奈良では雨は止み午前9時前までの総雨量は21㎜、8.8℃と暖かな朝だった。
昨日までの乾燥注意報の代わりに、今日昼からは強風注意報!に。
昼過ぎから寒波の来襲で日本海側でも、昨年に懲りたか雪を伴う暴風警報が
早くも発令されている。
明日の朝は奈良でも2㎝程度の初雪があるかも?、こんなに暖かいのに。
11時過ぎには雲の隙間から日差しも、春日奥山は徐々に姿を現し始めた。

今回は真冬がやってくるよう、その前に12月2日に訪れた世界歴史遺産の一部
「平城宮跡歴史公園」内、2010年指定の特別名勝「平城京・東院庭園」に
凝りもせず最後の紅葉をと出かけるも紅葉はほぼ終わりで一週間遅かった。
「平城宮 東院庭園」は、昭和42年に平城宮東張出し部の南東隅に発見された
庭園跡で、『続日本紀』に記された平城宮「東院」にあたり、称徳天皇は
「東院玉殿」を建て、宴会や儀式を催したとされている。
発掘調査では東西80m×南北100mの敷地のなかに洲浜敷の池が設けられ、
その周囲に建物が配されていたことが判り、その後復原整備が進められた。
この東院庭園は、奈良時代後期に独自の進化を遂げた日本庭園の原型で、
中央に池を配置して平城宮内で営まれた宴遊空間が再現されている。

庭園入口には、発掘された遺跡の西建物が復元され、ガイダンス施設となる。


隅楼を眺める。

隅楼上には鳳凰が羽を広げる。

隅楼から池泉をみれば、小石が敷き詰められ、出島や入江が造られた複雑で
かつ美しい日本独自の庭となり、前期の大陸風の逆L字の単純な池とは違い、
奈良時代後期の庭園とされる。


反り橋を渡り北東建物に。

反り橋の向こうに我が国最古の築山石組(発掘時を再現し、一部は露出)が
現れ、古くは「仮山」といい、水際を際立たせている。

西側に流れる遣水(やりみず)、いわゆる曲水が設置されているが
右の木の陰で一部が・・・古墳時代に遡るとされる「曲水の宴」、
杯がこの水路を流れる間に、歌を詠まれていたらしい。


隅楼から東の壁の上に、春日奥山の稜線が・・・


古の奈良の優雅な遊びが偲ばれました。