宇宙に浮かぶその時計。
一年に一周するらしい。
僕らには見えないけど、
時間の概念はそう変わらなくて。
昔むかし、遠いむかし。
僕らが廻っている、
そんな事を言っていた人が居た時代も在った。
それでもどこかで、
何かが、
どうゆう理由か、
なんて分からなくても
一年に一周する恋が
そこには確かに存在するんだ。
一年に一度。
ちょうど宇宙に浮かぶ時計が重なる刻。
人々は七夕祭り。
切ない願いを空へ。
想い人への恋心を詠う。
二人が必ず逢える一日を。
竹で作った釣竿で天の川で釣りをして
笹で作った舟で天の川を行き来して
棚機飾りで着飾る牛車
ひとり静かに揺られていると
鵲たちは囁いた
『さあ、二人とも
おめかししたなら逢いに行こう』
ここは天の川中央駅
空列車に乗って
二人は降り立った
365日分の
愛してる
と
ありがとう
を携えて
二人は抱き合って
永遠の一瞬に出逢う
お互いの時計の針が重なる逢瀬時
お互いの時計の針を指で押さえて
少しだけ
ほんの少しだけ
時間を遅らせて
昨日と今日
過去と今
現在と未来
そんな言葉で言われている
その間を
二人だけで越えて
一年に一度だけ重なる
宇宙に浮かぶ恋時計
それはふたりのためだけのふしぎなとけい
明日からまた
次に逢うまでの
365日分の
愛の言葉を溜める時間
また明日♪
そう地球上の恋人たちが言うのなら
また来年
天の川の上で思いっきり泣いたってイイよね
365日後の今日
たくさんの愛の言葉を携えて
またみんなが
二人を見上げていられる世界でありますように。