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見られると言う事

2011-02-07 00:15:39 | 天音ちゃんから学ぶ事
昨夜の記事の話の追加のようなものですが、
こんな事もあったなぁ~と思い出したのでもう1つ。


最寄の駅前にあるドーナツショップに行った時の事でした。
お昼を過ぎて、少し空いた店内で食べて行く事にしたのです。

小さなお店です。
二階までいれれば、それなりに座席もありますが、
一階は20人ちょいくらいだったと思います。

横並びのテーブル、一番隅の窓際につきました。
テーブル1つ挟んで、小さなお子さんの家族が後から席に付きました。

娘さん、歩きつかれてちょっとグズっていました。
疲れているの椅子に座りたくないと、ビ~ビぃ~泣いていました。
泣き声はたいした大きさではありませんでしたが、
泣きながら頭を、私にガンガンぶつけてやめませんでした。

抱きしめて話しかけても収まるわけもなく、
まぁ、小さなパニックみたいになっていましたから、
抱っこしてあげようとしても最初は大暴れしてました。

そしたらね、
小さな女の子が、ドーナツ持ったままじぃ~っと見てました。

そりゃ見ちゃうでしょ。
自分よりも大きなお姉さんが、
自分はもうしないであろう暴れっぷりをしているのです。
女のにしてみれば、ビックリな光景のはずです。

ちょっと身動き出来なかったので、
「自分頑張れ! 娘さん落ち着け!頑張れ!」と、
なんとか抱っこして、なだめました。
少しすると泣きつかれて、
ぐずぐずしながら私の胸に顔をこすり付けて落ち着きました。

その間もずぅぅ~と女の子は見てました。
しかもドーナツ持ったまま、食べないで(笑)
本当にビックリしたんだろ~なぁ~と思いました。
女の子には、驚かせてごめんねぇと言う気持ちがわきましたが、
それを口には出来ませんでした。

だってね・・・
一緒にいたご両親も、食べる手を止めてずっと凝視してたんですもん。

そのママなんてね、
私と目があったら、ツンって顔してプイッと顔を背けたんです。
女の子に思った、ごめんねぇの気持ちとは違う、
悪かったねぇぇぇ~とやさぐれた気持ちがわきました。

楽しいお茶の時間を、娘の騒ぎで水をさしたのだと思いました。
けどね、
ドーナツ手に持ってられるくらい、少しの時間です。

見たくもないものを見た的な、
そんな雰囲気をかもし出さないで下さいと思いました。
私達親子も、楽しいお茶の時間だったはずなんです。


私は、娘に知的障害があると教えられてから、
短時間、その場で、言葉で教えても
娘さんに感情のコントロールは難しいのだと考え、
公共の場であれば、
例えば電車やバスに乗車中に、娘が周りから目を引く状態になったら、
次の駅で降りるくらいの配慮を心がけています。
外食の時もそうです。
暴れが落ち着かないと抱けない時もありますから、すぐにとは行きませんが、
娘が落ち着くまで席を外して、外を一回りしてきます。

でもそんな事、だれも気が付かない事なんですよね。
育てている、一緒にいる私が、
困っているとか、恥ずかしいとか、申し訳ないとか、
言葉にしないと知っては貰えないんですよね。


こんな事もありました。
まだ車の免許を取っていなかった時、通院するのにバスを使っていました。
三歳前くらいの事です。
次のバス停までの間隔が、ちょっと長い路線を使っていました。

ある時、バスの中で、娘さんがどうにも落ち着かなくなり泣き出しました。
抱いている抱っこ紐の中で暴れだしました。
でも、次のバス停まではまだまだ先。
パニックの時は、話しかけられれば余計パニックになる場合があると教えて貰っていたので、
突然原因がわからない泣きでしたから、
ただ、抱きしめて背中をトントンしながらバス停に着くのを待っていました。
私が落ち着いていないとダメだと。静かに背中を叩いてあげてました。

突然、後ろの席から、おじさんだかおじいさんだかの声で
「親の躾がなってないんだ!」と怒鳴られたのです。
そっか、他人から見たら、私はそう見えるんだと知りました。

他にも「今の親は・・・」うんたらかんたら、
バス停につくまで言われ続けました。

まだ、腹の据わってない新米ママでしたから、
そのおじさんだかおじいさんが「怖くて」後ろも振り向けませんでした。

バス停が来て、目的地じゃないけどとにかく降りなくちゃと席をたった時
自分の周りの人には、「うるさくてごめんなさい」と言えましたが
どの席の誰だかわからない怒鳴っていたおじさんには言いませんでした。


初めて外出するのが怖いと感じました。


でも、外出しないと病院にも行けませんしね。
家にいるだけじゃツマンナイですしねぇぇ。
怖いなとその時は思いましたけど、
またそんな思いするかもな・・・と考えましたけれど、
それでもどんどん外出するようになりました。



先のドーナツショプの話には続きがあります。

落ち着いた娘さんが食べ終わって店を出る時、
席を立ちましたら、女の子がまた娘さんを見ていました。
私と目があったので、ニコ~ってくらいに笑いかけましたら
女の子もニコ~って笑ってくれました。
その向かいのママは、すんごい睨んで私を見てましたけどぉ。

バスに乗って席に着きましたら、
ドーナツショップに居た、外人のお年をめしたご夫婦が斜め前に座りました。
奥様が振り返って、何か言いながら、キレイな丸い包みを娘さんにくれました。
チョコレートボンボンでした。
何を話しているのさっぱり解りませんでしたが、
ドーナツショップの一部始終を見ていたのかもしれませんから、
優しい顔で私を見てくれていたので、
なぐさめてくれているんだろ~なぁ~と思って、
ありがとうございますと笑って言えました。

辛い事ばかりじゃないから、
少しずつ私も公共の場に娘さんと一緒に行く事に慣れ、
どうすれば周りに不快感をあまり与えず、
自分達も楽しくそこに居られるか考えて、そうして今に至ります。

親になると言うのは、
子どもを授かって、生んで育てていれば、理屈的には親なのだと思います。

親の親としての意識、心は、その人それぞれはもちろんですが、
社会の環境も大きく関わって、他人の影響も受けて、
親は親になって行くのではないのかしら?と
そんな事を考えました。

子どもを生んで初めて親としての自分になります。
子どもも親も一緒に育つんだなと思います。

娘さんを育てて11年経った私は、
子育てをする、全ての新米ママとパパが
子どもと同じように、
すくすくと幸せに育つ環境が広がればいいなぁと
そんな事を考えるようになりました。

From ikusuke