薄墨色

手帳に「晴れ」と書こうとしたら、長さ３ミリの鼻毛が
植わってて、根のあたりに直径１ミリの薄黒いシミがにじんでる。

あきれたもんだ。

「ピピピ、お風呂が沸きました」って機械が言うんで、
服脱いで風呂場へ行ったら、全然すっからかんじゃん。
栓するの忘れたみたいだ。

まだ土曜だった。

座椅子で居眠りして目が覚めた。
「うわ、もう４時半だ土日の休みもうおしまいか」
と思ったが、まだ土曜だった。

耳垢かっぽじったんだが。

左手に持ってる鈴を鳴らしているはずなのに、
右耳の方から鈴の音が聞こえる。

微妙にちがうと思うが。

「料理なんてしてるんですか」
「笹カマ、むしたり、ふかしたり」
「むしたり、ふかしたり、っておんなじじゃん」

ま、人来ないからいいんだけど。

１階の郵便受けに新聞を取りに行くだけなんだけど、
廊下の障害物競走をクリアしないと玄関にたどり着けない。
座椅子をまたいで、ぶら下がり健康器をくぐって、長靴をまたいで、
やっと玄関だ。
座椅子には１畳用のホットカーペットを載せてあるので、
けっこうまたぐのが大変だったりする。

教えてくれた人に、うんちく垂れてしまった。

「タマネギスライスするときはサランラップを目に貼り付けるといいですよ」
「それ、わしが教えたんじゃ」

本日の拭き掃除

ちゃぶ台の表面がベタベタだった。
ウェットティッシュで拭いたら、グルッと一回りで真っ黒になった。
で、ほんのりミカンの香りがする。
ミカンの汁をこぼしたのがベタベタの原因らしい。

腹に肉も付いたし。

厚手のズボン下にババシャツを着た上にスーツを着たら、
着ぶくれしてパツンパツンになって、１日中ずっと息苦しくて
クラクラした。