やっと寝入りばなもエアコンの世話にならずに済むようになり、今朝の最低
気温は21.5℃と、シャッターが6時に上がると開いた窓から冷気が流れ込む。
同時に夏布団に丸まれば、『重陽の節句』と同時に秋がやってきたようで、
最高気温がお昼に27.5℃とエアコンなしで過ごせる。

『重陽の節句』は旧暦の9月9日(新暦では今年は10月25日)を指すが、古来
中国、陰陽道において縁起のよい陽数の(奇数)の最大値である9が重なること
から「重陽」と呼ばれ、五節句(人日、上巳、端午、七夕、重陽)の中でも
最も重んじられ、さらに菊は仙境に咲く花とされ邪気を払い長生きする効能
があると信じられることより、この菊の花を飾り、酒に菊の花びらを浮かべ
酌み交わす風習が中国から伝わり、宮中では平安時代から行われていたと。
また前夜に菊の花を真綿で覆って菊の香を移し、その翌朝に露に湿ったこの
真綿で顔や体をあて、不老長寿を願う行事『菊の着せ綿』も行われたようだ。
例として歌集「紫式部集」などに、藤原道長の正妻・源倫子から紫式部へ
「菊の着せ綿」が贈られた折の返歌(1008年)を記している。
「菊の花 若ゆばかりに袖ふれて 花のあるじに 千代はゆづらむ」
ほんの袖先だけ触れさせていただき千年の寿命はあなたにお返しします。
*菊の別名は翁草、齢草、千代見草・・・と
現在は行事としては廃れているようだが、和菓子の世界で『着せ綿』として
受け継がれ、残っている。
連れ合いが昨日の稽古の菓子としてつくったもの。

我が小庭で菊を見れば蕾すら出ておらず、シュウメイギクも蕾が固い。
今庭では黄色い花を咲かせているのは種取り用の『モロヘイヤ』の花だ。
モロヘイヤは熱帯のアジアアフリカ北部原産で、語源の由来はエジプト王が
このスープを飲んだら病気が治ったことから「王様の野菜」という意味の
アラビア語「ムルキーヤ」がもとになるとされる。

この花には毒はなく、

下部には開花後、小さなさやが出来ている。

このさやの中に入っているタネが毒をもち、強心作用があるストロファン
チジンという毒素が含まれており、取り扱いには気を付けてください。