日本では、第二次オイルショック後に、1度、木質ペレットの普及しかけたことがあった。1984年には、製造メーカーが26 箇所、年間生産量28,000トンにも達したとされる。しかし、石油の価格が持ち直し、木質ペレット需要は大幅に減少し続け、1999年には、操業メーカー2 箇所、年間生産量1,500ton という状態までに衰退した。
2000年代に入り、木質ペレットが再度、注目された。スウェーデンで木質ペレットの生産が盛んになり、輸出国となっている状況を視察したグループの情報発信が発端だったと記憶する。その後、安定した火力や操作性のよさなどから、木質ぺレットの人気は高かったが、価格や規格の未整備等から、なかなか普及しないように見えた。
そして、地球温暖化防止あるいは森林資源の活用・山村振興等の観点から、バイオマスエネルギーの支援施策が整備され、昨今の石油価格の高騰もあり、ようやく木質ペレットの普及速度が高まっている。製造メーカーは、2004年18 箇所、2005 年32 箇所、2006年37 箇所、そして2007 年1月末には全国で38 箇所と増加してきた。生産量も、2006 年には約22,500ton と、1984年当時に迫る状況となってきた。
ペレットの普及が進んでいる地域は、ペレットの製造メーカーの所在地からみれば、北海道、次に岩手県である。岩手県では2004年度からペレットストーブの普及促進のための補助金制度を設けた。この結果、岩手県におけるペレットストーブの普及台数は、全国でも突出している。
ただし、岩手県が2004年に策定した「いわて木質バイオマスエネルギー利用拡大プラン」では、2006年度末までの目標値を2,092台と設定したが、実際には992台だった。2007年度の普及台数実績は約1,100台とされる。
なお、同県にこえるペレットストーブに対する助成は、県内の住居及び事務所などに設置する場合の補助金(最大5万円、購入額の1/4程度)が2007年度をもって終了した。県内の「公共的施設」にペレットストーブを導入する場合のみが補助金(最大10万円)の対象となっている。
木質ペレットの普及のためには、さらに小型でデザインのよいストーブの開発等、課題も多い。一方、災害用にペレットストーブを使うことを考え、電源を利用しないペレットストーブや、イベント利用等を考えたペレットグリル等の調理器なども開発されてきている。産直住宅でこだわって木造住宅をたてるなら、ペレットストーブの設置を前提に居間を設計するというように、産直住宅とペレットをパッケージ化してもいいだろう。
今後、公共施設等の業務用の需要が安定することで、供給事業の経営が安定し、そこを足がかりに、さらに一般家庭等への普及が進むことを期待したい。
参考文献:
財団法人日本住宅・木材技術センター「平成18年度木質ペレット利用推進対策事業報告書」
独立行政法人新エネルギー・産業総合開発機構「バイオマス等未活用エネルギー実証試験事業・同調査事業木質バイオマス燃料の活用実証試験事業報告書」
2000年代に入り、木質ペレットが再度、注目された。スウェーデンで木質ペレットの生産が盛んになり、輸出国となっている状況を視察したグループの情報発信が発端だったと記憶する。その後、安定した火力や操作性のよさなどから、木質ぺレットの人気は高かったが、価格や規格の未整備等から、なかなか普及しないように見えた。
そして、地球温暖化防止あるいは森林資源の活用・山村振興等の観点から、バイオマスエネルギーの支援施策が整備され、昨今の石油価格の高騰もあり、ようやく木質ペレットの普及速度が高まっている。製造メーカーは、2004年18 箇所、2005 年32 箇所、2006年37 箇所、そして2007 年1月末には全国で38 箇所と増加してきた。生産量も、2006 年には約22,500ton と、1984年当時に迫る状況となってきた。
ペレットの普及が進んでいる地域は、ペレットの製造メーカーの所在地からみれば、北海道、次に岩手県である。岩手県では2004年度からペレットストーブの普及促進のための補助金制度を設けた。この結果、岩手県におけるペレットストーブの普及台数は、全国でも突出している。
ただし、岩手県が2004年に策定した「いわて木質バイオマスエネルギー利用拡大プラン」では、2006年度末までの目標値を2,092台と設定したが、実際には992台だった。2007年度の普及台数実績は約1,100台とされる。
なお、同県にこえるペレットストーブに対する助成は、県内の住居及び事務所などに設置する場合の補助金(最大5万円、購入額の1/4程度)が2007年度をもって終了した。県内の「公共的施設」にペレットストーブを導入する場合のみが補助金(最大10万円)の対象となっている。
木質ペレットの普及のためには、さらに小型でデザインのよいストーブの開発等、課題も多い。一方、災害用にペレットストーブを使うことを考え、電源を利用しないペレットストーブや、イベント利用等を考えたペレットグリル等の調理器なども開発されてきている。産直住宅でこだわって木造住宅をたてるなら、ペレットストーブの設置を前提に居間を設計するというように、産直住宅とペレットをパッケージ化してもいいだろう。
今後、公共施設等の業務用の需要が安定することで、供給事業の経営が安定し、そこを足がかりに、さらに一般家庭等への普及が進むことを期待したい。
参考文献:
財団法人日本住宅・木材技術センター「平成18年度木質ペレット利用推進対策事業報告書」
独立行政法人新エネルギー・産業総合開発機構「バイオマス等未活用エネルギー実証試験事業・同調査事業木質バイオマス燃料の活用実証試験事業報告書」