サードウェイ(第三の道) ~白井信雄のサスティナブル・スタイル

地域の足もとから、持続可能な自立共生社会を目指して

トヨタ自動車が目指すもの

2008年06月12日 | 環境と森林・林業
 トヨタ自動車の環境フォーラムに行ってきた。その一部を記しておく。
 

 洞爺湖サミットを前にして、トヨタ自動車が環境・エネルギー問題にどのように取り組むのか、その全体像をメディアに提示した。

 やはり大きな問題は、地球温暖化もそうだが、後30年以内、石油が今のままでは使えなくなるということだ。

 その時代に対応する技術は、短期的には、小型軽量化等によるさらなる燃費向上、ハイブリッドカー(プラグイン)である。さらにその先は、電気自動車、燃料電池車が位置づけられている。

 特に、各家庭の太陽光パネルで発電し、プラグインで電気自動車に充電する方式が、分散電源を組み込んだ電力ネットワークの効率上、最適だという提案が面白かった。

 電気自動車の一般的普及の鍵を握るのは、より高効率の電池であるとして、電池開発の部署を立ちあげるとのこと。研究開発レベルにある電池技術が、果たしていつ、実用化できるのか、問題の深刻化と技術開発の競争が始まる。

 自動車に係る問題は、自動車に依存せざるをない生活様式・経済様式、国土・土地利用、公共交通基盤なども含め、トータルに解決をすべきだと思う。

 (それを知りつつも)今回のフォーラムは、自動車メーカーの本分である自動車単体の環境性能において、最大限のチャンレンジを宣言するものだった。世界一の企業の緻密さと明快さを感じさせた。


 さて、そうした本業の方針が高らかに示されるなか、社会貢献活動のパネル展示が一角を占めた。「森づくり・地域づくり・人づくり」というコンセプトにより、これまで実施されてきた環境関連の社会貢献活動が整理された。

 この社会貢献活動のコンセプトは、意義深い。

 本業がリードしてきた現代文明において、ともすれば忘れがちな森(自然)、人、そして地域に、きちんと目配せをするということだ。

 つまり、この社会貢献活動は、本業が先導していこうとする技術主導型の持続可能な社会において、技術だけでは満たされない部分を補完するという意味を持つ。

 さらに、技術主導で行こうとして、もしかしたら破たんシナリオに直面するかもしれない。それに対するロバストな受け皿づくり(代替的な持続可能な社会)にも手をつけていくという意味を持つ。

 これからも、トヨタ自動車の社会貢献活動に注目していきたい。
 

 
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