路上詩人への還り道

一年ぶりに路上に座ってみた。初めて路上に座った時と同じ場所の、一番日当りのいい場所を選んで座ってみた。
ビルとビルの間から射し込む、まだ低い太陽の光が眩しい。少し風が強い一日だった。
初めて足を止めてくれた女の子。彼女の胸の奥の方に、何か少し、柔らかいものが残ればいいな。

色んなことを忘れてしまっていたけれど、来てくれたみんなは、この一年の間、まるで何も無かったように温かかった。

かつて僕が描いたコトバたちは、少し優しかった。そして、とても厳しかった。まるで僕を叱っているようだった。でも、かつて僕が描いたコトバたちは、僕が感じたのと同じくらい、嬉しそうだったよ。

とても大事な一日だ。・・・それが、人生の中の、ただの一日だったとしてもね。


初めまして、路上詩人のシングです。どうぞよろしく。