トラベクロトミー(線維柱帯切開術)
の特徴(トラベクレクトミーとの比較において)
【利点】
①晩期合併症が少ない:濾過胞感染、遷延性低眼圧なし
②術後処置が少ない
③白内障同時手術と相性がよい(1~2mmHgの追加眼圧下降)
④きちんと手術をすれば、予測性の高い術後成績
【欠点】
①眼圧下降効果が弱い:術後平均眼圧15~17mmHg
②病型により眼圧下降効果が異なる
③多くの場合眼圧下降点眼継続の必要あり
④術後早期の合併症:一過性眼圧上昇(スパイク)(15~40%)(深層強膜弁切除・シヌソトミー併用で頻度低下)
あたらしい眼科29(11):1483~1489,2012より
2012年5月に保険適用となったEX-PRESSは眼球内に挿入する新しいインプラント装置です。直径は380μm(0.38mm),全長2.6mmと手術用顕微鏡でなければ形状も確認しづらい極小のインプラント装置です。(写真は日本アルコン社HPより)
どのようなタイプの緑内障患者さんがインプラント手術の適応であるかは、緑内障を専門とする医師でなければ判断がつきません。 先ずは最寄りの緑内障の専門外来のある眼科にご相談されてみるのが良いでしょう。
緑内障インプラントの挿入には健康保険が適応されます。手術そのものだけの値段は1割負担で35,480円、3割負担ですと106,440円です。こちらはインプラント代金を含んだ値段ですが、手術前後の検査代金やお薬代・入院費用は別途必要となります。