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白猫夜話

フィギュアスケートっていいな

おもちゃ箱みたいなCOI

2011-10-04 18:34:51 | アイスショー・イベント

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ジャパン・オープン後のお楽しみ、カーニバル・オン・アイス。

テレビ観賞なので、ダイジェストもカットもざっくざくだったけれど、印象に残った演技をいくつか(既出の高橋・安藤は省く)。

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羽生結弦 (新FS ロミオとジュリエット短縮バージョン)

かなり疲れてたような…。大転倒が2回、いずれもちょっと危ない転び方…おいおい、怪我しないでよ~(~_~;)

これぞフリー!というドラマチックな音楽構成…音そのものでまず引き込むというタイプの正統派な作り方。入れ込み型の羽生が、どう「抜き」も身につけていくかが今後の課題かな。今のところ力まかせ感があるので、疲労が早くあらわれそうなスケートだ。でも、今の時期はそれでもいいのかもしれない。

心配なのは、ジャンプ。ジャンプの安定感ということではなく、負けず嫌いで伸び盛りの彼だけに、オーバーワークになりやすいんじゃないかと。むしろ練習しすぎないようにまわりが気をつけてあげてほしいな…この稀有な才能を怪我の餌食にしないように。

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エリザベータ・タクタミシェワ (新SP タンゴ)→ここだよ

少女の中に住む臈たけた女の顔…。

おい、リーザ、あんた14歳じゃないだろっ、100歳超えてるだろぉ!…(-_-;)

恐ろしや。この少女は生まれながらに天性の女優なのだ。小悪魔なんてもんじゃない。引きずり込まれたら魂を奪われる、正真正銘の魔女。

それにしても、手の動きのきれいなこと…個人的にかなり好きな選手である。

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鈴木明子 (新SP ハンガリア狂詩曲)→ここだよ

昨季よりも動きが大きくなって、のびやかに滑っている。途中のステップが可愛い。テレビ放送ではタクタミの前後に配された庄司(→ここだよ)と鈴木は、ちょっと割を食った感があるが…^^;。

鈴木の今季のSPは好印象。昨季の世選落選をバネに練習を重ねてきたのがよくわかる。今の時期でSPもFSもかなりこなれているというのは素晴らしい。

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小塚崇彦 (チェロソング)→ここだよ

いつも思うけど、大阪のおばちゃんみたいなブラウス(シャツ)、多いなぁ、小塚くん…^^;。

でも、一音目が流れた途端、そんなこと忘れちゃった。これ、好きだなぁ…。彼の良さがすごく出ている。無理やり何かを伝えようとするよりも、自然にすっと静かに満ちていくものがある。そういう表現がもっともっと評価を受けてもいい。

似たタイプと言われながら、小塚とチャンは違う表現世界を持ったスケーターなのだと、EXを見て改めて思った。そして、どちらも素晴らしい。

イーグルは圧巻!…なのに、なんてさりげない…ああ、これが小塚崇彦なんだな…。緑の風が吹き抜けていくようなこのEX、大好き。

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パトリック・チャン (モップ…じゃなくてムーンダンス)

最初にアイスショー映像で見た時から、お気に入りナンバー。小粋でお茶目。もちろん気持ちよく伸びるスケートは魅力だけれど、彼自身が楽しんで滑っている時が、わたしはいちばん好きだ。もうちょっとモップと遊んでほしいけど…でも、モップ放りだしてスケーティングに夢中になってしまう方が彼らしい。派手な転倒さえ振付に見えるくらいに楽しい。氷と遊んでいるような演技を見ていて、そういえば彼はまだたったの20歳なんだと、改めて気がつく。やっぱりこの人はどんなにビッグマウスな発言をしても憎めない。くそ生意気なガキみたいな、好奇心いっぱいの表情を見ていたら、好きにならずにいられないよ。

高橋に滑ってほしいと思ったプログラムだったんだが…今回の高橋の「 The Crisis 」を見たら、まぁこっちはいいか…と思うようになった。プロになってからだってこういうタイプのものいっぱいできるだろうし。

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上記以外にも、相変わらずのお見事な荒川静香や、オフブロードウェイのダンサーみたいなロシェット…総じて魅力的なショーだった。さすがにこれだけのメンバーが集うとレベルの高いものが出来上がる。

同時に感じたのは、EXやショーで見せる面白さが、なかなか競技プログラムに反映されないこと。SPはともかく、「フリー」と名前の付くFSに、自由度がもっとあればいいのに。みんなこんなに個性的なのになぁ…。

ちなみに、テレ東系放送で、一生懸命仕事をしようと試み演技中にコメント過多になる実況アナを、時折無視して黙って見入る解説の佐藤有香が、かなりツボだった…その実況アナの使命感をも奪ってしまった(黙らせちゃった)高橋の演技はさすがと言うべきか(^^)。

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素敵なヤツら~愛知チャリティ演技会&!~

2011-05-10 01:32:36 | アイスショー・イベント

小塚が発起人となって愛知のスケーターたちが集結した、チャリティ演技会。

高橋、織田の関大コンビも駆けつけて、超豪華な顔ぶれでのショーとなった。いろんなニュースではちらっと見ていたり、観に行った方のコメントを聞いていたけれど、かなりしっかりと取材して放送してくれた映像がYou Tubeにあがっていた → ここだよ

小塚はやっぱり学級委員のような役割がよく似合う。オフでは結構、天然っぽいらしいが…でも、こういうイベントでの立ち居振る舞いは安心して見ていられる(いや、誰かさんだと不安だと言いたいわけではないぞ)。彼とてそれほど饒舌なタイプではないけれど、ね。

それからっ…この映像が個人的にお宝なのは、2:17あたり。まぁ、見て下さいまし。これ、見たかったんだよなぁ…!


愛知のチャリティ

2011-04-21 22:51:49 | アイスショー・イベント

モスクワワールド終了後の5月7日(土)、愛知県のアクアリーナ豊橋で、「東日本大震災 愛知フィギュアスケート チャリティ演技会」が行われる 

出演予定は、小塚崇彦、無良崇人、鈴木明子、浅田真央、村上佳菜子、そしてゲストに羽生結弦。

愛知県スケート連盟主催で、愛知のスケーターたちが集結する。

この報道に接して、ちょっと…ほっとした。…これで小塚や浅田に対しての、心ないコメントがなくなるな~って。

中京大卒業式後のインタビューで、小塚が「高橋選手や浅田選手に声をかけワールドメンバーでチャリティをやりたいと考えている」というようなことを語った。

福岡や神戸で行われたチャリティに小塚・浅田が参加しなかったことや、ワールドメンバーという区切りをつけたことなどをあげつらう声もネット上で見かけた。

そのたびに、悲しくなった。

震災に心をいためていない人などいないだろう。出来ることを何かしたいと思っている人がほとんどだ。小塚だって浅田だってそうだと思う。

けれど、フィギュアスケートは簡単にやれるスポーツではない。まずリンクがいる。そして、会場設営やプロデュース、警備…たくさんの人間の力が必要になる。会場で募金を集めれば、それらの保管や運用にも気を配る必要がある。

彼らはアマチュアではあるが、スポンサー契約をしている企業もあるからそちらとの調整も必要だ。当然、スケート連盟の承認もいるし、むしろ主催してもらう方がうまく運ぶ。

そういった雑事をある程度予想していても、何かできることはないか…と思う気持ちは、批判されるようなたぐいものではない。

売名行為、という人もいる。

神戸もそうだったが、今回もマスコミの取材が入るだろう。それのどこが悪い?広く放送されることによって、「そうだ、募金しよう」と新たに思う人が出るかもしれない。当日の会場では実際に募金も相当額集まるし、収益金から義捐金もおくることができる。名目なんぞどうでもいい。

たくさんの人たちの心を動かすことが出来る選手たちが、行動する…それが素晴らしい。


ここから未来へ~チャリティ演技会の産み落としたもの~

2011-04-10 03:03:41 | アイスショー・イベント

神戸は知っている。

復興には時間がかかる。忍耐もいるし、希望もいる。震災直後の高い関心は時の流れとともに薄れて行く。けれど、壊れた街の上にはたくさんの人の生活がある。

この神戸で、チャリティ演技会を行う意義を、受け止めながら観戦した。

さて、通常のアイスショーのような凝った照明も、企画もない…けれど、想いだけは目いっぱい詰まったチャリティ演技会は、明るいリンクに高橋が飛び出してきた時にはじまった。おそろいのシンプルなTシャツを着こんで(衣裳の上から着ているのでモコモコしているのもまた微笑ましい)整列したスケーターたち。

そして、黙祷…。

その後、高橋がマイクを手にする。「えっ?しゃ、しゃべるの?」と思わず心配になった白猫だったが(すいません…)、彼は堂々と復興の街神戸から震災支援の想いを届ける意義を語った。そして最後に…怪我がないようにという注意を込めて「あまりのめり込まないで…のめり、?のめり込まないように…」…おそらく夢中になって乗り出して怪我などしないでと言いたかったのだと思う…のめり込むのはいいもんね♪…堂々としたコメントの最後に「?」を振りまいちゃうのがなんとも高橋らしい…。

照明はずっと全照…つまり競技と同じく明るいまんま。リンクは多分、通常よりも狭い。座席によっては演技をするリンクが目の前にない場所もある。それでも会場は満杯だ。

最初に登場したのは、氷上のバレリーナと呼ばれた太田由希奈。彼女の演技を生で観るのは初めてだ。肩からひじ、手首、指先までのラインが本当に美しい。ジャンプはダブルまでだったけれど、これぞレイバックというスピンが見られたことが嬉しかった。

続いて、安原綾菜。今回登場するスケーターは、現役・プロのトップ選手と、地元の若手がほとんど。ノービスクラスの選手にとって、金メダリスト荒川や、世界チャンプ高橋、ジュニア世界チャンプ羽生などと滑ることは本当に勉強になるだろう。復興支援、チャリティというだけでなく、未来へつながる演技会であることが素晴らしい。

田村岳人。彼もまた東北高校出身。引退から既に7年が経過しているけれど、果敢にジャンプも跳んでくれた。

新田谷凛。安原と同じになるが、やはりこういった場での経験は彼女にとって財産になると思う。

1部の最終演技者は、本田武史。ニュースや新聞記事によれば、本田と高橋が話し合ってこのイベントの概要が固まっていったらしい。演技前に主な戦績がでるのだけれど…改めて彼がどれほど偉大なスケーターだったのかがよくわかった。彼の登場がなければ、これほど男子フィギュアが盛り上がらなかったかもしれない。本田の滑りは何度も見てきたのだが(アイスショーで)、今日の滑りがいちばん好きだった。ある意味朴訥な、でも、想いの重さを感じる滑りだった。

20分の休憩をはさんで、2部開始。

最初に登場したのは、村元小月。全日本でも何度か見ているし、名前もおぼえているのだけれど…日本はシングルの層が厚いので、なかなか大きな大会に出場できないのが残念。

そして、先日の世界ジュニアで見事2位となった田中刑事。第一音から観客の大爆笑を誘ってくれたよね~。ジャンプミスが多かったのは残念だったけれど、世界ジュニアでシーズンは終了しているのだから仕方ない。国際大会での表彰台を大きな自信にして、今後も頑張ってほしい!

上野沙耶「リベルタンゴ」。この曲はどうしても鈴木明子を思い出す。彼女ほどではないが、上野もキレのよいステップを繰り出していた。

そして、ここからは別世界。

まず、本当に大きな拍手で迎えられた羽生結弦。演目は今季のSP。全日本よりも、四大陸よりも、熱い想いを秘めた白鳥だった。ともすれば自己解放・表現が苦手な日本人選手の例にはまらず、羽生は伸びやかにほとばしる想いを滑りに乗せることが出来る選手だ。東日本大震災が起こった時、彼はリンクに居たという。そしてスケート靴のまま飛び出し、その後4日間、避難所生活を経験したそうだ。演技後、荒い息のまま、羽生がマイクを持った。「あんな怖い思いをしたことはない」という声が震えていた。おそらく練習もままらなかなかっただろう中で、これだけ完成度の高い演技を見せられる彼の強さに、本当に驚く。

羽生へのスタンディングオベーションの後、リンクに登場したのは荒川静香。東北出身の彼女が被災地をたずねる様子はつい先日テレビでも紹介されていた。シーンと澄んだ空気の中で静かに腕をあげ、それほど力を入れているように見えないのに、すーっと大きく進んでいく彼女の滑り。彼女の金メダルは運も確かに味方したけれど、なによりもその滑りの素晴らしさに要因があったのだろう。アヴェ・マリアの音楽とあまりに美しい滑りに、思わず涙があふれてくる。それにしても、いったい、引退してから何年たったのだろう?…何故、きれいに3回転が苦も無く跳べるの?まるでゆるみのない身体、優雅でやわらかで、それでいてスケールのあるスケート、きれいなビールマンスピン。思わず客席がため息をついた、スパイラルのノーハンドY字バランス…。涼やかな表情で滑るこの人の、毎日の練習の積み重ねを思うと、頭が下がる。彼女が日本のスケート界に与えている功績は大きい。アンコールでトゥーランドットメロディが流れた途端、トリノのFSを固唾をのんで見つめていたあの日の自分を思い出した。やはり素晴らしいスケーターだ。今でも、彼女はトップスケーターだとしみじみ思う。

トリは、もちろん、高橋大輔。Tシャツを脱ぐと、マンボの柄衣裳。やっぱり今日は思いっきり楽しく笑顔を届けたいんだろうな。3×3、3A、3Lz…全て入れてきたよね。ジャンプもステップも、100%って状態ではないと思う。でも、それで、いい。今はまだ。勝負の時はまだ数週間後だ。それにしても、ドーナツスピン(どうも本人サイドはドーナツじゃないと言っているようだが)で思いっきりわくのはやっぱりちょっと失礼なんじゃなかろうかと思ったりもするが…フィナーレにそなえてリンクサイドで盛り上がる出演者たちも大声援(ヤジもあり?)を送っていた。アンコールは、ピアソラ。終盤の連続ジャンプから(今回はルッツ1回だけ)コリオステップへ。最後のスピンは改良バージョン。思えばこのスピンは、あの震災当日、福井で初披露したんだったなぁ…。会場はこれ以上ないという盛り上がり。

そして、フィナーレ。

短い時間だったろうに、よく練習したなぁ…。なかなかきれいな円を描きながらのシンプルで素敵なフィナーレだった。

いちばん最後に、もう一度、高橋がマイクを持つ。

最初は関西のスケーターだけでやろうと考えたこと、けれど、東北出身の荒川や羽生が加わってくれたこと…この後募金活動をすることなど…決してしゃべりのうまい人ではないけれど、しっかり気持ちをつたえる言葉は、ちゃんと届いたよ。

最後に彼らはサブリンク(メインの横のちっちゃなリンク。BC席はこのリンク前でメインリンクからはずれていた)まで行って観客へ手を振る…いいなぁ、大好きだなぁ、コイツら(口が悪くてごめんね)!と思わず拍手。

そして、募金。長蛇の列。もうちょっとうまく誘導すればこれほど時間がかからなかったかもしれないけれど…でも、出口前で芝居の終幕後のように並んで、手に募金箱を持つスケーターたちを見ていると、こころがあったかくなった。

写真、握手、プレゼントはダメ、と何度も係員の方から注意の声が飛ぶ中…スケーターたちは募金する観客ひとりひとりにていねいに頭をさげる。にっこりほほ笑みながら。ずっと立ちっぱなしで大変だろうに、笑顔をたやさない。募金箱にはお札が目立つ。こうやって彼らが動くことで短時間にたくさんの募金が集まるのだ。

演技も、もちろん素晴らしかった。

でも、いちばん心うたれたのは、募金箱を手に、長い長い列を作った観客のひとりひとりに頭をさげていたスケーターたちの姿だったかもしれない。

いい、一日を、ありがとう。

私のこころにも生まれたこの想いは、誰かに優しさを届けたいという想いへつながっていく。今日この会場で生まれたたくさんの「ありがとう」は、集まった募金の大きさとともに、復興支援の大きな力となる。

そして同時に、たくさんのトップ選手と滑ったノービスや若手の選手たちへ大きな糧を残したと思う。

「とにかく具体的に動いてごらん」という相田みつをのことばを想い出す。想いはみんなもっているけれど、それが形になるためには、具体的な動きが必要なんだ。

そこに観客として関われたことが、嬉しい。


つたわる心、つながる想い~チャリティショー~

2011-04-09 21:35:42 | アイスショー・イベント

「東日本大震災チャリティ演技会~復興の街神戸から~」が開催された。

オークショングッズにかかわる開場時間の遅れ、それに伴う長蛇の列、終演後の募金誘導にかかった時間など…準備不足や運営面での不慣れさはあった。

けれど、そんなこと、どうでもよかった。

延々と並ぶ人たちも、文句を言ったり声を荒げることはなかった。いや、むしろ、この手作り感は、急ごしらえになったとしても少しでも早く支援に立ち上がりたかった彼らの想いを、しっかりと観客につたえていた。

なにより、演技後の疲れをものともせず、全員で募金箱を持ち、いつ終わるともしれない募金活動に笑顔で取り組んでいたスケーターたちの姿が、胸をうった。

高橋大輔は公演前、関大ブログにこう綴った。

『もちろん試合も大事。でも僕らスケーターで作り上げるこのチャリティが少しでも明るい未来の光になるのであれば嬉しいなと思います。』

そのことばどおりの、時間だった。

高橋以外は、現役選手全員がシーズンオフに突入していたはず。身体も心も、演技に向かわせるには苦労があったと思う。プロスケーターたちはこれからがシーズンではあるが、競技会仕様の全照リンクでの演技は容易ではなかったと思う。

そして、高橋大輔。

数週間後にモスクワワールドを控える身で、おそらくは発起人の一人としてリンク外でもさまざまな雑事に追われたことだろう。このことが、ワールドを戦う上でプラスとなるのかマイナスとなるのかはわからない。けれど、彼の演技への声援を見るとき、今最も観客を呼ぶことが出来るスケーターの一人である彼が動いたことは、大きい。彼の生きざまの片鱗を見たような気がした。

…別記事でショーの内容についてもふれてみたいと思う。