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太陽光発電 ~環境イノベーションの普及事例

2008年05月20日 | 環境イノベーションとその普及
 新エネルギー財団による住宅用太陽光発電への助成制度が2005年で終了した。しかし、都道府県等による独自の助成制度が継続されてきた。環境省や東京都等も新規の支援制度をたちあげる構えだ。

 こうした中、太陽光発電がもっとも普及している地域はどこだろうか。

 市町村別のデータは基本的にはないが、新エネルギー財団が2004年までの助成件数を公表しているので、それを分析してみた。

 1994年から2004年までの累計で最も多いのは、横浜市で2,513件。次いで、神戸市2,318件、熊本市1,815件、広島市1,813件と続く。浜松市も1,705件と健闘している。

 人口あたりに設置件数を換算してみる。設置総数が300以上のところに限ってみると、宝塚市が人口1万人当たり237件と最も多い。鹿児島県川内市も、同235件件と多い。次いで、鹿児島県国分市が同100件程度。

 さらに、長野県飯田市、茅野市、長崎県大村市、宮崎県日向市、都城市などが同50~70件となっている。

 これら市では、独自の融資あっせん制度などを持っていたため、普及が早かったと考えられる。南向きの傾斜が多い地域で、太陽光発電に向いていたためとも考えられる(たぶん)。
 
 そんな中、ネットサーフィンをしていたら、太陽光発電システム普及率50%以上の市があると書いてある。すごい。群馬県太田市である。

 太田市では、住宅に太陽光発電システムを設置者に対して、奨励金を支給しているが、これは実施している地域ではどこでも実施していることだ。

 太田市の状況を探ってみた。
 
・太田市庁舎では、ふんだんに太陽光発電を導入している。窓ガラスに組込んだシースルーアモルファス太陽電池、屋上に設置した単結晶太陽電池により30KWの発電容量があるらしい。この見える化、デモンストレーション効果は大きいだろう。

・パルタウン「城西の杜」集合住宅は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「集中連系型太陽光発電システム」の実証研究地に全国で唯一、選定された。各戸に太陽光発電システムを設置し、太陽光発電システム設置戸数 553 戸 / 697 戸(パルタウン全体)、出力総計 2,129.8kWとなっている。

・まちごと次世代エネルギーパークをめざして、構想を立案、推進している。この「次世代エネルギーパーク」とは、経済産業省(資源エネルギー庁)が主体となって推進する新エネルギー普及施策である。全国で10 件程度の自治体を選定し、太陽光や風力等の新エネルギー設備を整備した「次世代エネルギーパーク」の建設を国が財政面から支援するという。ショールームのようなものだ。

・平成17 年度までの太田市の住宅用太陽光発電システムの導入実績は776件、出力3,005kW で、そのうち上記の助成制度を使った導入件数は223 件(平成16 年度58 件、平成17 年度165 件)。さらに平成18 年12 月時点では、およそ3,600kWに達しているという報告がある。新エネ財団による助成も2004年までの累積で364件ある(市補助と重複あり)。

 人口20万人のまちで、上記のようなデータだけでは、太陽光発電システム普及率50%以上とはいえない。・・・おかしい。

 気になるので、市担当に電話で聞いてみた。市の助成制度では、平成16年から19年までの実績で751件が累計実績であるとのこと。これに「城西の杜」をたした1,300件程度が実態のようだ。

 市では、今後も毎年150件程度の助成を計画しているとのこと。50%はまゆつばだったが、太田市が太陽光発電(及び新エネルギー)の先進地を目指していることは確かなようだ。

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1 コメント

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Unknown (あーすねっと)
2008-05-22 19:32:30
宜しければ、・・・
カーボンニュートラルについて取り上げてください。
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