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移転しました(2014/1/1)

においの感覚

2012-03-10 | ヒストリ:平安の風

昨日の日記、もの凄く変な切れ方してますね。
もー本当に眠たくて書きながら船を漕ぎ、何度か机に突っ伏しました。
変な感じの文章ですが、そんな変な内容を書いてなくてほっとしました ^^A

昨日UPしたのは「平安ライフ」と「平安スタイル」の2ページです。
前者はほぼ全面書き変え……と言いますか、ほぼ元の形がありません…
元々1話であった貴族の生活、食生活の話とお風呂等衛生の話を、分量が多くなったという理由で2分割しました。
今回更新したのは食生活の方。
このページで生き残ったのはお酒の話と糖尿病の話くらいじゃないだろうか。
平安中期、藤原道長や紫式部といった「いかにも平安時代!」の人々がどういう食生活を送っていたのか。
興味がある方は是非覗いてやって下さい。

藤原氏の全盛期を築いた藤原道長が糖尿病で亡くなった事は有名ですが、あの最期を見ると本当に壮絶です。
絶対に糖尿病で死にたくない。(と思うような亡くなり方をしている)
亡くなる10年ほど前に糖尿病からくる白内障で目が殆ど見えなくなり(目の前にいる人の顔が判別できない)、手足には痺れが出、亡くなる少し前にはトイレにも自分で行けなくなって失禁を繰り返し、背中には女性の乳房程の腫れものが…
医者が溜まった毒気(膿かな?)を抜くために針をさすんですが、僅かに膿と血(と絶叫)が出たくらいで何の解決にもならず、その後すぐに亡くなっている。
その上心臓病だか狭心症だか、とにかく胸の病もあったようです。
今回の更新では削ったのですが、昔読んだ本には脚気を患ってもいたという記述もあってだな…
手足の痺れというのは脚気の症状でドンピシャですなあ。
糖尿病予備軍の人にこの辺りの話印刷するか何かして渡したらいいんじゃない?と私は思う訳です…
気持ち上の予防になりそう。
 
「平安スタイル」の方は髪型の話になります。
これは昨日も書いたようにイラスト以外は触っていません。でも一番この話が好きなんだよね…(笑)
自分で書いていてなんですが、平安時代や歴史に興味がない方が読んでも、結構面白い話だと思います。
キーワードは「パンツ脱いでる状態」です。

今の感覚から言うと、なんで”あれ”が”パンツ脱いでる状態”(でいる位恥ずかしいこと)か、理解しがたいです。
だって、そうだと今みんなパンツ脱いでる状態だぜ!^^;
昨日書いた事ですが、1000年違うと、本当に色んな事が違う。
生活は勿論、心のあり方とか、ものの感じ方とか…



以下閲覧注意



 
平安時代で、え?と思うのはですねえ、生活の違いもさることながら、平安京の汚さです。
中世ヨーロッパがどれだけ汚かったか、ご存じの方も多いと思いますが、あれを少しマシにした感じじゃないかなあ…
尾籠な話ですが、庶民は路傍排便なんですよね。
大の方は一応場所が決まっていたみたいですけど。トイレ的な施設も一部にはあったようなのですけど。
溝に流すにしても、平安京は一応都市ですので、人口が多く溝で流せなくなったりとか、鴨川が氾濫した時とか…
いやいやいやムリムリムリ!
…ぞわっとする話です。

それに死体も目にする機会が多くてだな、ちょっとびっくりするけど、内裏の中を犬が人の腕を銜えて走っていたり、ふっと庭に目をやったら人の首が落ちていたりする(貴族の家)。
あーうんうん。あるある。よくある。
 
……。
……………。
………………ねーよ!

と突っ込みたいですけどね…
ハイ…あるんです…

中流の家なんかで使役している人間の中に病人が出たら道端に捨てます。
で、捨てられた方は物乞いなんかをする訳ですが、やがて餓死する。
死体はそのまま路傍に放置され、それを犬が食ったり鳥がついばんだりする。
食い残された頭なり腕なり足なりが犬によって内裏だったり貴族の家に運ばれてくる。
道長の時代の話です。源氏物語が書かれている時代の話です。
同時進行している世界とは思えません。
そりゃあね、こんな世界じゃ疫病だって流行しますよ。

ただ、最近調べていて思った…というか、認識を改めた事がありまして。
平安時代の貴族、自分が思っていたほど不潔ではなかったみたい。
従来言われている

「平安時代の貴族=ほとんどお風呂に入らない、髪の毛を洗うのは1年に1度=不潔」

この認識、恐らく一般的な認識でいいと思うんですが、これ、間違ってる。
 
道長のお爺さんが子孫たちに残した教訓では”風呂”には5日に1度入れといっていて、
また行事がある度に小浴を行っている。
風呂というのは蒸し風呂の事。要するにサウナです。
汗をかいて汚れや垢を浮かし、小枝や着ている湯帷子(ゆかたびら)でそれを落として、水なりぬるま湯なりで流す。
小浴は要するに行水ですが、この場合は精進潔斎とか、そんな感じ。
汚れを落とすというより、穢れを落とすことが主目的。
とにかく、サウナと行水を入れると2・3日に1回は体を清めているのね。

体を洗う事や洗髪に関する認識は、今を基準にするのは大間違い。
特に毎日頭を洗う、なんて恐らくこの半世紀位。
お風呂を焚くには経済力がいる。大量の水(を汲む労力)と、その水を沸かす燃料(費)が必要。
そんな事戦前では難しくて、近所にもらい湯や銭湯に行くのが普通だった。
『坂の上の雲』(小説)でも、秋山真之がお母さんをおぶってもらい湯に行く場面がありましたが、あれはありふれた風景だった。
昔から言うと、今のきれい好きは異常。

だから、2・3日に1度のサウナ&行水でも、当時からするとかなり清潔な感じだと思う。
何故そんな誤解が一般認識になったのかが不思議ですが…
勝手に不潔だと思っててごめんね、という感じです。

ただ、今のように石鹸などがないので、脂がきれいに取れたか、においがきれいに取れたか、と言われたら、正直な所どうだろうと思う^^;
まあ、においの方はその為にお香があるという事もありますが、貴族のお屋敷から一歩出たら上記のような感じなので、もしかしたら大して気にならなかったんじゃないだろうか。
糞尿臭や死臭の中を馬や牛車に乗って行き来するんだぜ…

時代は隔たりますけど、そう考えたら今の大河ドラマ、あれでもまだ滅茶苦茶きれいだと思うよ。 


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2 Comments

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Unknown (ジゴロウ)
2012-03-11 07:33:17
道長といえば、糖尿病の記念切手とかあったような…
(持ってますか?)

都内でも、まだまだ風呂なしアパートとかありますよ。

そういえば、町工場の多い地域などは、風呂屋の営業時間が、暮らしの中心だったとか…
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>ジゴロウさん (ヒジハラ)
2012-03-11 08:32:07
ありますよ~
この前の切手の話は、その道長の切手を出したついででした^^
うちの弟も風呂トイレ共同の学生アパートに住んでますよ~。冬は辛いものの慣れみたいですね。
お風呂に限らず生活インフラは今が史上有り難いほど便利で、その上私たちにとってはこの生活が基準なので、昔の生活は想像しにくい所がありますね…
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