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!morning thunder=朝の神鳴り!

 思いつきを書きながら、思いもかけない場所に行き着つきたい それだけが望みです

一意性の証明

2006-02-12 13:07:40 | 作り話
 数学のわけがわからなくて、めんどくさい証明の一つに「一意性の証明」というのがある ある性質を満たすモノが一つしかないということを背理法を使ったりして証明する
 富士山は日本一高い山である もし、富士山が二つあるとすると、変だ なぜ変かというと日本一が、二つあることになる だから測り直してもらって、どっちが本当の富士山か決めようとなる 富士山選手権である 話は盛り上がる どっちが勝つのか愉しみだ 賭けをしよう 
 しかし、このあたりから、誰かがこんな話は聞いた事がないという 
 そうだよなと誰からともなく声が上がる
 大体、二つあるというのはオカシイよな やっぱガセでしょう 最初から変だと思ったなどという御仁も現れる よって、富士山は一つしかない等と証明する   何となくバカらしいが、大体こんな感じだ
 私にとって一意性の証明というのは、切実さに欠けている 一つでも二つでもいいのではと思う 白黒はっきりさせなくてもと思う 互譲の精神に欠ける せちがらいと思っていた
 ところが油断していたせいだろう 思わぬ事件に出くわし、一意性の証明の必要性を感じる次第になった
 「先輩、昨日馬場の映画館にいたでしょう」これが事件の発端である かわいい後輩によると、私は一週間ほど前、馬場周辺の映画館に麗しい乙女と映画鑑賞をしていたようなのだ デート中の先輩に声を掛けるのはどうもと気が引けたらしい
 「そんなことあったかな?」などととぼけて答えたが、そんなことなどあるわけないことを、反射的に理解していた これほどに稀で、画期的なことを一週間やそこらで忘れるはずがあろうか?
 後輩との話はこれで終わりなのだが、四谷あたりだったと思う 一応デートで映画鑑賞に出かけた 映画を鑑賞していたのか、別のものだったか、まあどうでもいい
 そこにいたのだ
 ホンモノの「私」が、しかもロン毛の麗しい乙女と一緒にいたのだ
 実に感じのいいやつで、確かに「私」とよく似ている 明らかに、「負け」である ホンモノは違う
 この事件以後私は、このホンモノに出くわさないように気をつけるようになった すると、またしても別の後輩が、またホンモノの私に遭遇したらしいのだ 渋谷あたりらしい
 「なんだ、見つかっちゃったのか」などと答えてやった
 生息範囲が似ているようだ
 私が一意性の証明に目覚めたのは、今も何処かで麗しい乙女と映画を見ているホンモノの「私」のお陰である
  
 
 

 
 
 

湿気たポテトチップス

2005-05-26 18:54:10 | 作り話
 勢いよくポテトチップスの袋を開け、口に放り込んだ 
 徹は、ポテトチップスが大好きだ 
 ところが、なぜかこのポテトチップスは湿気ていた 
 「ちぇっ」と舌打ちをすると、徹は家を飛び出す
 交換してもらうためだ
 「レシートありますか?」と笑顔のかわいい店員さんに言われた 徹のタイプだ
 「なくしました。でも間違いありません。」
 と喰い下がる
 「すいません。レシートがないと交換できない仕組みなんです。」
 「そこを何とかお願いします」
 「ちょっと、中で相談してきますね。待っててください」
 しばらくすると、中で女の悲鳴がする
 「ドロボウ!!ヒトゴロシー」
 黒い塊が奥の部屋から飛び出し、徹の脇を過ぎていく
 「その人を捕まえて!!」
 お決まり通りのストーリー展開
 果たして、徹はこれからどうするのか おそらく徹は黒い塊を追いかけるだろう
 徹は、この強盗を捕まえることが出来るのか?
 はたまた、このコンビニの店員さんと徹の恋の行方は?
 そして、湿気たポテトチップスは、本当にパリパリのに交換してもらえるのか?
 スリルとサスペンスの物語りは、まだ始まったばかりだがこのアタリで唐突に中断される
 続きを知りたい方は、自分でテキトウに作ってくれ!!

 
 
 
 
 
 

詐欺師

2005-04-28 15:15:49 | 作り話
 彼はガラクタの山を前にして、溜息をついた 癖のようなもので深い意味はない 仕入れるたびに、このガラクタの山を二つに分けなければならない 
 彼自身は本物の詐欺師なので、本物と偽物の区別は、そこらの鑑定士よりは目利きだ 偽物と本物を区別することなど実はたやすいことなのだ だって本物はヤッパリ違う
 彼がこれから取り掛かろうとしていたのは、本来偽物でしかありえないものを、本物の偽物と偽物の偽物を区別する作業だ どのみち偽物なのだから、どっちでも良さそうなものだが、そうでもない うまく騙せるかどうかが、問題なのだ この区別に彼は詐欺師生命の全てを賭けていた 愉しい作業でもある この壷にはこんな話をくっつければ、本物らしくなるとか 一見偽物らしいが、本物ぽく加工することもあった
 こうして分けた「本物」の壷を「カモ」の所に持っていく 金持ちの見栄っ張りが良いお客になる ちょっと薀蓄を傾け壷を見せた 「カモ」は悩ましげに顔をゆがめ今にも買いそうだ このタイミングを見計らって、退室を申し出る 「カモ」が札束をもって追っかけてくるのが分かる 嬉しい瞬間だ 少し渋って、壷を渡すと偽物が本物になったような不思議な感覚がある
 つかまらなければ、割のいい仕事だ
 札束の一部は、仕入れの資金に使い残りは貯金した
 この仕事も長く続ける仕事ではない 引退して、庭いじりでもして余生を送りたいものだ
 最初ほどスリルもないし、やはり罪悪感もあった
 ただ、好きでもあったし、惰性で他にやることもないからやっている しかしぼちぼち潮時だろう
 実は最近、警察に目をつけられている気がする ふとした瞬間に視線を感じるのだ この手の勘はあたる
 ぼちぼち引越しした方がいいだろう
 
 

 
 
 



おおかみ少年と裸の王様

2005-04-06 14:53:46 | 作り話
 ある日王様が伴のものを引き連れて、裸で歩いていた それを見ていたおおかみ少年は、王様は裸だといった すると、みんなおおかみ少年がまた嘘を吐いていると思って取り合わなかった また、王様が裸で歩いていた おおかみ少年はまた王様は裸だといった みんな取り合わなかった また王様は裸で歩いていた おおかみ少年は、ふと周りを見回した みんな裸だった 流行りか?

風が吹けば桶屋が儲かる

2005-03-30 18:16:48 | 作り話
 風が吹けば桶屋が儲かるという話がある ちょっと説教くさい叔父さんに小学生の時、教えてもらった 印象深かったのか、覚えている それが、嘘というかちょっとありえない話だと気がついたのは、割りと後になってからのことだ それまでは、実話だと思っていた
 ふと、似たような話を作ってみようと思いついた カテゴリーも追加して、「作り話」カテゴリーに入れよう
 風が吹けば蕎麦屋が儲かるにお題を替える 桶屋を蕎麦屋に代えただけだ さてどうしたものか?
 まず、思いついたのが、蕎麦屋だから引越しが増えて、引越し蕎麦が売れ、蕎麦屋が儲かるというのにした 次に、風で埃が舞って、家の中が埃だらけになる この二つを何とかつなげないといけない
 しばらく、考える 部屋が埃だらけになると、掃除機で埃を吸い取らないといけない みんなが掃除機を使うので、発電所がパンクする そうに決まっている 停電してしまう 真っ暗だ こんなところにはとても住めない で引越しをする かくして、蕎麦屋が儲かる
出来た!!



パジャマでオジャマ

2005-03-22 19:37:39 | 作り話
 その夜は、新月で外は真っ暗闇だった 街灯もなく人目につく心配はない 私は、パジャマ姿のまま、そのマンションから抜け出そうとしていた 明らかに何かよからぬことをしたのだが、何なのかは、思い出せない
 とにかく家に帰ろう このマンションから家までは、目をつむっても行けるぐらいよく通った道だ
 家のごく近くにまできたので、何となく安心したのだろう 逆に大胆な気持ちになってきた ちょっと近道をしてやろう 交番の前を通ることにした 
「ちょっと、そこの人」
 警官が私を呼び止める 顔が引きつる 全身に冷や汗が流れる 警官は馬鹿にしたような顔をして
「そっちの道は工事中だよ」
という
 私は、言葉が出ず、口をパクパクさせて、何度もうなずいた 足ががくがくする
 私は家に帰りベッドにもぐりこむ これで安心だ
 ふと隣のベッドを覗き込む 女が死んでいる
 夢でよかった
 

白鯨を川で釣る

2005-02-28 12:07:55 | 作り話
 竹の釣竿を持ち、渓流に出かける 新芽が芽吹き、水底では沢蟹がじっとしている めだかが編隊を作って泳いでいる 適当な岩場に座り、私は、餌をつけないで魚釣りを始める しばらくすると、手ごたえがある
 それは途轍もなく大きな白い「ク ジ ラ」だった エイハブ船長が、長年捜し求めた白い悪魔が釣れたのだ 私は、驚き、恐れ、放心した
 なぜ、このようなことが起こるのか?
1無欲だったから(餌をつけていない)
2競争相手がいなかったから(まさか川に鯨がいるとは思わず、誰も試していない)
3そしてなにより、白鯨が私のことを好きだったから(嫌いなヤツのところに、自分の方からわざわざ来るわけがない!!)
世の中なにがあるか分からない
今日は、宝くじでも買おうかな

我シンシュノ虫ヲ発見セリ

2005-02-09 10:06:15 | 作り話
 私は高名な昆虫学者のもっとも若い弟子である 先生は白い髭を生やし学者らしい鋭い視線とどこか仙人風の浮世離れした風格をもっている 先生がシンシュの虫を見てみろと私に言う 私は顕微鏡を覗き込む 別に変わった所のない線虫が二~三匹いるだけだ 私はがっかりする
 先生は喋ってみろという そこで「あー」というと驚いたことにというか、魂消たことにこの虫は「あ」の字の形に変形するのだ 私が「いー」いうとやはり「い」の形になる
 このノーベル賞級の発見に私はものすごく興奮していた そしてなぜか次の瞬間テレビチャンピオンと叫んでいた するとこの虫はしばらく悩んで チャンピオンベルトのエンブレムの形になる この虫は悩む 面白い 途轍もなく面白い 私はこの虫に色々な指示を与えてどう反応するのかを研究する必要を感じていた 残念ながらそこで目が覚めた
 この虫に関して今思いつくのは 2+3=という問題だ 果たしてあの虫は何と答えてくれるのだろう 人生相談なんかもしてみたかったな
 まだ名前をつけていない カガミムシというのはどうだろう 鏡虫