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ロットン虫採り放浪記

日記、放浪記、標本紹介

10/8・9・10  四国は香川 ・ 1年3ヶ月ぶりの里帰り,そして四国で初めてのコブ叩き

2011-10-24 21:06:18 | 放浪記
 去年 香川に里帰りしてから早や1年3ヶ月・・・
時が経つのは早いものです・・・。

 去年、里帰りしたのが7月とムシ採りには絶好の時期でしたが、正直四国ではほとんどムシのポイントも知らないし去年はそんな時間もほとんどなかったし・・・
 本当のこと言うと、実家が香川にあるにもかかわらず一度も四国でムシ採りしたことないんですよね~(汗)
 「虎王」なんか有名産地があるんだけど・・・

 まぁ、去年の里帰りが5年ぶりだったので四国での情報はほとんど知らなかったんだけどね・・・。

 今回は限られた時間でどれだ成果がでるか分かりませんが、今回は事前情報もある程度いただいたので、ちょうど季節も秋ということもあり、セダカ四国2亜種、「サヌキセダカ」と「ツルギセダカ」に焦点を絞りたいと思う。

 関西ではセダカはもっぱら夏期の倒木などのルッキングが中心でビーティングはあまり一般的ではないと聞いたことがありますが、それは関東より関西のほうが乾燥しているから・・・? 「でも今は関西でもビーティングはもう普通なんでしょうかね?」
 確かに僕の実家のある香川県は日本でも1,2を争う雨の降らない県と聞いたことがあるが、セダカの生息状況なんかもしっかり見てみたいと思う・・・


       それでは四国の地へいざ!!

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 前日22時過ぎに岐阜を出発、今回はヨメさんが仕事の都合で行けないので、子供2人と僕と3人で行くことに・・・
 来年はぜひ家族みんなで行きたいな~

 しばらく下道を走り関が原ICで名神に乗る。

 パーキングエリアで一度休憩をとり日付が変わり2時半頃大阪府へ・・・

  吹田Jct→中国自動車道へ、神戸Jct→山陽自動車道へ、三木Jct→神戸淡路鳴門自動車道を目指し淡路島へ・・・
 ここまでほとんど渋滞もなく快走!
 そして4時頃、四国に上陸、鳴門ICで降りてしばらく国道を南下し徳島自動車道へ・・・

 実家に先に行ってしまうとムシ採りになかなか出撃できないかも知れないのでここは実家に行く前に目的のムシを採ってしまおうってワケなんですね~
 ただ実家には昼前には行かなければいけないのでそれまでの勝負となる・・・。

 美馬ICで降りて一路 剣山を目指す・・・
 ここでの目的はツルギセダカ、初めてくる所なので詳しいポイントはよく分からないが、事前情報や採れている風景を頭の中でしっかりイメージする。

 

 剣山を目指し、山道をひたすら上って行く。
  空もうっすら明るくなってきた・・・。

 

 6時半過ぎ、やっと駐車場に到着。ここまで長かったな~!
 道は舗装されていて問題ないが、道幅が極端に狭い所が多くあるためかなり神経を使う・・・
 夜はまだ車のライトで対向車がきているのが分かるが、昼間はマジ恐いナ~!

 軽く朝食を食べ、支度を整え、いざ登山道へ・・・
 子供たちは車で寝てるとのことなので、1人で行くことに・・・。
 まぁ、ここは1人のほうが自由に動けて気楽だし、子供たちに何かと文句言われると採集に集中できないしね・・・

 

 フゥ~・・・ようやくこの場にやってきた・・・
 頭の中で「絶対採れる」という期待感と「もし採れなかったら」という不安感が交錯しながら階段を上る・・・
 事前情報ではこの神社の階段を上りきったところに登山道があるとのこと。
 上り切ってしばらく進むと右側に登山道が見えてきた・・・。

 

 登山道はとても歩きやすく、アプローチは非常に楽!
 すでに周りはブナなどが生えておりもうポイントに入ったのかな?
 乾燥が心配だったが森全体が適度な湿度があり条件としては良い感じ・・・。

 

 う~ん、苔むした倒木など、いかにもセダカがいそうな原生林という感じで期待も高まる!

 

 先ずは林縁の枝や笹などに引っ掛かった枯れ葉なんかを丹念にルッキング&ビーティング。

 

 こんな枯れ葉は直接握って確認してみるが・・・

 

 しばらく叩いて落ちてきのはこんな不明ゾウムシ。
   名前が分かる方は教えていただければ幸いです・・・。
 肝心のツルギはなかなか落ちず・・・まさかボウズじゃないだろな!?

 さらに登山道を進むと・・・

 

 広範囲に伐採された枯れ葉付き枝を発見。外側は乾燥ぎみだが内側は適度に湿度が保たれいかにもセダガがいそうなオーラがプンプン出ている!
 ただやみくもに叩くと複数いた場合、振動で落ちてしまう可能性があるのでここは小分けして叩くことに・・・
 まず上部の左側から叩いてみる・・・。すると・・・

 

 !?・・・

 
  ツルギセダカコブヤハズカミキリ Parechthistatus gibber pseudogrossus Miyake,1980

 ツルギ落ちた~!!! いてくれて ありがとう!
 この本州産セダカにはないゴツゴツした質感と全体的なシモフリが実にいい!
 この個体はヒゲが短いからおそらく♀だろう・・・。

 今度は左側下部の地面スレスレにネットを差込み小刻みに叩いてみると・・・

 

 また落ちた~!!
 今度はヒゲがメチャ長い大きめの♂・・・。
 ♂のヒゲの長さはハンパじゃなく、ナンキを陵駕するか・・・
 いきなりペアで採れてこれはうれしい採集となった!

 次に右側上部に移動して叩いてみる・・・

 

 また落ちる!

 右側下部を叩く・・・

 

 そして・・・落ちる!
 この後もう1頭落とし、計5頭採集できた所で時間も9時近くになったのでここでタイムアップ。もう少し時間があればもっと採れたかもしれないが、僕的には初めて訪れた場所で5頭採れれば十分!今度来る時はゆっくり生態写真を撮りたいと思う・・・。

 

 時折、軽く枯れ葉をルッキングしながら来た道を引き返す。

 

 フゥ~、初めて訪れる地で不安もあったが無事にツルギセダカに出会えて本当に良かった・・・
 剣の大自然よ、ありがとう!

 そして実家のある香川はさぬき市へ車を走らせるのでした・・・

 「今回のツルギ採集にあたり、eichanさんには多くのアドバイスをいただきました、本当に感謝です!ありがとうございました!」

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 11時半過ぎ、実家に到着、父親とは1年3ヶ月ぶりの再会となる。
 
 この後 親戚回りをし、父が孫を連れて街に出るというので、「お!これは出撃チャンスですか~!?」
 ということで、今度はサヌキセダカともう1種、四国にきたらぜひ会ってみたいカミキリムシがあるんですよね~
 コブヤハズカミキリ属と同じく飛べないカミキリで東北、東日本が分布の中心のホンドアカガネカミキリあれば四国、九州が分布が中心のそうツチイロフトヒゲカミキリ!
 事前情報では徳島のO山がツチイロフトヒゲの産地ということで、ここはサヌキセダカも混生しているとのことなので運がよければ両方ゲットー!?

 ということでカーナビの付いていないマイカーは頼りにならないので地図を頼りに行ってみることにした。
 迷いながらなんとかO山付近までやってきた・・・。
 迷いながら来たので1時間半もかかってしまったよ!

 

 こんな山道をひたすら奥へ進んで行く・・・

 

 進むこと30分ほど、舗装された道がダートとなり僕の車では先に進めないので、適当な所に車を止め、その近辺を探策することにした。

 

 枯れ葉は多くあるもののとにかく乾燥が酷すぎる!
枯れ葉は軽く握っただけで簡単に粉砕するほどパリパリでとてもサヌキセダカやツチイロフトが潜んでいるとは思えない。
 万が一があるので叩いてみるがクモが1~2匹落ちるだけで他はまったく落ちない・・・
 う~ん、やっぱり細かいポイントを知らないと無理なのかな~?

 

 もう乾燥地獄です!
 
 日当たりの良い所は当然良くないので、乾燥していてもなるべく日陰の枯れ葉を探すことに・・・。

 

 しばらく探して見つけたのがこんな日陰の枯れ葉。乾燥はひどいが万が一を込め叩いて、明るい場所に出て枯れ葉をゆっくりどけていくと・・・

 
    ツチイロフトヒゲカミキリ Dolophrades terrenus Bates,1884

 いてくれてありがとう・・・落ちてきてくれてありがとう・・・
 
 ホンドアカガネに比べると、全体的にスリムでやや地味な印象で例えるならニセビロウドを小さくして体色を濃くしてヒゲや脚などがガッチリさせた感じ・・・かな?
 「変な例えですいません・・・(汗)」

 しかし後が続かず結局このツチイロフトヒゲ1頭のみで、サヌキセダカにいたってはまったくカスリもしなかった・・・。
 また来年ガンバルさ~!

 時間はもう17時近かったので実家に帰ることにした・・・

 

    実家にて撮影。長いヒゲが実に見事です!

 

 これも実家にて撮影。小さくてかわいいカミキリです!

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 二日目・・・


「二日目以降はプライベート写真で採集記はありません、興味のない方はスルーしちゃってください!・・・(汗)」


 

  早朝、家の周りを散歩・・・
 遠くには讃岐山脈が見える。田舎はノンビリしてていいですナ~
  なんか時間がゆっくり流れてるようで・・・

 今日は採集はNGなので、お土産などを買わなくては!

 子供たちが去年 寄った淡路SAで買い物がしたいと言い出したのでちょっとメンドーだけど行くことにした。ここは明石海峡大橋寄りで遠いンだよね・・・

 約2時間ほどで現地に到着。っていうか2時間もかかってしまった!

 

 適当にお土産などを買った後、しばし景色に浸る・・・
こんな壮大な景色を見ていると小さな悩みなんかどうでもよくなるね・・・。

 景色を満喫したらまた四国へ引き帰し、次は思い出の海へ・・・

 「実はこの後、淡路島でタダセダカが有名な某山にちょっと行ってみたのですが、結果はボウズでした」

 16時頃、思い出の海に到着。

 

 

 ここは小学生の頃、夏休みになると父によく連れてきてもらった場所。

 

 子供たちも高1、中2と無事にここまで大きくなってくれた・・・
昔、父に連れてきてもらった場所に今度は自分の子供を連れてくるのはなんか不思議で時の流れを感じます・・・。

 

 早くにして母を亡くし、崩れそうな僕をいつも見守ってくれた父はやはり偉大な存在。
顔にはあまりださない父だが、本当は父も死ぬほど辛かったろうな・・・
 母の分まで親孝行しっかりしていかなきゃいけないな!

 時間は17時、そろそろ帰りますか!・・・

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 翌日・・・

 早朝5時に起床し帰り支度を済ませ、みんなで最後の記念撮影。
父には来春、また来ることを告げ6時に岐阜にむけて出発。

 

 高松自動車道にのってしばらくすると朝日が昇ってきた!
う~ん、キレイだな~!でもなんか・・・寂しい気もするな~・・・

  

 そして鳴門大橋・・・さよなら四国、また来年きます・・・

 

 そして明石海峡大橋・・・ここをぬけると本州かぁ・・・

 まぁ今回はツルギに会えたし、1年3ヶ月ぶりに父の元気な顔が見られて本当に良かった・・・

 こうして僕の四国の旅はひとまず終わったのでした・・・

 

 
      

 

 

 


 



 

 

 
  
 
 

 
 

 

 
 



 
 

 

 

  

 



  


 

 

 
 

 

 10/2 マヤサン、タニグチ分布接点ドライブ兼プチ探策 IN 岐阜

2011-10-06 20:37:33 | 放浪記
 10月になりました・・・

 皆さん こんにちは、いかがお過ごしでしょうか?
 
 10月に入り秋のコブ叩きもいよいよ大詰め?になってきましたね。
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 今回はヨメさんとドライブがてらマヤサン、タニグチ分布接点にプチ探策に行ってみようと思う。
 
 まぁ、今回は時間的制約もあるので、ゆっくり探策はできないが、生息地の状況など、少しでも得るものがあれば良しとしよう・・・
 
 では出発~!とその前に・・・

 今回 訪れる所はクマが出没する可能性があるため念には念を・・・

 

 ジャーン!!この対クマ撃退アイテムは「100円均一」のおもちゃコーナーや「文房具兼駄菓子屋」などで売られているおもちゃのバクチク鉄砲!
 回転式の8連発でこれを山奥に入る時は約10分おきに鳴らしていくわけです・・・。
 チキンな僕は熊鈴なんかじゃちょっと心細くて・・・・・・・・

 ちょっと横道をそれてしまいましたが、では本当に出発!~
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 家を出たのが9時頃と遅めの出撃。まぁ今回はドライブ兼とヨメさんも連れているので本格的な採集はNG・・・。
 本当はフジコブやタダコブを狙いたいところだが、こちらは来年の課題としよう・・・。

 

 だいぶポイントに近づいたところで「道の駅」で休憩。

 

 しばしお土産やご当地物などを見て回る。女性はこういうの見て回るのが好きなんでしょうね・・・なんか楽しそうでした・・・

 30分ほど休憩し一路 分布接点ポイントへ。

 

 走ること約1時間、まずはマヤサンの生息エリアへ。
ここは以前、知り合いのムシ屋さんがマヤサンを採集した場所・・・。

 ここのマヤサンはまだ未採集なのでぜひ採りたいところ。
 しかし・・・探策しようとしたとき・・・「関係者以外立ち入り禁止」の看板が・・・
ここはムシ屋としてのマナーを守るため、深入りはやめておくことにした・・・。
 なのでマヤサンエリア写真はこれだけ・・・

 次はマヤサンとタニグチの分布接点へ。

 

 標高を上げながら先ほどのマヤサンエリアからわずか10分ほどで分布接点に到着。
ここは沢があり湿度も保たれているため条件としては申し分ない。
 事前情報では下の沢沿いにはタニグチ、上の登山道にはマヤサンがいるとのこと。
 ハイブリッドも期待できそうだ。

 

 湿度の保たれた枯葉なんかを見つけては叩いていくが、落ちてくるのはハネカクシやゴミムシばかり・・・

 

 30分ほど探策したが結局マヤサンもタニグチも落ちず・・・
早々に見切りをつけ今度は少し標高を上げ、タニグチの分布エリアへ・・・。

 

 わずか車で5分ほどでタニグチ分布エリアに到着。
  ここは過去に数頭タニグチを落としているがマヤサンはまだ一度も落としたことがないのでマヤサンはここまで進出してないものと思われる・・・。
 ちなみにここの標高は1600メートルほど・・・

 

 ここでの優良物件はマルバダケブキやオオカメノキ。
 がしかし乾燥がひどい! マルバダケブキはパリパリに乾燥していてしぼんでとてもコブが隠れられる代物ではないのでオオカメノキ一本に絞って叩くことにした。

 しばらくめぼしい場所を叩くがまったく落ちず・・・
  やはりこれだけ乾燥していてはダメかな・・
 上部は乾燥ぎみなので、根際のやや湿度の保たれた部分にネットを差し込んで叩いてみると・・・

 

 !!・・・

 
  タニグチコブヤハズカミキリ Mesechthistatus taniguchii (Seki,1944)

 やっと1頭 落ちてきてくれたよ~!
 なかなか立派な♀だな~、去年は8月15日のお盆の頃に採ったから、ここのタニグチは出現が早いのかな?
 結局マヤサンは採れなかったが、いずれはここのマヤサンを採集して他地域のマヤサンと見比べたいと思う。

 ということで、本日のコブ探策はこれにておしまい~・・・

 

 自宅にて撮影・・・。


 さて、今週末は四国は香川県へ里帰りします。まぁ、里帰りなので、どれだけ採集に時間が持てるか分かりませんが・・・
 なんとかセダカ四国2亜種に会えるようにがんばってきます!

 では・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
  

 
 

 

 9/10 アカガネ「分布最西端」の地へいざ!

2011-09-13 18:36:55 | 放浪記
 9月ももうすぐ中だと言うのにここんとこ真夏がぶり返したようにアチい!
毎日当たり前のように30℃超えだし、まだミンミンゼミが鳴いてるし・・・

 今年は例年ならば盆過ぎには涼しい声で鳴くツクツクホウシの声も聴こえない・・・
確かラジオで聞いたと思うが今年は例年よりも20日以上ツクツクホウシの発生が遅れているらしい・・・う~ん、異常気象かはたまたなんかの前兆か・・・!?

なんてね・・・(笑)

 9月で毎日こんなムンムンムシムシ日和なら僕らムシ屋にはモミ林のあこがれの「虎王」なんか狙うにはもってこいでウレシイけどね・・・。

 でも、まぁ「虎王」は「ついでに」とか「とりあえず」的な採集ではとても太刀打ちできない?と思っているので僕のようなショボイいムシ屋にはもう少し経験を積んでどっしり腰をすえて探し求めていきたいと思う・・・。

 ちょっと横道をそれましたがそれでは話を本編に戻したいと思います。

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 秋期のカミキリ採集といえばやはり「コブ叩き」。
秋に新成虫が出現し、飛ぶことができないため地理的変化に富みコブヤハズカミキリ族は実に奥が深い・・・。

 そして今回はコブヤハズカミキリ族と同じくもう1つ飛べないカミキリ、「アカガネカミキリ」に会いにいきたいと思う・・・。

 過去に知り合いのムシ屋さんから標本を見せていただいたことはあるがやはり生きてる姿を見てみたい。
 さて、生きているアカガネはどんな表情を見せてくれるのか・・・

 それでは行ってきます・・・

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 前日、手早く仕度を整え21時過ぎ、自宅を出発。
 本当は深夜に出ようかと思ったが仕度をした後、ボーっとしている時間がもったいないので早めに出て下道で行けるところまで行くことにした。

 松本辺りで時間はすでに日付が変わり1時を過ぎていたのでここから高速に乗り、「アカガネ分布最西端」を目指す・・・。
 
 2時半過ぎ、最寄りの「道の駅」に到着、寝すぎないよう携帯のアラームを5時にセットし仮眠する・・・ZZZ
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 携帯のアラームで5時に起床し軽く朝食を済ませ、一路ポイントを目指す・・・。

 

  6時過ぎ、ポイント近くに到着。 朝日と爽やかな風が気持ちいい~!
 まぁ、ビーティング中心の採集はさほど天候に左右されないが、出撃前はやっぱりこうでなくっちゃネ!
 早速 準備をし、ポイントを目指す・・・。
 20分ほどでポイントに到着。「ん!ここから入っていくんだな」。

 少し進むと登山道の分岐が現れた。まずは左へ行ってみる・・・。

 

 ゆっくり歩きながらササや針葉樹にひっかかっている枯葉などをチェックしていく・・・。
 そしてめぼしい場所をまずルッキング、そして叩いていく。
 快晴なのでやや乾燥が心配だったが夜露で枯葉はしっとりしていて状態は悪くない。

 叩き初めて30分ほど、落ちてくるのはゴミムシやクモばかり、本命はなかなか落ちてこない・・・
 「う~ん、まだ発生初期で個体数が少ないのか、それともここらはまだ生息域に入っていないのかな~?」

 しばらく進むとやや開けて明るい場所に出た・・・。

 

 ここでフと目に付いたのがこんな生葉と枯葉がいっしょについた木(ダケカンバ?)。
とりあえずしゃがんで枯葉の裏をルッキングしてみる。が、やはりいない・・・。

 「う~ん、こんな明るい場所じゃ厳しいかな~?」
 でもムシに先入観は禁物、とりあえず、下にネットをあてがい幹をトンと一叩きしてみた・・・
 
 すると何か小さな粒のような物が勢いよくポトンと落ちてきた。
  ん!?何だろう?
 それは裏返しの状態で脚を縮めてじっとしている・・・。

 それをもう一度返してみると・・・

 もう間違いないでしょ!

 アガガネ落ちた~~!!!

 
  ホンドアカガネカミキリ Plectrura metallica yoshihiroi Takakuwa,1984

 落ちてきてくれてありがとう、やはりムシ採りに先入観は禁物だな、こんな所にも登ってくるのか・・・
 1頭落ちてくると俄然テンションが上がる!よし!追加狙うゾ~!

 

 次に目を付けたのがこんな地表近くの枯れ枝や枯葉が少し引っかかっているような場所。
 ネットを地表スレスレに差し込んで叩いてみると・・・

 

 また落ちた~~!!
 今度は枯れ枝にしがみついたまま落ちてきた。
 なんか楽しくなってきたな~!
 この運が消えないウチに次いってみよう~!

 しばらくめぼしい場所を叩くが追加は得られず・・・

 

 次に目を付けたのがやや高い位置にあるダケカンバ?の枯れた葉、叩いてみると・・・

 

 本当に落ちてきたよ~!こんな高い所まで登ってくるんだな!
 これは先ほどの2頭より小さめだから♂かな?

 しばし指に取って眺めてみる・・・
パッと見と大きさはサビカミキリ系に似ている感じだが、背中の独特なまだら模様とその見事なまでの「卵形」なフォルムはまったくの「別物」。
 小粒ながら実に存在感のあるカミキリムシだ!

 時間はそろろろ8時を回ろうとしていたので来た道を戻りながら叩くことにした。

 

 行きにスルーしためぼしい場所をチェックしていく・・・。

 

 今度は針葉樹の幼木が生えた場所、ネットを差し込んで叩いてみる・・・。

 

 また落ちてきたよ~!いてくれて ありがとう・・・
 もう感無量です!この後もう1頭追加しタイムアップとなった。
 タコ採りとまではいかないが、僕的には5頭採れれば十分!満足でございます!

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 まだ時間は9時前なので、ここからほど近い某川のタダコブとフジコブの混生地?に行ってみることにした・・・。1時間ほどで現地に到着、めぼしい枯葉などをチェックしていく。

 

 ちょっと日当たりがよく、やや乾燥しているが念のため叩いてみたがやはり何も落ちてこなかった。

 

 ヤマブドウの枯葉なんかを丹念に見ていくがなかなか見つからない・・・

 

     ・・・。

 

 しばらく探してみたが結局タダコブもフジコブも姿を表さなかった・・・

 次にここに来るときはもっとゆっくり探策したいと思う。

 時間はそろそろ13時、岐阜にむけて下道でゆっくり帰るとしますか・・・(笑)

 岐阜に着いた頃には20時を過ぎていた、バッチリ下道だと7時間以上かかったワケね。やれやれ・・・

 

          もう1枚!


 今回のアカガネ採集は僕1人では到底 達成できなかった目標であり、そこにはムシ屋の方々の温かい助言をしていただいたことを付け加えておきたい。

 今回の採集行において、多大なるご教示、ご指南をしていただいたeichanさん、そしてタイヤキさんには心より感謝申し上げます。
 大変 充実した採集行となりました、本当にありがとうございました。


 

 本日の成果 アカガネカミキリ×5 
   
      

 

 

 
 
 

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 


 
 


 

    

 
                

 
 
 
  

 8/13 真夏の花掬いIN長野+α PART2

2011-08-19 00:04:26 | 放浪記
 前回の長野の花掬いから1週間が経った・・・
 う~ん、今年は遠征ばかりしてたな~。確かに遠征すると初採集のムシは増えるけど正直ガソリン代はバカになんないし・・・

 来年は地元のムシに力を入れるかな・・・。
てなワケで今年 最後?の遠征に行こうと思う。今回はまだ未訪の地、長野県はS高原に行ってみたいと思う。
 前回はイガブチを採集できたものの、今年はまだパキタ「キベリカタビロハナカミキリ」にはカスリもしていないのでぜひS高原で採集できればと思う・・・。
 なんでもここは他地域では少ないパキタの「クサマイタイプ」や「タマヌキイタイプ」が多いとのこと。クサマイは採集済みなのでぜひタマヌキイを採集できればと思う。

 今回は地元でもう1人、ムシ関連で大変お世話になっているSさんに御一緒していただくこととなった。
 このSさん、カミキリ関連は特にすごく、以前、標本を見せてもらったがその種数と数には度肝を抜かれた。
 まだカミキリを初めて間もない頃、ソボセダカやニセクワヤマトラなんかを頂いたことがあった・・・。
 今回も前回同様 初めて訪れる所なので、勝手もポイントもよく分からないが2人ならなんとかなるだろう・・・では行ってみよう・・・。

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 当日午前3時にSさんの自宅に迎えに行き、S高原を目指す。
そういえば相方のHさんは、「S高原は御岳より近いよ」なんて言ってたな~
 本当かな?
 地図ではどっちもそんなに変わらん気がするけど・・・
ほぼ無休憩でS高原を目指す・・・。

 地図を頼りに「僕の車にはカーナビは付いていないので・・・(汗)」7時頃、現地近くまできたようだ・・・。

 

 御岳は3時間ほどで行けるのに4時間もかかってしまった、Hさんは御岳より近いって言ったのに!ウソつき!

 

 ポイントの行く途中にあった立派なノリウツギ。まだ時間が早く気温が低いためかムシはほとんどいなかった。早々に見切りをつけ先を目指す・・・。

 

 進むこと30分ほど、ようやく峠のポイントまで来たようだ。
う~ん!ノリウツギが満開だぁ!ムシもけっこう集まってるし!
 早速 支度し掬ってみることにした・・・

 
    フタスジハナカミキリ Leptura vicaria vicaria (Bates,1884)
 
      ヨツスジハナカミキリ Leptura ochraceofasciata                           ochraceofasciataMotsMotschulsky,1861
 
 まぁ、まずは普通種でウォーミングアップして・・・
 さぁ!掬うゾ!
 掬うとフタスジ、ヨツスジ、マルガタなんかは5~6頭入る・・・
 まぁ、まだ時間が早いからね~。なんて負け惜しみを言っているが入るのはこの「普通種御三家」ばかり・・・
 パキタは何処に・・・場所を変えてようやく違うハナカミキリが採れた・・・。

 
    ブチヒゲハナカミキリ Corymbia variicornis (Dalman,1817)

 この後もう1頭ブチを採集したが、パキタはまったくカスリもしない・・・

 林道を移動しながらノリウツギを掬っていると、向こうの方から顔見知りの人が・・・

 
 
今年の春の長野遠征で初めて知り合い、その後 御岳などでも会ったI.S君・・・
とても明るい子で、僕と同じ岐阜県同市在住ということで話も盛り上がる!
 I.S君のような若いムシ屋さんとの話は素直な意見や感想が聞けて学ぶ事も多い・・・。今回は御両親と来ていた。御両親もとても気さくな方々でいろんな話を聞かせていただき、とても有意義な時間をすごすことができた・・・。
 ちなみに向こうに立っているのは今回 一緒にきてもらったSさん・・・

 聞くとI.S君もパキタはまったくダメとのことだったがフタコブルリハナを採集していた。



そして大阪のIさん。Iさんとは2年ほど前、初めて御岳で知り合い、それ以来 交流させていただいている・・・。
 今年は連絡をいただいてもなかなか休みが合わず、すれ違いが多かったが今回1年ぶりの再会となった。
 夏のシーズンになると大阪からちょくちょくこちらに来られ、カミキリを中心に採集しておられる。こちらに5日ほど滞在しておられ、すでにパキタを10頭ほど採集していた・・・。
 そんなIさんも今日はまったくダメとのこと。

 この後しばらく花を掬うもパキタは結局 僕の前には姿を現さなかったが、Sさんは見事パキタのクサマイタイプの♂をゲットされた!

 まぁ、また来年がんばればいいサ~

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 昼食を軽くすませ昼からはサブタイトルにもある「+α」を探すことにしよう・・・

 事前情報によれば、なんでもここS高原の林道でナイスなカミキリが採れるとのこと。
ポイントはダケカンバの立ち枯れや、ナナカマドの生木の樹皮が剥がれた露出部分・・・。

 Iさんはキャンプ場のポイントに向かったので、僕は逆の林道で探すことにした。

 

 林道と言うよりほとんど遊歩道といった感じで、アップダウンもほとんどなくアプローチはとてもしやすい。「ややピンボケでごめんなさい・・・(汗)」
 林縁の立ち枯れなどをゆっくり探策していく・・・。

 

 これはナナカマドの生木の樹皮の剥がれた部分。このようなポイントがあちこちに点在する・・・。
 
 

 しばらく探していると樹皮の剥がれた部分の上方に何か黄色いムシが止まっている・・・
 背伸びして採ってみると・・・

 
 
       ヤマトヨツスジハナカミキリ Leptura subtilis Bates,1884

 過去に1頭だけ採集したきりなのでこれは嬉しい採集となった。この後、別の木でもう1頭 採集することができた。どうやらナナカマドの樹皮の剥がれた部分に産卵に来たようだ。

 そして探すこと30分ほど、とあるナナカマドの樹皮の剥がれた部分にハチのような影が・・・

 

 ゆっくり近づく・・・
  つや消しブラックのコバネに付け根が白いアンテナ、いてくれました!


  クロホソコバネカミキリ Necydalis(Necydalis) harmandi Pic,1902

 愛称「アルマン」と学名で呼ばれてますが・・・
 これで生涯3種目のネキとなった。う~ん、このつや消しブラックのボディがなんとも渋い!
 この1頭を皮切りにあちこちで見つかるようになり、1時間ほどで10頭も採れてしまった。
 もう十分、これ以上採ると無駄にしてしまうといけないので、あとはルッキングのみ・・・

 

 こちらは針葉樹の立ち枯れにいた個体。最初は針葉樹にも産卵するのかと思ってしばらく見ていたが産卵行動は見られなかった。
 ただ単に休んでいただけなにかも知れない・・・

 Iさんも無事3頭採集された。

 ここでタイムアップ、風も冷たくなってきたので、ムシ屋の皆さんにまた会う約束をし、長野の自然に感謝しつつ帰路についた・・・


 今回はパキタはダメだったがネキ3種目が採れたので良しとしよう・・・
 来年 またがんばるサ~!
 長野の自然よ ありがとう!


 本日の成果

   ブチヒゲハナカミキリ×2
   ヤマトヨツスジハナカミキリ×2
   クロホソコバネカミキリ×10

 
 
 
 
          う~ん!いいカミキリですね~!
   

 
 

                                
    

 
     

 


 

 

 
 
 


 

 

 
 

 

 

 8/6 真夏の花掬いIN長野

2011-08-08 21:54:23 | 放浪記
 さて~夏の花掬いの季節がやってきましたね~!
ノリウツギにリョウブ、シシウドなどなど・・・

 始めはパキタを狙いに行こうと思ったが、パキタは採集済みなので今回は以前から気になっている沢、S沢に行ってみることにした・・・。
 聞くところによると、このS沢のノリウツギには他では得難い「I」なハナカミキリが採れるとのこと。
 今回は初めて訪れる場所なので勝手もポイントもよく分からないが、大まかな情報を頼りに「I」なハナカミキリ1本にしぼってみたいと思う・・・
 それでは行ってみよう・・・
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                  ・
 前日22時に岐阜を出発する。今回は1人旅なのでノンビリ行こう・・・
途中で灯火回りしたり、伐採木を懐中電灯を頼りに見てまわったが めぼしい物はいなかった・・・
 かなり遠回りしたようで現地の近くに来たのは早朝5時近くになっていた・・・。
まだ時間も早いので2時間ほど仮眠ZZZ・・・

 7時過ぎに目が覚め、軽く朝食を食べ、現地を目指す。
8時半頃、S沢に到着、早速支度を整え探策してみることにした・・・。

 
 
 林道はこんな感じ、やはりいつ来ても緑は気持ちいいです!
 
 さらに奥へ進むこと5分ほど、今度はまとまったノリウツギが見えてきた。

 

 見上げるとアブ、ハチなどに混じってカミキリのシルエットもポツポツ、早速掬ってみる・・・

 
     フタスジハナカミキリ Leptura vicaria vicaria (Bates,1884)

 ヨツスジハナ、マルガタハナ、カラカネハナなどノリウツギを掬えば必ずといっていいほど入るハナカミキリ普通種4天王の1つ・・・
 ここではそれほど多くなかった。
 さらに林道を進んで花を掬っていく・・・。

 
    ヒゲジロハナカミキリ Japanostrangalia dentatipennis Pic,1901

 これもいる所にはたくさん見られる種。

 
       ヤツボシハナカミキリ Leptura mimica Panzer,1884

 これも多く見られる種。模様が綺麗なので確保・・・。

 
   コウヤホソハナカミキリ Strangalia koyaensis Matsushita,1933

 この種は多く見られる所とほとんど見られない所があるように思う。
  これも確保しておく・・・。

 かれこれ林道を進みながら1時間ほど掬ったがだんだんヨツスジハナ1色になってきた・・・
 どこを掬ってもヨツスジばかりが5~6頭入る・・・

 あ~なんか嫌になってきたよ~!他のカミキリも入らなくなってきたしここいらで戻ることにした・・・
 戻りながらノリウツギをチェックしていくがヨツスジばかりが目に付く・・・。

 やっぱり「I」なハナカミキリはそう簡単には見つからないな~
 固体数が少ないのか単に僕がショボイだけなのか・・・

 どうこうしてる内に最初に掬ったノリウツギの場所まで戻ってきてしまったよ・・・。
う~ん・・・今日はダメかな~、ここでダメならまた次をがんばればいいサ~
 最初に掬ったノリウツギをジ~と見ていると・・・
てっぺん付近に何か赤い塊のような物が見えた。「何だろう?」
 しかも何か背中にくっついているように見えた・・・

 う~ん、ここからじゃ分からんな~とりあえず掬ってみることに・・・。

 よし!入ったな!何だろう?・・・ネット越しにカミキリのシルエットが見えたがかなりデカイ!
 まさかネ!?そんなウマイ話が・・・あるわけが・・ない!?え!?エ!?

 「I」なハナカミキリ キターーーー!!!




     イガブチヒゲハナカミキリ Corymbia igai (Tamanuki,1942)

 まさか採れるとは思っていなかったのでメチャうれしい!!
 しかも背中に乗っていたのは♂の個体でなんとペアで採れてしまった・・・
  いてくれて ありがとう・・・

 この個体は♀で前胸背が赤いのが特徴とのこと。
しかし♀はこんなにデカイとは正直思わなかった!
  自宅で計測したところ26ミリもあった。

 

 そしてこちらが♂、 ♂は前胸背が黒くブチヒゲハナとパッと見は区別がつきにくいが前胸の毛がほとんど無いことと後肢腿節が湾曲扁平しているのが特徴とのこと・・・。
 これは後でブチヒゲハナの標本でじっくり見比べたいと思う。


 ふぅ~!今回は念願のイガブチをしかもペアで採集できて本当に良かった!

 長野 サイコー!


 本日の成果・・・

 イガブチ×1ペア
 コウヤホソ×1
 ヤツボシハナ×1
 ヒゲジロハナ×2
 フタスジハナ×2


 
              もう1枚!