばなし期に入る時があって、去年の秋口にも訪れたそれと同様に、今回も探しついでに適当に観ました。

私が探していたのは『七色の橋』というお話でした。当時の印象とずいぶん違いますが、自分が記憶していたお話とほぼ同じだったので、間違いはないと思います。この話は、男が離れ島に岩で橋をかけようとするも、海の神によってそれを阻まれるというお話です。幼い時分に強烈に印象に残っていたのは、身の丈よりも何倍もある岩石を持ち上げた男が荒波の中でそれを投げるところが恐ろしかったようです。記憶の中では劇画調で物々しい画面だったと思っていましたが、実際はコミカルなタッチでずいぶん違う感じでしたが、色合いがサイケだし、画面構成が大胆なつくりだったので、子供心を不安にさせるには十分だったのでしょう。和歌山の昔ばなしらしく、その話は台風がよく来る地方独特のものだと思います。

日本昔ばなしは短いお話しで、声優も2人ですし、音響効果も最低限な物で構成されています。そのミニマルな要素が上手くはまった時は、えもいわれぬムードで心に染み込んできます。今回みた中で一番印象に残ったのは『姥清水』でした。シリーズの中で自分が今まで見た物では今のところこれが一番だなと思います。総じて自分は悲しいお話に心打たれるようです。動物が出る話も好きです、村のつまはじき物と動物が心を通わせる類の話は見ていて目頭が熱くなります。

落語もそうですが、気持ちのいいサゲよりはナンセンスなものが好きです。結局はホラばなしですから、幾分か抽象化されていて入り込める余白を大きく取っている物語が好きなようです。

2013-10-07 22:04:17 | LIFE
ベランダの前の木がキンモクセイでいい香りがします。でも、なかなか風邪が治らなく鼻が詰まって難儀してます。本当はもっと妖しく香ってるのかしら。映画を観ました。スペイン映画の『悪人に平穏なし』デンマーク映画の『ダンサー・イン・ザ・ダーク』フランス映画の『24時間の情事』『チキンとプラム ~あるバイオリン弾き、最後の夢』。

漫画を色々買いました。吾妻ひでおの『アル中病棟』がウルトラでした。身につまされるところが多々あった。一番響いたのは。自己評価の低い人間は問題のあるパートナーを選びがちという一説。絵の質量が地を這う魚の頃と変わっていた。自分は、地を這う~の方が好き。多分あの作品は背景も全て自分で描いてるから絵の気持ちよさが違うように思う。

5lackの新譜をアルバムとシングル買いました。

今日青年誌の担当さんから原稿入りましょう、といわれたので、今週から作画期間です。秋なのでさんま焼いて炊き込みご飯を晩飯に作ったら美味しかった。

夏の終わり、地獄

2013-10-03 17:00:49 | LIFE
数日前より風邪を引いています。だいぶ治まってきましたが、咳が出るようになりました。終日床に伏せっているのは精神衛生上よくないです仕方ないですが、その間に読書に精をだしていました。直木三十五、川口松太郎、岩田専太郎など大正末期の大阪はプラトン社にいた面々の伝記やエッセー、対談といった人となりがわかるような本を買っては読んでます。

先日某社に原稿を渡しに行く予定があったのですが、当日に予定が反故になってしまい、しょうがないので映画でも見ようと思いまして。熊切和嘉『夏の終わり』園子温『地獄でなぜ悪い』を観ました。夏の終わり、はレトリックに終始した映画で風邪っぴきで観るには辛いものがありました。一方地獄でなぜ悪い、は園子温があまり得意でもない私をしても、ウルトラ面白かったです。もう一度観たいくらいです。

先月作ったコンテがどうもあまり評判がよろしくないようで、体調を悪くしているのもあいまってことのほか憂鬱です。大正時代の風俗やそのころの事を描いた本ばかり読んでいるせいか、夢の中に見たこともないような女郎や文学者が出てくるので困っています。自分が何をしているのかよくわからなくなります。