性犯罪報道と『オタク叩き』検証

大谷昭宏part17スレの138、siebzehn138による、海外情報等の補足。『オタク叩き』は性犯罪抑止にあらず。

『二次被害(報道被害含む)』カテゴリー作りました

2005-06-28 14:59:05 | お知らせ
奈良事件被害者両親による報道各社へのコメントと性犯罪被害者への『報道加害』被害者の殺害を喜んでダシにした野田聖子氏による『勉強会』カスパルに関するエントリー、計3件を新設した『二次被害(報道被害含む)』のカテゴリーに入れました。

カスパルが高崎・奈良事件関係者に署名要求 (11月24日追加)

2005-06-25 23:13:45 | 二次被害(報道被害含む)
(2005/11/24) カスパルはサイトから、近藤氏の高崎訪問に関する記述を『国内の子どもたちの被害』から完全に削除したものの、ヘッダはそのときのまま、ファイル名自体も被害者の名字のままである。

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(2005/07/26) 以下の件のその後ですが、カスパルのサイトでは『奈良事件被害者宅への訪問記』はトップメニューから外されましたが、18禁ゲームの製作・情報誌出版に関わっているとカスパルがみなした企業に『質問状』を送りつけています。

また、高崎事件の第5回公判に関し、「2週間前から女児殺害想定」との報道が、7月16日に東京新聞(中日新聞)でなされました。
高崎の女児殺害公判 2週間前から殺害想定

 高崎市の県営住宅で昨年三月、小学一年女児=当時(7つ)=を殺害したとして、殺人罪などに問われた会社員野木巨之被告(28)の第五回公判が十五日、前橋地裁高崎支部(大島哲雄裁判長)であった。

 被告人質問で、野木被告は殺害の動機を「性的な欲求はあったが、その欲求は職場のストレスがたまって生じた」と供述。女児を襲った上で、殺害することは、「(犯行の)二週間前から想定していた」とも述べた。

 野木被告は「自分勝手にひどいことをした。申し訳ない」と謝罪の言葉を口にしながらも、検察側から、遺族が望んでいるとして、押収した自作の人形を放棄するかどうかを問われると、「自分にとっては子どもみたいなもの」などと述べ、取り乱した。最終的には同意したが、人形への強い執着を見せた。

 裁判官が「命の大切さを分かっているのか」などと質問すると、野木被告は「今は分かっている」と答え、最後に「(女児の)両親を大きく傷つけた後悔の念がある」と述べた。十月十四日の次回公判で論告求刑と弁護側の最終弁論を行い、結審する予定。
また、押収品の人形を放棄する(没収となる)よう、検察側が被告に要求した問題については、以下エントリーをご覧ください。---
  • アジアの児童買春阻止を訴える会 カスパル http://www2u.biglobe.ne.jp/~caspar/
直接リンクする気も起きません。

高崎事件と奈良事件の被害者遺族に直接会おうとしたものの、高崎では、すでに家族が出払った被害者宅にて、『親戚』を名乗る者から「まわりは何もしてくれない」との言葉を得て、小学校校長とPTA会長には『署名活動を袖にされた』と非難する文章を載せています。

『署名』の内容については文中では明らかになっていませんが、カスパルも参加している『美少女の登場する18禁ゲームソフト・アニメ・雑誌』の撲滅運動団体、ジュベネイル・ガイドによるものと同一とみられています。

素朴な疑問、『美少年』はスルーなのね。『少女が襲われるから規制を』という発想ならば、男児への性犯罪はどうでもいいのか。なんか、カスパル関係者はつい最近になってBLゲーを知って、「宝塚にあこがれるようなもの」と大して批判してなかったが。(その割には、知人の子供を預けた施設で801同人誌没収されたのを容認してる。意味不明。)奈良事件に関しては、まだ報告が挙がっていませんが、5月11日分で書いたように、被害者両親は取材ヘリ騒音、ゴミの不始末、ポストへの質問状投函などで、マスコミに対して怒りを表明しています。

朝日新聞では両親の名前を載せた上でマスコミへの表明文を掲載しましたが、基本的に現在は、被害者本人の名前を含め、両親もマスコミでは匿名で報道されています。

しかし、カスパルサイトでは、事件からすでに日が経っているにもかかわらず、被害者の名前を載せています!

高崎での報告を読む限り、被害者の通った小学校関係者は、事件を利用しに来ただけの、カスパル近藤代表に対し「そっとして欲しいのに、なぜ来るんだ?」との怒りと疑念しか、持ち得なかったことがわかります。

(2005/06/26) 以下のブログでは、こちらより先にカスパル近藤氏の行動に対し、『本当に考えないといけないことを覆い隠してしまう』と批判を掲載しています。もちろん、被害者の名前を伏せた上です。そういえば、高崎に行った日が『2005年8月24日』になってるんだっけ…。ジュベネイル・ガイドがコンテンツを大幅削除したとした日付も『20005年』だし。ウラシマ効果かタイムマシンでも使えるのか?あの人たちは。

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(2005/06/29) カスパルのトップページからリンクされていない、組織情報のページ。
http://www2u.biglobe.ne.jp/~caspar/casp.htm

トップでは市外局番が4桁のままだが、なぜかこのページだけ現在の3桁になっている。しかし、今年度をもって国税庁の税金控除認定は断念している(申請に必要な書類の数が多いので、それよりも活動に専念したいとの代表言だが、ろくに報告できる活動もしていないのが実態)はずなのに、『支援金に対する税金控除対象認定特定非営利団体』と名乗っている。

ただ、トップページからは税金控除認定の記述は外しており、詐称自体は罪だが、残念ながら法律に罰則が存在しない。

そういえば、ジュベネイル・ガイドは『一部の心無い方の中傷等』で住所以外の組織情報をサイトから削除しているのだが…。
http://www.juvenile-guide.org/action/siryou.html

(『資料』のページ。ここに掲載された住所は、アダルトPCソフト会社・有限会社ソシエッタ代官山の住所と同一。)

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高崎事件に関しては、6月3日に前橋地裁高崎支部において第4回公判が行われ、被告の精神鑑定を行った大学助教授へ証人尋問がされました。
高崎市の県営住宅で昨年三月、小学一年女児=当時(7つ)=を殺害したとして、殺人罪などに問われた会社員野木巨之被告(27)の第四回公判が三日、前橋地裁高崎支部(大島哲雄裁判長)であり、野木被告の心理鑑定を行った大学助教授(精神科医)の証人尋問があった。大島裁判長は「(犯行は)対人関係の困難によるストレス下で、攻撃性が衝動的に突出した」とする鑑定結果の採用を決めた。

 検察側が、心理鑑定結果の証拠採用に不同意したため、大島裁判長が職権で尋問。鑑定人は女児殺害について、「性的衝動が大きな原因ではなく、第一のきっかけは職場の人間関係から来るストレス」と証言。鑑定の際、野木被告が「自分が恐ろしい人間だと同僚に示したかった」などと答えたことも明らかにした。

 鑑定は、野木被告について(1)少女に性的関心を示す小児性愛の傾向はあるが、成人女性との関係を結べない代償的なもの(2)社会性の遅れや自我の未成熟で、怒りやストレスをため込みやすい-とし、「感情処理技術の向上と性教育などを含む専門的治療が望ましい」と結論付けている。

 心理鑑定のため、公判は一時中断し、野木被告が法廷に姿を現したのは約八カ月ぶり。少しやせており、黒い長袖Tシャツにジーンズ姿で、終始うつむいて証人尋問に聞き入った。
女児(当時7歳)は午後2時すぎに校門を出た。昨年3月11日、群馬県高崎市。県営住宅のエレベーターに乗り、途中で同級生が降りて1人になった。10階でドアが開く。

 通路を歩き始めた時、後ろから伸びてきた太い腕にランドセルをつかまれた。17・5キロの体は宙に浮き、隣室の玄関に投げこまれた。「いやーっ」。叫び声に動揺した男は馬乗りになり、細い首を力いっぱい絞めた。

 外で女児を捜す母親らしき声がした。男は動かなくなった女児を押し入れに隠し、自転車で工場の夜勤に向かった。

 「大人の女の人は絶対、自分なんか好きになってくれない」。4カ月後、婦女暴行殺人罪などで起訴された野木巨之(のりゆき)被告(27)は法廷で言った。事件後、血のついた帽子とランドセルを母親に見つかり、犯行が発覚した。裁判で事件について聞かれると涙を流し、アニメの話では冗舌になった。

 幼いころから漫画を描くのが好きで、「おたく」とからかわれた。描いた少女をフェルトで人形にした。上京し専門学校の漫画家養成コースに進んだが、「目指したものと違う」と帰郷し、鋳造工場に就職した。酒も賭け事もしない。女性との交際経験もない。工場では寡黙で、勤務成績はトップだった。

 仕事が終わると、数十体の人形がある部屋で、美少女を育てるアニメゲームに没頭した。等身大の美少女フィギュアにぬいぐるみを抱かせて部屋の隅に座らせ、寝る前の1、2時間、その日のことを報告する。

 美少女フィギュアやゲームに群がる若者は増加しているが、被告の場合、人形やゲームで発散してきた欲求がなぜ、女児に向かったのか。法廷で「自分を受け入れてくれるような感覚が、モノからは伝わってこない。ぬくもりが欲しくなった」と言った。

 検察官「もし人形を壊されたら」

 被告「ずっと自分を支えてくれた。身が裂けるよりつらい」

 検察官「遺族は子供にもっと思い入れがあることが分かってるのか」

 被告「はい……それは分かります」

 女児に性衝動を覚え始めたのは母に交際相手ができた時期と重なる。父は一人息子(野木被告)ができても家に寄り付かず、中3で離婚した。母を守ると決めた被告にとって、母の交際はショックだった。「愛情を独り占めしたい気持ちがあった」。成人女性を「まじめでないし、だらしない男に魅力を感じる。納得できない」と思った。

 会社員の母(48)は息子の性癖に気づきながら部屋に入らなかった。息子に頼まれ、警察に押収されないよう人形を隠した。「私が責めては本当に寂しい子になってしまう」。法廷で母の証言を聞いた被告は、いたずらをして母と謝りに行った子供のように泣きじゃくった。
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以下は、『18禁ゲームと等身大人形が事件を誘発した』と結論付けたことで、古鳥羽氏のサイトにて、『繰り返されてしまった人形趣味者への偏見報道』として批判された記事からですが、職場にて自分の趣味をけなされたこと、また、被害者から自分が拒絶されることを理解できずにパニックに陥った短絡的な犯行であることが、以上の東京新聞・毎日新聞記事と比較するとわかります。
  • 治安の死角 第3部 性犯罪・1 子供狙う「支配欲」 (読売新聞 3月23日朝刊)
昨年3月、群馬県高崎市の小学1年の女児(7)が殺害された事件で公判中の野木巨之(のりゆき)被告(27)は、精巧な少女の人形とともに、「ロリコンもの」と呼ばれるわいせつゲームを欲求のはけ口にしていた。

勤務先の工場で同僚からバカにされたのをきっかけに、それだけでは満足できなくなった。犯行の約1か月前、「少女なら自分を受け入れてくれる」「子どもと性行為がしたい」という妄想にとりつかれた。

「女児を自室に引きずり込んだ時、男はすでに殺害を決意していた」冒頭陳述で、検察側はそう指摘した。
  • 子どもへの性犯罪2 にっぽんの安全 奈良事件から 小児性愛 矯正教育「なかった」 (朝日新聞 2月7日朝刊)
エレベーターの扉が開き、隣室に住む小学1年生の女の子が出てきた。黄色い帽子に赤のランドセル。イメージ通りだ。後ろから抱きつき、開けておいた自宅の玄関に放り込んだ。悲鳴。慌てて首を絞めた。

群馬県高崎市、県営住宅の10階。04年3月11日、午後2時過ぎだった。

 逮捕された男(27)=殺人罪などで起訴=の自室には、ロリコン雑誌やDVD数百点のほか、アニメの美少女フィギュア(人形)2体があった。

 内気で女性との交際経験がなかった。1体47万円、身長120センチのフィギュアを「恋人」にした。

しかし、思いは日増しに膨らんだ。「人形は柔らかさ、ぬくもりがない。実際の女の子ではどうか」 逮捕される直前、母親に言った。「おれはどんどん変になっていく」…
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毎日新聞『魂の殺人』連載記事では、子供への性犯罪者が、母親や妻、娘との関係について、高崎事件のみならず、肉親が犯す性犯罪においてもゆがんだ状態にあった、と詳しく触れられました。

この件については、後日触れます。

6月24日読売新聞『編集手帳』

2005-06-25 07:56:39 | 大谷昭宏
現行スレにあるように、若年層事件の発生の度に起こる、ゲーム叩き『報道』、神奈川県の『ゲーム規制条例』の発効含めて、目くらましのための言論統制を、当局やマスコミが行っていることに、もはや『オタク叩き』の範疇を超えているとの指摘が出ています。

私も同意です。

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古鳥羽氏の『フィギュア萌え族(仮)犯行説問題まとめサイトの下書き用ブログ』6月24日分、『今日のスーパーモーニング。相次ぐ15歳の犯行について』で大谷氏が番組中で紹介した読売新聞『編集手帳』を全文引用します。(『編集手帳』はWEB上での無料公開は一週間分のみ)
6月24日付・編集手帳
 家というものがもつ求心力が衰える時、そこから逃れようとする家出の遠心力も失われるらしい。脚本家の小山内美江子さんが随筆集「家出」(作品社)に書いている◆「とび出すにも、はじめから捨てるべき家屋敷がなければサマにもならず、帰宅しなくても無断外泊だろうぐらいにしか思わない家族の絆(きずな)の稀薄(きはく)さは、どれほど“家出”という言葉の魅力をとぼしいものにしているか分からない」と◆ひとつの事件で世相は語れない。事件の解明もこれからである。それは承知しつつも、家の求心力と家出の遠心力、ふたつの力が衰微した現代社会の写し絵を見ているような苦い思いが胸を去らない◆東京・板橋で両親を殺害した15歳の少年は警察の取り調べに、父親への不満と憎悪を口にしている。日ごろは「食事の準備や掃除にこき使われ」、犯行の前日には、「お前は頭が悪いと言われた」という◆昔ならばまずは耐え忍び、やがて反発し、口論し、いよいよ追いつめられた最後の手段は家出であったろう。両親の殺害にたどり着いた少年の心の回路は知るべくもない◆40年ほど前、寺山修司が「家出のすすめ」を書いたとき、「青少年に家出を勧めるとは」と眉根(まゆね)を寄せる人もいた。「凶行に走るよりも、家出をなさい」と、いまは真顔で勧めねばならない。家族とは何だろう。

(2005年6月24日1時57分 読売新聞)
このような家庭環境にあって『昔は絶対に親の殺害に至らなかった』ことは、決してありません。大谷氏は番組内で、「97年の神戸児童連続殺傷事件から少年犯罪が大きく問題になった」とは言いましたが、同年の少年による殺人はむしろ少ないことが、警察庁の統計で出ていますし、『マスコミが必要以上に大騒ぎした』のが実態です。

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一ヶ月以上放置して申し訳ありませんでした。(本業にシフトしていたこともあるのですが、なお現行では現在名無しです。)